傷は癒えた。
さぁ、戦闘だ。練 紅炎を信じるものすべてに目にもの見せてやる。

煌帝国は誰のもので、あるのか。
世界の害悪は誰なのか。
あいつらのやってきたことを、民に刻むんだ

「よう、準備は万全か？お待ちかねの戦いだぜ？」

「万全に決まっている。そう言うお前はやけに大人しいな？魔法のせいだけじゃないだろう」

「あぁ？大人しくもなるさ、チビがあんなんじゃ全然っ俺的にはテンション上がらねーって言うか…まっ、白龍たちの戦いはすんげー楽しみだぜ？なんてったって俺が選んだ王たちだからな！」

「ふん。」

大きな目的の前であるというのに、軽い会話を交わす2人。
時間が来れば、金属器を握りしめジュダルに見送られながら部屋を後にした。
向かうは、煌帝国領地にある荒野

「きたか」

先に、紅炎の方が到着していた。いつものその口調に態度に、自分はまだ下に見られているのかと思ってしまう。
しかし、そんなことはない。アリババすらも退けたあの力さえあればこの男も同じ路をたどるのだから…

「練 紅炎。俺は貴様を殺すっ！！！全ての元凶たる玉艶をあそこまで見逃した罪、兄様たちの一大事に居なかった罪、今幽閉しているであろう神子に対する冒涜の罪死んで償えっ」

魔装 ベリアル。

「やはり、お前は何も見えていない。その根性叩き直してやろう」

魔装 アガレス。










「さて、そろそろ始まったころだろう？その現地に向かおうとしよう…練 白瑛さん」

「はい…シンドバッド様」

シンドリアの王は、静かに動く










流石に警戒されている。
息を切らしながら、白龍は考える。
自分より多い金属器をもつ紅炎に、唯一対抗できるであろうベリアルだが、アリババの例もあるせいか攻撃が当たらない。
ならば、精神攻撃は？紅炎にフェニクスがある限り、望みは薄く感じる…

「どうしたお前の、怒りは憎悪はその程度のものか？まるで、あの魔女を倒したようには思えん」

「くっ、そんなわけないだろうッ！！」

ザガン！

ベリアルの魔装のまま、ザガンの魔法で紅炎を縛らんと指示を送り、一瞬の隙をも逃さないように素早く距離を詰める。
そして、一線。切っ先が紅炎の目正確にいうなら、目の上をかすめるそれだけで、紅炎の右目は見えなくなる。
やっと、見えてきた。右の視界が消えたつまり、右から攻めていけばいい！！