何だってんだ、何だってんだ・・・一体、こいつになにがあったってんだ！？

「お前は何を知ってんだ！！アラジン！！！」

「ジュダル君落ち着こうよ？僕は何も知らないよ。でもしいて言うなら視えたんだ・・・お母さんが視ていた景色を」





戦闘開始から、ジュダルは新しく手に入れた力を使いアラジンを一方的に追い詰めていた。実際そのはずだったしかし、アラジンは憎たらしいほどに余裕そうな表情を崩さなかった。

「はっ、どうしたよ？お前の力はこんなもんなのか？くらいなアラジン。『黒い雷槍』！！！！」

あの会談でも放った魔法をあれ以上の力でアラジンに放つジュダルだが、その攻撃がアラジンにあたる直前で不自然に軌道が反れる

「！？なんだそりゃあ？」

「ジュダル君もまだ知らない・・・僕だけの『魔法』さ！」

それは、アラジンの使ったジュダルも知らない魔法だった否、見たことならばある

「いや、それはアルマトランで見たソロモン王の力魔法か！？俺が知らねぇ魔法式の魔法を、おまえが使えるワケがねぇ。」

「それはどうかな？」

「！それは・・・ソロモンの知恵か！また俺に昔の幻覚でも見せようってのか？無駄だぜ！」

「違うよ！ジュダル君、君はソロモンの知恵を誤解しているようだね！」

「なんだとぉ？」

軌道が反れたトリックの種明かしをうけ、その額にジュダルにとっては、忌まわしいソロモンの知恵を発動させたアラジン。また、昔の幻覚をみせるつもりか？と思い、聞くとどうやら違うらしいならば、ソロモンの知恵の力とは一体・・・・？

「ソロモンの知恵は・・・・僕を聖宮に接続する力さ。聖宮とは・・・すべてのルフを制御する特別な部屋。そして、マギの魂の還る場所・・・・ジュダル君。君もかつてそこで生まれたんだよ」

「・・・・・・・」

「聖宮が司る大いなる流れの中には、この世界に生きたすべての人たちの・・・そして、アルマトランに生きたすべての人たちのルフが含まれている。だから僕は、彼らのルフに聞くことで、アルマトラン時代のすべての魔法さえ、使いこなすことができるっ！！」

「なんだとォ・・・・・！！？」

「ソロモンの知恵、故に全知！！！」

全知の力・・・・体が震えるジュダルこれは、先ほどの異様さ故の震えではないこれは、武者震いというやつだ！！

「面白れぇ！！！勝負だアラジン！！！」

「その必要はないよ・・・・反転魔法流止」

そっとアラジンは、魔法を発動させた。