そして翌日、チーシャンの街が賑わう時間に私達は自己紹介をしつつ腹ごしらえを終え、家への道を歩いていた。

「いやー、助かったよ。おにいさんが泊めてくれるなんて！」

「当たり前だろー？命かけて同じ敵と戦ったんだ、もてなさせてくれよ。もう友達だろっ？アラジン！」

「…うん！」

「アラジンは、何が好きですか？夕食は、出来る限りお好きなものを作りますよ」

「わぁーーい！ありがとう、クーさん！僕お姉さんの作るご飯ならなんでもだぁーーい好きだよ！」

仲良く話に花をさかせながら、夕食の買い物をし家路を歩いた。なんだか、弟ができたみたい……！










「わー！僕、友達のおうちって初めてだよ！」

「そうか？まぁ座れよ。茶でも淹れっからよ」

「私は、食材の片付けをしていますね。ゆっくりしていってくださいね」

「ありがとう！」













時折聞こえてくるアラジンたちの話に首を傾げるばかりだった。けれど、まだ幼いのにしっかりしています。私たち姉妹とは大違い。

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ！

そんなとき、家のドアが外から叩かれアリババの名前を呼ぶ声がする。その声に聞き覚えがあり、私は急いでドアを開けた。仕事先の社長さんだった

「社長さん？」

「アリババ！クー！お前たち、なんてことをしてくれたんだ！ブーデル様のブドウ酒をパアにしたそうじゃないか！先方は弁償代金1000金貨って言ってきてるぞ！」

「いやぁ、そのことですが…後で相談しようと思ってたんすけど…」

「お、おい…笑ってる場合じゃねぇぞ…。アリババ、お前…奴隷にされるぞ、クーは領主さまに献上されるぞいいのか？」

「ど、奴隷？いや、その前にあの領主まだ諦めて………」

「わ、私今すぐ金を売ってきます！アリババを奴隷になんてさせません！」

社長さんの言葉に、アリババは驚き顔をうつ向かせ。私は、大事に置いてあった金で出来た物をいくつか持ち早足で家をでた。後ろから、アリババが呼んでいたのも気づかずに