「魔導士は老化を抑制できるからな。実力のある魔導士ならば、何百年も死なない。よって、老いもせず焦って子孫を残す必要もない。」

「800年前の人間は年中発情できて、いつでも子供を作れたらしいよ。元気だよね・・・・」

「は・・・ハツジョウとか言わないでよ！」

ここに、ナラがいなくてよかった・・・会話がおかしな方向へ進んでいっていた

「あはは若いね～シバは」

「アルバは俺たちの中で一番長生きだからなぁ、俺たちなんかとは思考が違うんだよ」

「まぁ、当時の人間たちは50年そこらで一生が終わっちまうんだ。切羽詰まって繁殖もするだろう」

ソロモン！？あなたさっきまで、不機嫌全開だったのに何ナチュラルに混じってるの！！あ、あの本はっ

「切羽も何もなかろう！惚れた女との子供はいいもんじゃ。ソロモンお前もナラと作れ!
」

「え？いいよ俺たちは200年後くらいかな・・・・」

「冷たいことを言うヤツじゃのぉ！」

「そうだな、冷たいもんだ。異種族たちに家族愛だのと語っているくせに、俺自身には実体験がねえんだ。兄弟もいない。親子らしい思い出も一つもない。だから、あいつとはゆっくり進んでいきたいんだ」

「ソロモン・・・・」

なんだろう、空気が一気にしんみりになる。

「だから、イスナーンとセッタ、ワヒードとファーラン、おまえらを見ていると俺は羨ましい。同時に尊敬もする。お前らは俺が持っていない家族への慈愛の心を持っている。お前ら4人が、俺が示せない人間らしいまっとうなありかたを異種族たちに示して見せている。だから信用されている。実際、俺なんかよりお前らが解放したから付いてきているんだっていう種族すらいる。だからこれからも・・・俺に足りないところを見つけて、そのたび俺に冷たいヤツだと言え。」

「熱いことを言ってくれるやつじゃのぉ。」

「にしても子供か・・・」

そして、何を思ってか私をじーっとみるソロモン

「な、なによ！？」

「作る気になったアルか！？」

「いや・・・子供ならいつもナラにくっついているこいつだなぁと思っただけだ」

そういうソロモンも子供みたいに嫉妬してるじゃない！ナラは、こんなやつのどこがいいっていうの！？

その夜、私はナラの秘密と新たな約束をアルバとすることになる。