嘘だ。

嘘だと思いたかった。ここにいるはずだった親父が、帰りを待つナラたちの元にあらわれるなんてなんの悪い冗談なんだ

「あそこにはナラたちがいるが、戦えるものはほとんどいない！！すぐここを出て基地に戻るぞ、ウーゴ！！」

突如、写し出された映像に素早くウーゴに指示を飛ばすが

「ダメだ…………無理だよソロモン、俺たちはダビデにハメられたんだ……！！！」

「なんだ！？あの防壁は！？」

絶縁結界の上から強力な防御魔法が街を多い尽くす中尚も流れる映像

「久しいな、神の導きを詠む神子ユール。」

「そう、怒るな綺麗な顔が台無しだ」

「説明？お前には必要ないだろうに、ユール。すでに、見ているのではないのか？この状況を」

「なんと愚かな！やはり、手元において置くべきだった！！ 息子に与えるべきではなかった！！全軍攻撃開始！ユール以外を殲滅しろ」

「「「神の御心のままに！！！」」」

ナラっ！

映像はそこで途絶えたが、その先の映像など見なくてもいやでも、想像できた。

「ナラ……」

「テス……テス……テス……テス……ああテス……もうおしまいアル……テスもナラも……」

「ーっしっかりしろ！おい、こっちを見ろファーラン！お前の息子はナラはまだ生きてる。絶対に助けだす！！」

「ソロモン……」

「ソロモンの奴、どうする気だ？」

「この都市のシステムに侵入し、あの壁を消す。あれも防御魔法である以上、解除式が絶対に存在している」

すぐに助けに行くから、どうか無事でいてくれナラ！
ウーゴと協力して防御魔法を解いた俺たちは異種族達を残して全速力で基地へ向かったそこで待っていたのは、一輪の白い花だけが残った荒野だった。俺は、足元から崩れそうになったが１人それを、見たウーゴが納得がいったように顔を緩めた

「さすが、ナラだ。皆、安心してくれ！基地の皆は無事だよ！！」

「どういうことだ？ウーゴ。」

「うん。実は、ナラと強力な封印魔法を編み出していてね……それでその魔法の証拠があの不自然な一輪の白い花ということさ。解除のやり方は、知ってるから今はまだ生きてるダビデ老を追おう！」

「……そうだな、皆今のウーゴの声は聞こえたな？基地の皆は生きている誰１人として死んでいない！だから、俺たちは今度こそ決着をつけに行くぞ！」

「「「「「はい！」」」」





















この目が覚めたら、あなたが皆がいると信じてる。あの時送り出したままの皆が…………

「…………！！ここは」

よく見知った天井だった………

「ナラ？起きたの？」

「シバ？無事で何よりだわ。ねぇシバ、他の人達も無事？」

「……うん！皆無事だよ！ダビデ老も倒したし、あ！私他の人達呼んでくるね。皆中々起きないナラを心配してたんだから！！！」

軋む体を無理矢理起こすと、丁度よくシバが現れて、決戦の行方を聞いた。そうして、皆を呼びに行くといいながら中々離れないシバは、泣きそうな顔だった

「ごめんね、シバ。私はちゃんと生きてるから泣かないで？」

「な、泣いてないもん！泣いてなんか……うぅ～ナラ、ナラ無事で良かったよ」

なんだか、昔に戻ったみたい。最近はすっかり一人前の魔導士として、甘えて来なくなったから、嬉しかった。

「シバ、ナラの様子はどうアルかって……」

「ファーラン。おかえり、テスとは仲直りできた？」

「このバカもの大バカもの～～！」

「わぁ！痛いよ、ファーラン。シバが潰れちゃう」

そこへ、ファーランも参戦してシバとケンカがはじまってしまう

「シバ、離れるアル。次は、私がナラを充電するアル！」

「嫌ー！私だって、まだ充電するんだもん！」

「二人とも、甘えたさんね？」

「「３日も眠っていたナラがいけないのよ(アル)！」」

ぎゅうぎゅうと抱きつく二人の頭をなでていると、彼も現れさらに言い合いが始まり

「おい、ファーラン。シバは何してた…………お前ら今すぐにナラから離れろ」

「「怪我人だった奴に言われたくない(アル)！！」」

「ソロモンもおかえりなさい。」

最終的には、ワヒードやアルバが止めに入って事なきをえた
そののち、久しぶりの外を見ると異種族達も魔導士達も皆が笑っている景色が広がっていた

「…………私が視たのは、この世界」

「ナラ少し聞きたいことがある」

「何？」

「ダビデは、ナラの様に未来が見れるのか？」

ダビデは一体彼に何をいったのだろう、ソロモンは私に何を求めているのだろうか……

「いいえ。彼は、未来は見えない。どんな事を言われたのか知らないけれど、それは事実。」

「そうか……ならあの言葉は…………」

「……まだ、やることが残っているのね？」

「そうだな。よし、アルバ達とであのダビデの大聖堂へ行ってみよう」