悲劇は突然に·····
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__楽しい1日になるはずだった。
父の仕事が早く終わり、久々に家族3人でお出かけ。嬉しくて、父と母の手をブンブン振りながら目的地に向かっていた。
「もー、そんなに引っ張らないで」
母は困りながらも、笑いながら一緒に手を降ってくれている。
『だって、早く行かないと!オールマイトのおもちゃ無くなっちゃう!』
「ははは、オールマイトは逃げたりしないさ」
オールマイト__平和の象徴__
現代は、世界人口の八割が何らかの特異体質を持つ”超人社会”となった。
その生まれ持った超人的能力"個性"を悪用する敵が増加の一途を辿っている。
その敵や災害から人を助けるために同じく、超人的能力"個性"を使うヒーローという職業が確立され、皆の憧れになっている。
私もまた、オールマイトのような笑顔で人々を救う、そんなヒーローになりたいと思っている。
「きゃあああああああ!!!」
目的地であるショッピングモールに着き、これから買い物だと胸踊らせている時に、広場の方で悲鳴が聞こえた。
「奈々!母さんとここにいなさい!」
『え·····お父さんは!?』
「父さんは仕事に行ってくる。
·····すまない、せっかくの休みに·····」
「いいから·····気をつけて」
父は母に申し訳なさそうに眉を下げ、私の頭を撫でてたから悲鳴が聞こえた広場に走って行ってしまった。
そう、父の仕事は、私が憧れているヒーローなのだ。どんどん小さくなって行く背中に、不安と、恐怖で体が震えていた。
「大丈夫よ·····奈々、絶対帰ってくるわ」
そう言って、小さな私の体を優しく包んでくれた。母の言葉はまるで魔法だった。母の「大丈夫」はいつも私を助けてくれる。
私が転んで怪我をして泣いていても、道に迷い辺りが暗くなって怖くて泣いていた時も、母は優しく抱きしめながら「大丈夫」と言うだけで私は、安心し不安や恐怖から解放されるのだ。
だから、その時の私は安心しきっていた。
「大丈夫」だと、母が言ったのだから。