「玉艶様・・・ナラ様が・・・・」

「いかがしますか？」

「今はまだ、様子を見ていましょう。あぁ、そういえばあの子たちはうまくやっているのかしら？」

その瞳には、無数に現れる黒いジンと戦う金属器使いたちと我らが父とそれに寄り添うように浮かぶナラをうつし微笑んでいる。

「無駄ですよ。『依り代』は幾万人もの背名から得た莫大な魔力と黒いルフの結晶体・・・気傷付けることすらかないません。そして無数の『黒いジン』を産み出し続ける・・・たった六人のソロモンの『金属器』使いの魔力は・・・はかないですね・・・」





マグノシュタット上空

「どいつも、こいつも、おまえも、おまえも、邪魔だ！！！俺の邪魔をする奴は死ねっっ！！お前たちはなんだ？俺に真実を差し出せるのか？ん？お前たちを片付ければ、俺はついに欲しかったものを手に入れることができる。物言わぬ愚図は死ねっつ！！とっとと俺にあの”マギ”と語らせろ！！！」

愛し子は、一体あの男の人に何を言ったのだろう・・・？

「―――あなたは一体何者ですか？」

「・・・・誰？」

「失礼。私は練紅明と申します。」

「練・・・・白雄たちの家族？」

そこへ、一人の男が近づいた。名前は練紅明・・・練という単語にポロリと口から白雄の名前が漏れる

「これは、驚いた。白雄殿をご存じで？」

「私は、ナラ。ただの魔導士。煌帝国に一時期住んでいたことがあったのその時に、いたのが白雄・・さまだった」

「それで、そのただの魔導士があれほどまでにいとも簡単にあの黒い化け物を倒し、マグノシュタットを消し去ったと？」

「そう。一つ訂正するならば、消し去ったわけじゃない」

これ以上傷つけないように、封印しただけだがそれをこの人に言うわけではない
本音の探り合い

「・・・まぁいいでしょう。今はあれの撃退が最優先事項です。あのマギに聞きましたが上で蠢いているものと依り代を引きはがせば上の奴はなんとかしてくれるそうですね」

「えぇ間違いない。あれが引きはがされ消えれば少しは倒しやすくなるはず」

少しの間にらみ合ったが、男の方が折れため息を一つつくと神と依り代の話になる。

「極大魔法を同時に・・・でもあれでは、火力が」

「しかしこれ以上増幅は・・・」

ボォッ


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ！やってやるぜ極大魔法『炎宰相の裂斬剣』！！！」

杖を一振りし、その先から炎をだしアリババに渡すと渾身の力でその剣を降り下ろしたそして見事、神と依り代を繋いでいた柱は離れた

「上はまかせて」

今よりもっともっと高く飛び上がり、杖を前に構え力をもってして神を元の場所へ戻し、神があらわれた空間に封をかける

「ーっ」

魔力の大幅な消費で、そこをつくギリギリもう浮かぶ気力さえなく、ふっと真っ逆さまに落ち

「大丈夫ですか？・・・・ナラ殿」

「私はいいから依り代を………」

「ああ、それこそ問題ありません。兄王さまの極大魔法は、永属性のあるものですから」

「違……う…」

そうになったのを誰かがひき止めるかのように誰かの腕にすっぽりと納められる。薄れ行く意識の中、必死にその答えを否定した。