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「私っ!ザーボンさんのことが大好きです!!」
なんて言おうか悩んだ結果が正統派のこのセリフだった。
シンプルイズベストだよね。
「***さん……私を好いてくれているということはわかりました。
しかし、なぜだか理由を聞いてませんでしたね」
あ、そういえばなんでか言ってなかったっけ。
なんて言おう。えっと、やっぱり率直に言ったほうがいいよね……?
「……やはり、顔ですか?」
隣にいたドドリアさんが勢いよく吹き出す。
綺麗なお顔をしているのは本当のことだけど、本人から真顔でそう言われるとちょっと面白いかも。
「本当のことを教えてください」
「ほ、本当のこと……ですか」
そんなこと恥ずかしくて言えない。
けど、でも。
それじゃ私の気持ちは伝わらない。
「……が……るとこです」
「聞こえませんでした、すみません……
もう一度言ってもらえませんか?」
伝えなきゃ。
勇気を振り絞って、お腹の底から声を出す。
「へ、変身できるとこですっ!!!」
言ってしまった。
……言ってしまったああああ!!!
ザーボンさんはぽかーんとしてるし、ドドリアさんはお腹を抱えて大爆笑している。
いたたまれなくなって逃げ出した。
もう顔合わせられない……
「待ってください、***さんっ!」
「ザーボンさんっ!?」
はや……
全速力で走って逃げたつもりだったのに、難なく追いつかれた。
ドドリアさんも後から追ってきたけど……なんのために?
「***さんの気持ちはわかりました。
正直、あなたも他の方と同じで私の顔が好きだと言ってくるものだと思っていたんです」
「はぁ……」
やっぱりたくさん告白されてきたんだ。
「しかしその……変身できるところが好きだと、そう言ってくれたのはあなたが初めてだったので、つい唖然としてしまいました。すみません」
「いえ……こちらこそなんかスミマセン……」
おかしい。
変身できる人なんかめったにいないのに。
私は他にはフリーザ様しか知らない。
なぜみんなそこに惹かれないんだろ。
変身とかめちゃくちゃかっこいいのに。
なんなら私が変身したい。
「お前みてーな変な奴、なかなかいねーよな!」
ドドリアさんはまだ目に涙を浮かべてそう言った。
是非ともほっといてくれ。
それを聞いてザーボンさんは咳払いをした。
「……そんなおかしな理由で好きになってくれたあなたを……
……私も、好きになってしまったようなんです」
……嘘?
ドドリアさんは『身近にもっと変な奴いた!!』みたいな顔で固まっている。
「よかったら、お付き合いしていただけませんか?」
「……はい!喜んでーーーっ!!!」
それを聞いて、ザーボンさんはにっこりと笑った。
ワレ奇襲ニ成功セリ!
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