act.2
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「着いたぞ、ここだっ!」
「えっ!?」
街並みに合わない宮殿のような建物。振り返ると私たちの家の屋根が見えそうなくらい近い。孤島に浮かんでいるとか樹海の奥にあるとか思っていたアラジンは声を上げて驚いた。
「ふぅ…ここが“死への階段”か」
「死への?」
「そうさ、なんせ10年間で約一万人が登ったっきり死んだ階段だからな。登ったら二度と降りられない階段ってわけだ。まぁ俺たちは大丈夫だけどな!」
高らかに笑うアリババ。しかしその顔はすぐに不安げに曇る。命がけの冒険なんて誰だって怖いに決まっている。クーもまた、アリババの手を握る。そんな彼らの気持ちをアラジンも察したのか、アリババに変顔を見せて階段を駆け上がる。
「大丈夫だよ!これは死への階段なんかじゃないよ…君の夢へと、繋がる道だよ!」
アラジンは段上から手を差し出す。逆光の中笑顔を浮かべるアラジンを見て、アリババもクーも自然と笑顔になった。
「よーし行くぞっ!」
二人の手を取り、階段を駆け上がるアリババ。登り切ったところですぐに階段を降りる。
「なんで戻るの!?」
「すぐ行くとは言ってないだろ」
迷宮攻略には準備が必要だとアリババはすぐにでも迷宮に入ろうとするアラジンを引きずって買い出しに向かった。
チーシャンは元々迷宮が出現した時に冒険者が集まって栄えた町で他の町に比べて武器屋が多い。アラジンは禍々しい武器を手に取り、これはどうかとアリババとクーに武器を向ける。アリババは危ないだろと数歩下がった時、女の子にぶつかってしまった。その女の子が持っていた籠いっぱいの果物が辺りに転がってしまう。
「だから危ないって言っただろ!」
「大丈夫ですか?」
「ご、ごめんよー…おねえさんもごめんよ…」
「………」
アラジンとクーが落ちた果物を拾おうと手を伸ばすと、それを遮るように女の子が素早くすべての果物を籠に戻し、立ち上がった。鮮やかな赤髪に印象的な目元。その顔は怒っているのか膨れっ面である。
「ゴッメンネー!うちのバカが…ケガない?荷物運ぼっか?」
「いえ、いいんで…」
「……もしかして、モルジアナさん?」
「クーさん?……お久しぶりです。」
「え、なに?お知り合い?」
一度、領主様に招かれたことがあるクーの案内人として現れたのが彼女だったのを覚えていたのだ。しかし、すでに落ちた果物を拾ったモルジアナは礼を一つすると歩き出した。歩くたびに鎖のジャラジャラという音が聞こえる。アラジンは鎖独特の音がどこからしているのかすぐに気づいた。モルジアナの両足の足枷である。長い布で隠れていた足首が露わになり、彼女は恥ずかしそうに足枷を隠そうとする。
「あの足枷…」
「ああ…あの娘、奴隷だ…」
「奴隷?」
その単語に先のアリババの処遇を聞いていたクーは、モルジアナに駆け寄ったそれに、俺も他人事じゃないと呟くアリババの隣にいたアラジンはウーゴ君の力を借りてモルジアナの鎖を切った。
「アラジン?」
「ハイ、取れたよ!これでおねえさん、きれいな足を隠さずに歩けるね!」
「……!」
「アラジン!お前…!!」
「ヤ…ヤベェ…」
アラジンがモルジアナの足枷を壊したのを見ていた周りの人々は顔を真っ青にしてアラジンたちを避けるようにその場を離れていく。一定の距離を保ってその様子を見る野次馬がどんどん増えていく。
「コラそこーっ!何騒いでるー!」
その場にのっしのっしと巨体を震わせて現れたのは、砂漠ヒヤシンスに襲われた時に一緒にいたブーデルであった。ブーデルとアリババは互いの顔を数秒間凝視した後、お互いにあの時のことを思い出して声を上げた。
「んん?…キサマら奴隷を窃盗か?重罪だぞ…?」
「重罪?同じ人をまるで物の様に扱うあなたたちが間違っ……んん!?」
「…僕ら、何もしてませんっ」
「えっ!?」
街並みに合わない宮殿のような建物。振り返ると私たちの家の屋根が見えそうなくらい近い。孤島に浮かんでいるとか樹海の奥にあるとか思っていたアラジンは声を上げて驚いた。
「ふぅ…ここが“死への階段”か」
「死への?」
「そうさ、なんせ10年間で約一万人が登ったっきり死んだ階段だからな。登ったら二度と降りられない階段ってわけだ。まぁ俺たちは大丈夫だけどな!」
高らかに笑うアリババ。しかしその顔はすぐに不安げに曇る。命がけの冒険なんて誰だって怖いに決まっている。クーもまた、アリババの手を握る。そんな彼らの気持ちをアラジンも察したのか、アリババに変顔を見せて階段を駆け上がる。
「大丈夫だよ!これは死への階段なんかじゃないよ…君の夢へと、繋がる道だよ!」
アラジンは段上から手を差し出す。逆光の中笑顔を浮かべるアラジンを見て、アリババもクーも自然と笑顔になった。
「よーし行くぞっ!」
二人の手を取り、階段を駆け上がるアリババ。登り切ったところですぐに階段を降りる。
「なんで戻るの!?」
「すぐ行くとは言ってないだろ」
迷宮攻略には準備が必要だとアリババはすぐにでも迷宮に入ろうとするアラジンを引きずって買い出しに向かった。
チーシャンは元々迷宮が出現した時に冒険者が集まって栄えた町で他の町に比べて武器屋が多い。アラジンは禍々しい武器を手に取り、これはどうかとアリババとクーに武器を向ける。アリババは危ないだろと数歩下がった時、女の子にぶつかってしまった。その女の子が持っていた籠いっぱいの果物が辺りに転がってしまう。
「だから危ないって言っただろ!」
「大丈夫ですか?」
「ご、ごめんよー…おねえさんもごめんよ…」
「………」
アラジンとクーが落ちた果物を拾おうと手を伸ばすと、それを遮るように女の子が素早くすべての果物を籠に戻し、立ち上がった。鮮やかな赤髪に印象的な目元。その顔は怒っているのか膨れっ面である。
「ゴッメンネー!うちのバカが…ケガない?荷物運ぼっか?」
「いえ、いいんで…」
「……もしかして、モルジアナさん?」
「クーさん?……お久しぶりです。」
「え、なに?お知り合い?」
一度、領主様に招かれたことがあるクーの案内人として現れたのが彼女だったのを覚えていたのだ。しかし、すでに落ちた果物を拾ったモルジアナは礼を一つすると歩き出した。歩くたびに鎖のジャラジャラという音が聞こえる。アラジンは鎖独特の音がどこからしているのかすぐに気づいた。モルジアナの両足の足枷である。長い布で隠れていた足首が露わになり、彼女は恥ずかしそうに足枷を隠そうとする。
「あの足枷…」
「ああ…あの娘、奴隷だ…」
「奴隷?」
その単語に先のアリババの処遇を聞いていたクーは、モルジアナに駆け寄ったそれに、俺も他人事じゃないと呟くアリババの隣にいたアラジンはウーゴ君の力を借りてモルジアナの鎖を切った。
「アラジン?」
「ハイ、取れたよ!これでおねえさん、きれいな足を隠さずに歩けるね!」
「……!」
「アラジン!お前…!!」
「ヤ…ヤベェ…」
アラジンがモルジアナの足枷を壊したのを見ていた周りの人々は顔を真っ青にしてアラジンたちを避けるようにその場を離れていく。一定の距離を保ってその様子を見る野次馬がどんどん増えていく。
「コラそこーっ!何騒いでるー!」
その場にのっしのっしと巨体を震わせて現れたのは、砂漠ヒヤシンスに襲われた時に一緒にいたブーデルであった。ブーデルとアリババは互いの顔を数秒間凝視した後、お互いにあの時のことを思い出して声を上げた。
「んん?…キサマら奴隷を窃盗か?重罪だぞ…?」
「重罪?同じ人をまるで物の様に扱うあなたたちが間違っ……んん!?」
「…僕ら、何もしてませんっ」