―・・・・ここはどこだろう？

天も地も左右もないと感じさせられる真っ暗で静寂だけが支配する空間。
アリババは、ふわふわと漂っていた。

―わかんないけど、なんだか温かい・・・安心する

恐怖を抱きかねない空間だというのに、不思議と安心感を覚えるアリババ。

―おいおい、こんなとこでお前は寝ちゃダメだろう？

―？？

―アリババ・サルージャ。ナラ様とソロモン王の御子息であるアラジンさまが選びし、王よ。思い出せ、ここに来る前お前が成そうとしていたことを

―そうだ。俺、はくりゅうを・・・・

謎の声により覚醒したアリババ。思わず周囲を見渡してみると

―えぇ！？・・・誰？？

―俺は、オルバ！ナラ様の部下の一人であの日に死んでルフに帰った奴だ！

ぽーっと光るハニワが目に入ったアリババは、その姿に、その者正体に驚く

―さて、自分が何をしていたかを思い出したところでいいことと悪いことをお前に伝えよう。
幸か不幸かここに到達したお前に

―すみません。なんでハニワなんですか？

―・・・・かつての姿をするにはそれなりのルフが必要だ。しかし、ここでそれをしてしまうと見つかりかねないだから、この姿なのだ

見つかりかねないとは誰のことだろうか？アリババには想像もつかないがとりあえず納得することにした。

―では、話を戻そう。お前は先にどちらの話が聞きたい？

―・・・悪い話で

―よかろう。では心して聞くがいい。今存在する世界は、ソロモン王がイル・イラーよりその意志を上塗りし閉ざされた運命ではない。自身で選択できる世界になっているだが、その世界のルールが近い未来、アラジンさまが動こうとナラ様や、ソロモン王誰が動こうとも逃れられぬ変革が訪れる。

否、再びあの二人は巻き込まれてしまうのだ。運命に

―！？そんな大がかりなこといったい誰が？？アル・サーメンは白龍たちによって壊滅された。他にできる存在なんて・・・・

―本当に？心当たりはないのか？？いいやお前は知ってるはずだ。見ているはずだその変革するに足る力を持つものを

―・・・まさか、シンドバットさん？

―そのまさかだ。彼は、あの会談の時不確かだった繋がりが固く結ばれたのだ。ここにいるイル・イラー否ダビデと…ここまでくればわかるだろう？

―つまり、シンドバットさんがダビデにとって代わられる可能性があると・・・？

なんて冗談なんだ。シンドバットさんがアラジンの親父さんに倒された奴が、再び世界に干渉しようだなんて・・・

―そ、それでもう一つのいい話とは？

―お前はまだ、死んではいない。たまたま、この空間にきたのと体の方をアラジンさまが丁重に扱っていてくれているおかげで、帰ることができる。
そのまま、この方も一緒につれていってほしい。

―この方？ってまたハニワ・・・・

―あなたは、もしかしてバルバットのスラム街にいた・・・・

―？なんでそれを

―私は、##NAME2##。ユールの一部、運命のいたずらがおこした異分子。

―##NAME2##さ、ん？ユールの一部ってナラさんの・・・・

―保険だ。この方だけで止まることはかなわないが時間を稼ぐことができるだろう。それでいいのでしょう？##NAME2##様

―うん。それが私のほんとに最後の役目。

さぁ、いきましょう。天秤を少しでも傾けるために・・・