バルバットに戻った紅炎たち、その日のうちにフェニックスで大方の傷を癒された白龍だったが魔力の消費量などが激しかっためあてがわれた部屋で死んだように眠った。それに、再びアラジンによって魔力を封じられたジュダルが付き添う。
アラジンはというと、アリババと独断での先行について紅明たちに説明を余儀なくされ。

「まったく、兄王様がああして駆けつけなければ無駄な兵力を使ってしまうところでした」

「・・・・」

「まぁ、なんとか最小限の戦いで済む。これなら他国も容易には干渉できないでしょう。兄王様の行動には恐れ入ります・・・・。」

「・・・声が聴こえた」

「「？？」」

「あの女の声だ。今すぐに行って欲しいと」

「あの女？」

「なるほど……かの女性なら可能なことですね。しかし、大きな借りができましたね」

「フン。借りならすでに返した」

「まさか、お母、さんなのかい？」

「そのようです。ぜひ我が煌帝国に貴重な戦力として迎え入れたいくらいです。」

「！！だ、ダメだよ！そんなことっ」

「わかっている」

この状況でさえ、視えていたとは末恐ろしいとともになるほど、アル・サーメンたちが数多の王がこの自分が、欲しがる人物であると紅炎は、改めて思った。


一方白龍の魔法によって、戦闘不能になったアリババの介抱にモルジアナたちが尽くす。

ある意味嵐のような一日が過ぎ、説明し終えたアラジンはそのままアリババの元へ向かう。

「あっ、アラジンさん」

「アラジンさんどうしよう！！？」

「アリババさん全然目覚めないの・・・『フェニックス』もどんな治癒魔法も効かないんじゃ・・・」

「俺たち一体、これからどうすりゃいいんだよ・・・・！？」

「・・・・・・・」

だが、待っていたのは目覚めないままのアリババと自分たちにできうる限りのことを尽くしそれでも、目覚めないアリババに悔しがるオルバたちに返す言葉のないアラジン。

「あの練白龍って奴が悪いんだろう・・・・」

「オ、オルバ！」

「俺は、仇を討つ。今、練白龍はこの建物の中にいるんだろ？しかも弱っている・・・・殺せる絶好のチャンスだ！そうすべきだろう！？なぁ、アラジンさん！！」

「ううん、僕は・・・それはやらない。」

一体、仇討ちをしてどうなるんだろう？白龍くんのそばにはジュダルくんもいる殺されれば、ジュダルくんこそが恰好の依り代になりうるだろう。それに・・・・

「！？なんでだよッ！！？」

「アリババくんは、白龍くんのことを憎んでなんかなかったからさ・・・」

「・・・・・」

「それにね・・・アリババくんのためだからとか、仇討だからとか、そんなにアリババくんばっかり頼ったら、アリババくん目を覚ましたらきっと困っちゃうよ。」

「・・・・・」

「僕は、これからソロモン王でも神子でもウーゴくんのものでもない。僕だけの答えを見つけなければいけない」

受け継いだ能力や、今回僕がなんのために白龍くんたちの元へ向かったのかそれらは、僕の意志とは関係のないものだ。ただ、流れに乗っただけアリババくんについていっただけ・・・だったのだから

「アラジン・・・・・」

「そして何よりも今・・・・・仲間として、アリババくんを助けたい！これこそが僕の意志さ！」

「！！」

「ア・・・・アラジン」

「・・・・そうだな。仇討ちなんかよりそっちが先だ。」

「アリババさんをあきらめるなんてできません。」

アラジンの強い決意に、感化され元気を取り戻すオルバ達

「あきらめるも何も、アリババの中身、どこか別の空間へ飛ばされただけらしいぞ。」

「おお！！それじゃあ・・・」

「アリババくんを、みんなで探そう。」

そうだこの魔法に、僕なりの名前を

「ひらけーゴマ！！！」