第3夜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ダビデの大聖堂
「そういえば、ソロモン。その杖は……」
「あぁ、ダビデのものだ。あいつが死に際『こうなることはすべて決まっていた』と残してな」
ソロモンは、アルバ達を連れてダビデの大聖堂へ来た。
「でも、未来を視ることはダビデには無理だってナラはいったんでしょ?」
「それに、なんでここに何かあるってわかるアルか?」
「何もないようにみえるがのぉ………… 」
何かあるとここに来たが、何もない空間が、ただそこにあるだけだった様に見えるアルバ達だが、ソロモンは何かを感じとったようだ
「いや、ある。」
「「「「えっ!?」」」」
「ここには強力な次元の歪みが生じている。このダビデの杖が鍵だったんだ……ダビデはこの杖を持たない者には力の隠し場所…その存在すら一切感知できないように細工していたんだ!」
「次元の歪み……!」
パラドックス現象の様なものなのだろうか?
「以前ウーゴが話していたことだね。」
「!!けれど、干渉するのはとても大変じゃなかった?」
干渉するには、こちらでは何が起こるかわからないから危険…………だが、ソロモンは行こうと杖に力を込めた
「何が起こるかわからない。」
「それでも、俺は行く!」
すると、ソロモンを中心に景色が空間が歪む
「ソロモン」
「ナラ!誰も来るな!」
「いいえ、私も行く!」
そして、意識が途絶え再び気がつくとたどり着いた空間を落ちていた正確には登っているのかも知れないけれど、とにかく上も下もない空間だった
「!!??なんだ!!?ここは……!!?」
「あれ見て……!!」
「!?」
「!!?あれは一体……!!?」
シバが指差す先には、眩く光物体があった。ソロモン、シバ、ウーゴ、ナラが驚くなかアルバが涙を流し始める。
「アルバ……?」
「お会いしとうございました……『我らが父』よ……!!!」
「『我らが父』!?」
「この世界の創造主『神』!!」
これが、この世界の神様……
「ものすごい魔力量だ!!穴からもれ出してる!!?」
「そうか……ダビデの隠していた力の正体はこれだ!!奴はどうやってか『神』と繋がる穴をあけ『神』の身体から直接魔力を剥ぎ取り続けていたんだ」
「『原始竜』がいっていたのは…………このことだったのね」
「ダビデ……なんということを。あなた……なんとおいたわしいお姿に。もうあなた様から奪う者はどこにもおりません…………!!ナラもそう言ってあげて?」
「…………」
「そうか……やっとわかったよ。俺達は確かに次元を越えたんだね。この場に渦巻く、無数の黒い小さな存在こそが……『ルフ』なんだね!」
「こんな場所へ連れてきて……一体何をさせようというのだ?ダビデ!!」
「…………」
その時、私たちはすべてを理解した。神の『計画書』と呼ばれるものの真実を。すなわち…………『運命』を。
それは、予知ではなかった。世界には、ただ純然たる流れが存在していた。すべては一つの結末へ向けて流れていくのだ。偶然に見える喜び、怒り・悲しみ・生・死ーーーーー…………それらは『世界』と呼ばれる何かが前へ進むための構成要素だ。
神は、この世界を何かに進めるためのたくさんの事象を起こしているのだ。私たちが一生の中でどんなに崇高な何かを志してもーーーー……
または罪をおかし、おかされ、むがに、苦しみ、立ち上がり、それらがすべて自分の意志のように見えてもーーー……
すべては神のために決まっていたこと。私たちは神の奴隷ーーー……運命の大きな流れから決して逃れられぬよう、定められた存在に過ぎぬということをーーーーー私たちは理屈ではなく、体感的に知ってしまった。『神』から与えられた魔力を受信するり体内器官『第三の目』を通じて。すべての魔導士が真実を共有した。いや、させられた……ダビデという男が、ここでこうなるように仕向けたのだ。
「どんな苦しみも……神が神殿を築くための些細な踏み台として決められていたことだというのか。」
「そして俺達はどんな風に生きようとも絶対に逃れられない。『運命』に定められた無数の悲しみ、苦しみの連鎖から……」
まるでそれは、ルシの様。逃れられない運命が皆に敷かれていた
「ダビデは……一体どういうつもりだ……!俺達が無力な存在だと見せつけたかったのか……!?」
「いや……目の前の現実を見ろ。ここには莫大な力が存在している。この世界の『運命』そのものを変革してしまえるほどのな」
「……!?」
「ソロモン?」
「??」
「どういうこと?」
何を考えているの?
「俺達には神とは別の意志がある。自分たちの世界をより良くしたいという意志が…………それに足る力も今、目の前にある。ならば神にすべてを委ねる必要はない……神が作った道筋から、外れる時がきたのではないか……?」
「まさか、ソロモン……!!」
「ソロモン……まさか……」
「そうだ……ルフの力を神から奪い次元を一つに重ね合わせる魔法……それを、使うときが今だ。」
「神を殺すの?」
あの人のように、己を犠牲にして神を殺すの?
「!!!そ、そうだ。か、神を殺し、世界を作りかえようというのか!!!」
「ソロモン王……あなたは間違っている!!!神をおかし、はずかしめ、それではあのダビデと同じよ!!神に成り代わろうとしたあの男と…………!!」
「…………そうじゃない。アルバ。俺達が神になるのではない。すべての知的生命体で神を共有するんだ。そして、1人1人が世界の主にならなくては……真実を知ってしまった今、『運命』を神に支配されたままでは俺達は、絶望で生きてはいられない。皆がそれぞれの生き方で未来を変えられる可能性がある世界にしなくては。」
「…………!!ダメよ……ダメダメ……それだけはダメ……ソロモン!!!」
アルバは、それを止めるためにソロモンに迫ったが寸での所で魔法に阻まれる
「アルバ……」
「それすらも……見透かしていたといいの……!!?ダビデ……!!!」
それと同時に、ウーゴが準備を始める
「これだけの魔力量だ……必ず成功する……だが、俺には制御できない。力魔法を極めた君すら身体がどうなるかわからない。それでもやるんだね?ソロモン……」
「あぁ…………みんな、今日まで俺達に付いてきてくれた……俺達の理想は俺の意志として神の意志とすげ変わる、ただそれはあくまで意志だ。世界に干渉はできない……何か世界に異変が起きた時、抗うための力は残しておかねばならない」
「……!?何をいってるの!?ソロモン……ナラはナラはどうするの?」
「…………シバ、ナラはお前に任せた。ナラを支えてやってくれ。ウーゴ、お前がいれば、どんな破壊の時代にも創造をもたらすだろう。アルバお前のことは一番信頼していた。これからも俺をいさめ、力を尽くせ。ナラできれば一緒に来てほしいだが、俺は子供のためにも残って欲しい……」
「ソロモン……それが今のあなたの望みなの?」
「あぁ。」
「………………わかった。ソロモンが望むなら」
そうして、『神』を構成していたルフのほとんどが引き離され、本体は異空間に封印された。そのルフは、地上のすべての種族に均等に分け与えられた。そしてーーーーー……その分けられたルフにも、皆の中に元からあったルフにも、黒いイル・イラーの意志からわりに、ソロモンの意志が宿り、ルフは白く輝きはじめたのだった。
「…………ソロモン。いってらっしゃい」
「ーーーーーーーー。」
「いいよ、もし生まれ変わって出会ったならその時はちゃんと守って?」
それは、きっと叶わないかもしれないけれど……これぐらい、わがままいってもいいよね?
「ソロモンは…………一体何をしたんだ!?」
元の場所に戻ってくると放心したファーランたちがいた
「ルフ……私達の魂はもとより神もこの集合体。ソロモンは神からその多くを剥ぎ取り、世界中の知的生命体に等しく分け与えた」
「そうよ、平等な世界を築くために。」
「平等だと?このありさまを見ろ!俺達はもう以前のようにら魔法が使えない。『神』が封印されたから『神』から魔力が送られてこない。確かに平等になったさ。人間は他の種族同様に自分の身体の中のルフから送られてくるちっぽけな魔力だけしか使えない存在になったんだ。」
「でも、兄さん。魔導士がこの程度の力じゃ……また、異種族たちが反乱を起こせば今度こそ止められない!」
「いいえ、そうはさせない」
それならば、私は命を削って未来を視る。掟さえ破って平和を守る。
「そうか、ナラには未来を見る力があったのぅ!」
「そう」
「それに、この白いルフにはソロモンの意志が宿ってるの。すべての知的生命体に幸せに生きて欲しいとう、ソロモンの意志が。」
「じゃあ、俺達は『運命』からも解放されたのか?」
否、運命は絶対に付きまとう……ただ、ソロモンのお陰で選択ができるようになっただけ。
安堵するイスナーンたちにアルバが、シバの言葉を否定する
「…………違うでしょ、シバ。」
「アルバ……」
「運命が消えたわけじゃない。ルフに宿る意志が神からソロモン王に代わっただけさ。」
「!!?つまり…俺達はまだ運命の監獄に支配されている……神ではなく今度はソロモン王の運命に…………!」
「違う!そうじゃない。」
イスナーンたちが途端に、混乱するそれを今度は私とウーゴが否定する
「支配だって!?違うよソロモンは理想郷を作りたかったんだ!!すべての種族が平等に争わず前へ進める可能性を持てる世界を作るたかったんだ!!」
「俺は嫌だ!」
「イスナーン」
「兄さん……」
「俺はもう運命というものを受け入れられない!!俺達は自分たちの意志で生きるべきだ!!」
そうとう、イスナーンには答えたようだ。それに、続くかのようにファーランが言う
「それに、全然平等なんかじゃないアル」
「ファーラン」
「ソロモンは、魂の一部をどこかへあずけても、今やその気になれば世界を蒸発させられるほどの魔力を秘めているアル。大切なナラを残して……それにシバ・ウーゴ・アルバの三人も……自分のルフ以外からも魔力を受け取れる特別な存在になったアル。もう同じじゃないアル。」
「ファーラン、ありがとうでも、私は大丈夫だから」
それでも、ファーランは止まらない。シバの隣に立っていたナラを自分の元へ引き寄せ抱きしめ、さらに言う
「大丈夫じゃないアル!ナラは未来を視ると寿命が削られるアルよ?それに、魔力だってナラにもナラにこそ特別にあげるべきアル!!このままじゃ、ナラが苦しむ未来しか考えられないアル!ナラは、テスの命の恩人、私の大事な親友アル…………私は、ナラを守るアル。ソロモンには任せられない、ソロモンには渡さないアル。ソロモンは傲慢アル」
「わしも、それに関しては同感じゃ。ナラを置いてきぼりにしおってからに」
隣のワヒードも、賛成するとシバがナラをファーランと引き剥がしにかかる
「ダメよ!ナラは、私が守る!!ソロモンに任されたんだもの!!!」
「シバじゃ、ダメじゃ。同じじゃないましてや、ナラを苦しめそうなお前には任せられん」
「クールじゃない……が、僕もその意見に賛成だ。運命は僕には関係ないからね、それに僕は見た。きっと、ワヒードたちもだろう?ナラが居なかった世界の道筋を……僕はあの決戦の時テスとその他基地で帰りを待ちわびていた者たちと死んでいた。それが、ナラのお陰で生きている。僕らがナラを守りたい」
テスがセッタが死?私のいない世界?それは、私達は見ていない……運命の形だ。
「やめなよ。今は、同じく混乱してる魔導士たちを沈めなきゃ。今日の所は一旦下がろう」
「でも!……そうアルね。ナラ、基地に戻って魔導士達を落ち着かせて欲しいアル…………先に行っているアル」
収集がつかなくなってきたのを、アルバが止めてくれ、ファーランたちは先にダビデの大聖堂を後にした
「アルバ……あなたは協力してくれるわよね?あなたはずっとソロモンを支えてきた。今の世界も……あなたの理想と同じものよね?」
「…………我らが父よ……ナラ、行こう。」
「わかった」
「……!アルバ……何を考えているんだろう?それとも……俺達の方がおかしいなか……?神を殺してまでソロモンの意志に従うということが……ナラのことに関しては……あぁーわからない」
「そういえば、ソロモン。その杖は……」
「あぁ、ダビデのものだ。あいつが死に際『こうなることはすべて決まっていた』と残してな」
ソロモンは、アルバ達を連れてダビデの大聖堂へ来た。
「でも、未来を視ることはダビデには無理だってナラはいったんでしょ?」
「それに、なんでここに何かあるってわかるアルか?」
「何もないようにみえるがのぉ………… 」
何かあるとここに来たが、何もない空間が、ただそこにあるだけだった様に見えるアルバ達だが、ソロモンは何かを感じとったようだ
「いや、ある。」
「「「「えっ!?」」」」
「ここには強力な次元の歪みが生じている。このダビデの杖が鍵だったんだ……ダビデはこの杖を持たない者には力の隠し場所…その存在すら一切感知できないように細工していたんだ!」
「次元の歪み……!」
パラドックス現象の様なものなのだろうか?
「以前ウーゴが話していたことだね。」
「!!けれど、干渉するのはとても大変じゃなかった?」
干渉するには、こちらでは何が起こるかわからないから危険…………だが、ソロモンは行こうと杖に力を込めた
「何が起こるかわからない。」
「それでも、俺は行く!」
すると、ソロモンを中心に景色が空間が歪む
「ソロモン」
「ナラ!誰も来るな!」
「いいえ、私も行く!」
そして、意識が途絶え再び気がつくとたどり着いた空間を落ちていた正確には登っているのかも知れないけれど、とにかく上も下もない空間だった
「!!??なんだ!!?ここは……!!?」
「あれ見て……!!」
「!?」
「!!?あれは一体……!!?」
シバが指差す先には、眩く光物体があった。ソロモン、シバ、ウーゴ、ナラが驚くなかアルバが涙を流し始める。
「アルバ……?」
「お会いしとうございました……『我らが父』よ……!!!」
「『我らが父』!?」
「この世界の創造主『神』!!」
これが、この世界の神様……
「ものすごい魔力量だ!!穴からもれ出してる!!?」
「そうか……ダビデの隠していた力の正体はこれだ!!奴はどうやってか『神』と繋がる穴をあけ『神』の身体から直接魔力を剥ぎ取り続けていたんだ」
「『原始竜』がいっていたのは…………このことだったのね」
「ダビデ……なんということを。あなた……なんとおいたわしいお姿に。もうあなた様から奪う者はどこにもおりません…………!!ナラもそう言ってあげて?」
「…………」
「そうか……やっとわかったよ。俺達は確かに次元を越えたんだね。この場に渦巻く、無数の黒い小さな存在こそが……『ルフ』なんだね!」
「こんな場所へ連れてきて……一体何をさせようというのだ?ダビデ!!」
「…………」
その時、私たちはすべてを理解した。神の『計画書』と呼ばれるものの真実を。すなわち…………『運命』を。
それは、予知ではなかった。世界には、ただ純然たる流れが存在していた。すべては一つの結末へ向けて流れていくのだ。偶然に見える喜び、怒り・悲しみ・生・死ーーーーー…………それらは『世界』と呼ばれる何かが前へ進むための構成要素だ。
神は、この世界を何かに進めるためのたくさんの事象を起こしているのだ。私たちが一生の中でどんなに崇高な何かを志してもーーーー……
または罪をおかし、おかされ、むがに、苦しみ、立ち上がり、それらがすべて自分の意志のように見えてもーーー……
すべては神のために決まっていたこと。私たちは神の奴隷ーーー……運命の大きな流れから決して逃れられぬよう、定められた存在に過ぎぬということをーーーーー私たちは理屈ではなく、体感的に知ってしまった。『神』から与えられた魔力を受信するり体内器官『第三の目』を通じて。すべての魔導士が真実を共有した。いや、させられた……ダビデという男が、ここでこうなるように仕向けたのだ。
「どんな苦しみも……神が神殿を築くための些細な踏み台として決められていたことだというのか。」
「そして俺達はどんな風に生きようとも絶対に逃れられない。『運命』に定められた無数の悲しみ、苦しみの連鎖から……」
まるでそれは、ルシの様。逃れられない運命が皆に敷かれていた
「ダビデは……一体どういうつもりだ……!俺達が無力な存在だと見せつけたかったのか……!?」
「いや……目の前の現実を見ろ。ここには莫大な力が存在している。この世界の『運命』そのものを変革してしまえるほどのな」
「……!?」
「ソロモン?」
「??」
「どういうこと?」
何を考えているの?
「俺達には神とは別の意志がある。自分たちの世界をより良くしたいという意志が…………それに足る力も今、目の前にある。ならば神にすべてを委ねる必要はない……神が作った道筋から、外れる時がきたのではないか……?」
「まさか、ソロモン……!!」
「ソロモン……まさか……」
「そうだ……ルフの力を神から奪い次元を一つに重ね合わせる魔法……それを、使うときが今だ。」
「神を殺すの?」
あの人のように、己を犠牲にして神を殺すの?
「!!!そ、そうだ。か、神を殺し、世界を作りかえようというのか!!!」
「ソロモン王……あなたは間違っている!!!神をおかし、はずかしめ、それではあのダビデと同じよ!!神に成り代わろうとしたあの男と…………!!」
「…………そうじゃない。アルバ。俺達が神になるのではない。すべての知的生命体で神を共有するんだ。そして、1人1人が世界の主にならなくては……真実を知ってしまった今、『運命』を神に支配されたままでは俺達は、絶望で生きてはいられない。皆がそれぞれの生き方で未来を変えられる可能性がある世界にしなくては。」
「…………!!ダメよ……ダメダメ……それだけはダメ……ソロモン!!!」
アルバは、それを止めるためにソロモンに迫ったが寸での所で魔法に阻まれる
「アルバ……」
「それすらも……見透かしていたといいの……!!?ダビデ……!!!」
それと同時に、ウーゴが準備を始める
「これだけの魔力量だ……必ず成功する……だが、俺には制御できない。力魔法を極めた君すら身体がどうなるかわからない。それでもやるんだね?ソロモン……」
「あぁ…………みんな、今日まで俺達に付いてきてくれた……俺達の理想は俺の意志として神の意志とすげ変わる、ただそれはあくまで意志だ。世界に干渉はできない……何か世界に異変が起きた時、抗うための力は残しておかねばならない」
「……!?何をいってるの!?ソロモン……ナラはナラはどうするの?」
「…………シバ、ナラはお前に任せた。ナラを支えてやってくれ。ウーゴ、お前がいれば、どんな破壊の時代にも創造をもたらすだろう。アルバお前のことは一番信頼していた。これからも俺をいさめ、力を尽くせ。ナラできれば一緒に来てほしいだが、俺は子供のためにも残って欲しい……」
「ソロモン……それが今のあなたの望みなの?」
「あぁ。」
「………………わかった。ソロモンが望むなら」
そうして、『神』を構成していたルフのほとんどが引き離され、本体は異空間に封印された。そのルフは、地上のすべての種族に均等に分け与えられた。そしてーーーーー……その分けられたルフにも、皆の中に元からあったルフにも、黒いイル・イラーの意志からわりに、ソロモンの意志が宿り、ルフは白く輝きはじめたのだった。
「…………ソロモン。いってらっしゃい」
「ーーーーーーーー。」
「いいよ、もし生まれ変わって出会ったならその時はちゃんと守って?」
それは、きっと叶わないかもしれないけれど……これぐらい、わがままいってもいいよね?
「ソロモンは…………一体何をしたんだ!?」
元の場所に戻ってくると放心したファーランたちがいた
「ルフ……私達の魂はもとより神もこの集合体。ソロモンは神からその多くを剥ぎ取り、世界中の知的生命体に等しく分け与えた」
「そうよ、平等な世界を築くために。」
「平等だと?このありさまを見ろ!俺達はもう以前のようにら魔法が使えない。『神』が封印されたから『神』から魔力が送られてこない。確かに平等になったさ。人間は他の種族同様に自分の身体の中のルフから送られてくるちっぽけな魔力だけしか使えない存在になったんだ。」
「でも、兄さん。魔導士がこの程度の力じゃ……また、異種族たちが反乱を起こせば今度こそ止められない!」
「いいえ、そうはさせない」
それならば、私は命を削って未来を視る。掟さえ破って平和を守る。
「そうか、ナラには未来を見る力があったのぅ!」
「そう」
「それに、この白いルフにはソロモンの意志が宿ってるの。すべての知的生命体に幸せに生きて欲しいとう、ソロモンの意志が。」
「じゃあ、俺達は『運命』からも解放されたのか?」
否、運命は絶対に付きまとう……ただ、ソロモンのお陰で選択ができるようになっただけ。
安堵するイスナーンたちにアルバが、シバの言葉を否定する
「…………違うでしょ、シバ。」
「アルバ……」
「運命が消えたわけじゃない。ルフに宿る意志が神からソロモン王に代わっただけさ。」
「!!?つまり…俺達はまだ運命の監獄に支配されている……神ではなく今度はソロモン王の運命に…………!」
「違う!そうじゃない。」
イスナーンたちが途端に、混乱するそれを今度は私とウーゴが否定する
「支配だって!?違うよソロモンは理想郷を作りたかったんだ!!すべての種族が平等に争わず前へ進める可能性を持てる世界を作るたかったんだ!!」
「俺は嫌だ!」
「イスナーン」
「兄さん……」
「俺はもう運命というものを受け入れられない!!俺達は自分たちの意志で生きるべきだ!!」
そうとう、イスナーンには答えたようだ。それに、続くかのようにファーランが言う
「それに、全然平等なんかじゃないアル」
「ファーラン」
「ソロモンは、魂の一部をどこかへあずけても、今やその気になれば世界を蒸発させられるほどの魔力を秘めているアル。大切なナラを残して……それにシバ・ウーゴ・アルバの三人も……自分のルフ以外からも魔力を受け取れる特別な存在になったアル。もう同じじゃないアル。」
「ファーラン、ありがとうでも、私は大丈夫だから」
それでも、ファーランは止まらない。シバの隣に立っていたナラを自分の元へ引き寄せ抱きしめ、さらに言う
「大丈夫じゃないアル!ナラは未来を視ると寿命が削られるアルよ?それに、魔力だってナラにもナラにこそ特別にあげるべきアル!!このままじゃ、ナラが苦しむ未来しか考えられないアル!ナラは、テスの命の恩人、私の大事な親友アル…………私は、ナラを守るアル。ソロモンには任せられない、ソロモンには渡さないアル。ソロモンは傲慢アル」
「わしも、それに関しては同感じゃ。ナラを置いてきぼりにしおってからに」
隣のワヒードも、賛成するとシバがナラをファーランと引き剥がしにかかる
「ダメよ!ナラは、私が守る!!ソロモンに任されたんだもの!!!」
「シバじゃ、ダメじゃ。同じじゃないましてや、ナラを苦しめそうなお前には任せられん」
「クールじゃない……が、僕もその意見に賛成だ。運命は僕には関係ないからね、それに僕は見た。きっと、ワヒードたちもだろう?ナラが居なかった世界の道筋を……僕はあの決戦の時テスとその他基地で帰りを待ちわびていた者たちと死んでいた。それが、ナラのお陰で生きている。僕らがナラを守りたい」
テスがセッタが死?私のいない世界?それは、私達は見ていない……運命の形だ。
「やめなよ。今は、同じく混乱してる魔導士たちを沈めなきゃ。今日の所は一旦下がろう」
「でも!……そうアルね。ナラ、基地に戻って魔導士達を落ち着かせて欲しいアル…………先に行っているアル」
収集がつかなくなってきたのを、アルバが止めてくれ、ファーランたちは先にダビデの大聖堂を後にした
「アルバ……あなたは協力してくれるわよね?あなたはずっとソロモンを支えてきた。今の世界も……あなたの理想と同じものよね?」
「…………我らが父よ……ナラ、行こう。」
「わかった」
「……!アルバ……何を考えているんだろう?それとも……俺達の方がおかしいなか……?神を殺してまでソロモンの意志に従うということが……ナラのことに関しては……あぁーわからない」