反転魔法流止。
アルマトラン引いては、この世界中でたった1人しか使えない封印魔法の１つ指定した範囲内の魔法の一切を封じる魔法。

「これを使えるのは、僕のお母さんただ1人。だけど……」

「くそっ！それも、ソロモンの知恵の力だっていうのか！？」

「違うよ。たとえソロモンの知恵だとしてもお母さんの魔法の使い方は、わからない。でもね、僕はお母さんの子供だ」

「だとしてもだ！！世界には、魔法が使えない親から魔法の才に溢れた子供も生まれる。遺伝だなんて、ありえねぇ」

遺伝……それは親から子へと形質が伝わるという現象のこと。だがしかし、ジュダルの言う様にそんな特別な魔法がただの遺伝で使えるとは思えない

「一体どんな手を使った！！」

「………ねぇ、ジュダルくん。本当にアル・サーメンは壊滅したと思うかい？」

追求するジュダルに、アラジンは話をそらす。

「なにを…そんなの当たり前だろ！！親玉の玉艶を殺して、下の奴らも白龍の金属器の魔法で改竄してんだ！それを、お前はなにがいいたいんだ！」

「はっきり言おう。アル・サーメンは壊滅していない、理由は僕のお母さんだ。ジュダルくんも見たはずだ、アルマトランでの、ここでのアル・サーメンは、イル・イラーとお母さんをどんな手を使おうとも手に入れたがっていた。つまり……」

アル・サーメンは、壊滅していない。今は、巧妙に壊滅したように見せかけているだけだ

その意味を理解したジュダルは、アラジンのその事実を否定する。

「壊滅してないって？はん！お前大丈夫か？頭おかしくなったんじゃねぇの？」

「……わかった。僕は、アリババくんに加勢に行くよ。」

理解しあえない2人は、会話をやめアラジンは白龍と戦うアリババの加勢に向い。
魔法が使えないジュダルは、その場にとどまるしかなかった。












白龍とアリババは激しい攻防を繰り返していた。
本来であれば、火属性に特化したアモンに植物を操るサガンだけであれば勝敗は明確だったであろう……だが、今の白龍にはアリババの知らない、もう一つの金属器ベリアルを持っている。
その力は、未知数！
その為、苦戦を強いられるアリババのところに、ジュダルと戦っていたはずのアラジンが加勢に現れる。

「アリババくん！」

「アラジン！？」

「！？ジュダルはっ！」

「ジュダルくんは、無事だよ。ただ少し魔法を封じただけさ」

「魔法を封じる？それは、あの人だけの魔法では……」

そのことに、アリババは驚きまた白龍もとっさにアラジンが現れた方向に目を向け、ジュダルを探す。

「白龍おにいさん。今すぐ戦いをやめて欲しい。」

「何故？貴方こそ、戦いをやめてこちらにつくべきだ！紅炎たちに囚われたナラ殿を救う為に」

「違うよ。白龍おにいさん、お母さんは紅炎おじさんたちのところにはいない。いるのは、壊滅したと見せかけたアル・サーメンたちのところだ！」

そんな、白龍にジュダルの無事を伝えると、先のアリババとの会話の様になってしまう白龍とアラジン。

「戯言を！そんなことを誰が信じると？あなたも騙されているんだ！！」

「白龍おにいさんこそ、冷静になって考えてみてよ！君こそが、この解答に一番近いんだ」

「一番、近い？どういうことだアラジン？」

「それはね、白龍おにいさんの過去にあるんだ」