「この国は本当にお祭が大好きね……」

「まったく、これで何回目だ？ナラ今日は、あいつの所には行くなよ」

「わかった」

アラジンとお友達たちがザガン攻略をして帰って来た。そのお祝いに今日も国は、お祭り騒ぎ。今回は流石に参加する気力もなくゆっくりとソロモンとそれを眺めるだけだ。

「ねぇ、ソロ。ここはいい国ね」

「……あぁ。いい国だ」

皆が楽しそうに笑っている

ドーーーーン
「きゃーーーー！」

「「！？」」

平和な空間の中に似つかわしくない音が聞こえ、悲鳴が聞こえそして

「黒ルフ………」

「やっと見つけたよ、ナラ。さぁ帰ろう君にソロモンは相応しくない。君の居場所は僕たちの所だ」

「セッタ…………どうしてここに」

「ついに侵入しやがったのか！あの爆発もお前が」

眼前に黒ルフを纏ったセッタがいた。

「あぁ、あれは兄さんだよ。僕たちはたまたま用事があってここに入り込んだんだよ。ナラを見つけれるなんて嬉しい誤算さ」

「用事？………まさか！あの子に何かするつもりなの」

ソロモンが私を庇うように、背中の後ろに隠し、セッタを睨み付ける。あいにく、人々の視線は関心は爆発の方に行きここには私達以外誰もいない

「ナラの察しの通りだ。そうだな……もし止めて欲しいなら帰って来ると言ってくれたら、すぐにでも、止めてあげるさ」

「……………っ」

私の質問に肯定を示したセッタに、言葉が出なくなる。

「誰がそんな戯言をきくか、あちらはあちらで蹴りをつけるだろう。それなりの力量があるはずだ」

「……クールじゃないな。まぁ、いいさあちらもどうやら終わった様だし失礼するよ」

いつの間にか騒動は収まっており、今度は怪我人を治療する声やシンドバット王を心配する声に気をとられ、セッタに視線を戻すとすでにそこにはセッタはいなかった。

「………そうだ。アラジンは」

「あいつは、大丈夫だ。だが、俺達は居場所がバレた以上ここにはいられない」

今度は一体どこへ逃げればいいのだろうか？

「でも、どこへ？わかったとは言えここには普段結界が張ってあるからなかなか入ってくることはかなわない。今回はセッタの言う通り偶々だった。それに万が一入ってきたとしても私たちの前にここの王様が気づくからここにいた方がいいんじゃ？」

「そうなったとしても、アイツらがナラや俺の正体を喋って、この国の奴らに気づかれる訳にもいかない。勿論アラジンとの関係も………それに俺たちは、本来ここにいてはいけない存在だ 」

いてはいけない存在……それは、十分わかっていること。
逃げるしかない、今度の定住できる場所を探して……

「さよなら。アラジン………」

きっとまた、会えるから
夜明けと共に私達は、シンドリアを後にした














煌帝国にあるナラの部屋

「今なんて言ったアルか！？」

この部屋からナラが消えてからずっと、ファーランたちが使っている部屋にイスナーンと常に行動しているセッタが珍しく現れ、ファーランたちに朗報をもたらした

「シンドリア王国でナラとソロモン王を見つけたっていったのさ」

「ワヒード、テス、ユウ、レン！今すぐシンドリアへ行くアル」

「「「「あぁ」」」」

ナラがシンドリアにいるという情報に、部屋にいた皆に活力が戻り直ぐ様に向かおうと立ち、慌ただしく外へ出ていった

「……さて、僕らもまた、動かなきゃね。兄さん」

残されたセッタもポツリと呟くと部屋をあとにした。