圧倒的シリーズ
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「ううむ、では『いちご♡みるく』でどうだ?」
「すみません、かなり気持ち悪いです」
圧倒的想像力
あれから数時間。
食堂では色々と問題があるので、私たちは隊長の自室に移動していた。
「とりあえずオーシャンページプラスというサイトに登録して作ってみました」
「おぉ、すまないな、***!
……これが俺のホームページ」
中央揃えにしたサイト内に
タイトル、ファースト、更新履歴、メイン、掲示板、拍手
の順に縦に並べただけのレイアウト。
これを隊長の好きなように改変してもらうという考えだ。
「タイトルとコンテンツの名前、あとは管理人である隊長のハンドルネームも決めてくださいね」
「ふむ、タイトルか……」
可愛い系でいこうか、クール系でいこうかと、まるで思春期の女子のような戯言を抜かしつつ隊長は真剣に悩んでいた。
「Curious Babyとかどうだ?」
「よくわかんないけど走って逃げたくなりました」
こんなイカツイ見た目で心は乙女なのか?
curiousなのは貴方ではないか。
……しかしこのタイトル決めはこれから始まる隊長の乙女地獄の幕開けに過ぎなかった。
「とりあえず決定、っと」
決定しちゃったよ!
まぁ……いいんだけど。
「次はコンテンツだな。無難にいくか……」
無難、てことはfirst、history、dream…みたいな感じかな。
横から隊長のタブレットを覗き込む。
そこに並んでるのは……
「ナメック語やないか!!」
「せっかく習得したから……」
「隊長がわかっても読者の人には読めないじゃないですかー!
ナメック星人にしか読ませないつもりですか!?」
「それもそうだ、***は賢いな!」
まさか言語設定を変更するだけのためにナメック語を習得するとは、
そしてそれをここでぶち込んでくるとは思いもしなかった。
私の助言を聞いて、隊長はおとなしくコンテンツ名を変更してくれた。
『!attention!』『new』『zzz』『BBS』『clap!』
……メインの小説がzzzというのは一体なんなんだ?
女子か?もしかしたらこの人はボディチェンジをしすぎてこの姿になってしまったが元々は思春期の女子だったのか?
わらしべ長者の結果がこの身体なのか?
だとしたら可哀想すぎる。
力を求めた結果、紫色のおっさんになってしまっただなんて。
「おい、***!聞いてるのか!?」
「あ、すみません。
聞こうとも思ってませんでした」
「まったく、***は正直だな!
俺はさっき、ハンドルネームはどうしようかと聞いたのだ」
Fantastic☆Guyでいいと思います。
「『みるく☆きゃらめる』はどうだ?」
「すみません、ちょっと気持ち悪いです」
まさかの☆被り!!
同じ空間で過ごしているからセンスが移ってきたんだろうか。
走って逃げたい。
「ううむ、では『いちご♡みるく』でどうだ?」
「すみません、かなり気持ち悪いです」
「よし!では、ちょっとだけしか気持ち悪くない方の『みるく☆きゃらめる』にしよう!」
「あぁ、もう……いいと思います」
こうして無事(?)隊長のサイト開設は終了した。
なんかそこそこ大きいひとつの星を制圧し終わった時と同じくらい疲れた。
「あとは小説の更新だけだな!」
「私は部屋で寝ながら更新を待ってますね」
伸びをしながらドアに向かって歩き出した時、何かが飛んでくる気配がした。
考えるより先に手が動いて、それをキャッチした。
なに?小さい箱?
「おお、ナイスキャッチ!」
嬉しそうな隊長の声。
手の中を見ると、キャラメルの箱。
「手伝ってくれた礼にキャラメルをあげよう!
明日からの昼メシ期待してろよ、***!」
タブレット片手にウインクする隊長。
鬱陶しくても気持ち悪くても憎めない、それが私たちの隊長なんだなぁ……
と、いい感じに締めておく。
昼食も小説も楽しみにしてますよ。
「ありがとうございます、隊長!」
疲れたけど、楽しかったしいっか。
続く