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●敵を負かせて恋人を奪い返す
「ひとのモンに手ェ出したらどうなるか分かったならとっとと消えろ」
いつもの数倍ドスの効いた声が頭上で聞こえた。頬に当たる冷たい鎧と、遠ざかって行く複数の足音。雷をまとった刀を地面に突き立てた小十郎が、痛いほど私を抱きしめる。
「ったく、勘弁してくれ。生きた心地がしねぇよ」
●掌の大きさを比べ合う
うわあ、大きい!と、思わず声が出た。あちこちたこだらけの、大きな手。政宗様をまもるための、刀を握る左手。くしゃりと片眉だけ下げて笑った小十郎が、ふいに指を絡ませる。
「そんな顔すんじゃねえ」
どんな顔をしていたというのだろう。
ねぇ、小十郎。あなたにはどう見えた?
●痛みに耐える様子
いつもいつも揺らがない頼もしい背中が、ふいに傾いだ。
なんとか周囲の敵を一掃して膝をつく片倉様に駆け寄ると、凄まじい殺気を纏い小さく呻き声を上げていた。どうやら腕をかすった矢に毒が仕込んであったらしい。躊躇いなく傷口に唇を寄せた。
痛みをほんの少しでも吸い出せれば良いけれど。
●靴下を脱がせる
その倒錯的な状況に、意識して細く細く息を吐き出した。
せんせいはやく、と小さな声が聞こえて、ええいままよと紺色のスクールソックスを脱がせる。赤く腫れた足首が痛々しい。
「せっかくの修学旅行が台無しだな」
苦笑するが、目の前の少女は、そうでもないです、と言って少しだけこちらを見た。
●相手に与えた影響は永久か刹那か
たった一度、お情けをと頼み込んで口付けをもらった。それだけのつもりだった。でもそれから一年ずっと、どうしようもなく苦しくて暇をと申し出た。
「なん、で」
なぜ私は抱きしめられているのだろう。少しの沈黙の後、小十郎様が私の耳元で囁く。
「お前がそんなに思い詰めていたとは。悪かった」
●リクエスト(小十郎)
「小十郎」
呼ぶと、その目をいつもより少しだけ細めて、
「どうした」
隣で茶をすすっていた小十郎が、盆に湯呑みを置いて私の頭を撫でる。
「なんでもない」
その肩にもたれかかると、くつくつと笑う振動が伝わってきた。
「なんだ、甘えたか?」
それきり何も言わずに、庭先に遊ぶ雀達を眺める昼下がり。
●リクエスト(半兵衛)
「半兵衛」
「なんだい」
戦準備を整える半兵衛の顔色は、普段より幾分か白い。
「必ず帰ってきてね」
「フ、当たり前だろう。僕と秀吉が負ける訳がない」
仮面を手渡すと、半兵衛は私の額に軽く口付けをして、
「行ってくるよ」
散歩にでも行くかのように、軽やかな足取りで城を後にした。
20180516
ツイッターのお題とかリクエストとか小十郎週間とか。
「ひとのモンに手ェ出したらどうなるか分かったならとっとと消えろ」
いつもの数倍ドスの効いた声が頭上で聞こえた。頬に当たる冷たい鎧と、遠ざかって行く複数の足音。雷をまとった刀を地面に突き立てた小十郎が、痛いほど私を抱きしめる。
「ったく、勘弁してくれ。生きた心地がしねぇよ」
●掌の大きさを比べ合う
うわあ、大きい!と、思わず声が出た。あちこちたこだらけの、大きな手。政宗様をまもるための、刀を握る左手。くしゃりと片眉だけ下げて笑った小十郎が、ふいに指を絡ませる。
「そんな顔すんじゃねえ」
どんな顔をしていたというのだろう。
ねぇ、小十郎。あなたにはどう見えた?
●痛みに耐える様子
いつもいつも揺らがない頼もしい背中が、ふいに傾いだ。
なんとか周囲の敵を一掃して膝をつく片倉様に駆け寄ると、凄まじい殺気を纏い小さく呻き声を上げていた。どうやら腕をかすった矢に毒が仕込んであったらしい。躊躇いなく傷口に唇を寄せた。
痛みをほんの少しでも吸い出せれば良いけれど。
●靴下を脱がせる
その倒錯的な状況に、意識して細く細く息を吐き出した。
せんせいはやく、と小さな声が聞こえて、ええいままよと紺色のスクールソックスを脱がせる。赤く腫れた足首が痛々しい。
「せっかくの修学旅行が台無しだな」
苦笑するが、目の前の少女は、そうでもないです、と言って少しだけこちらを見た。
●相手に与えた影響は永久か刹那か
たった一度、お情けをと頼み込んで口付けをもらった。それだけのつもりだった。でもそれから一年ずっと、どうしようもなく苦しくて暇をと申し出た。
「なん、で」
なぜ私は抱きしめられているのだろう。少しの沈黙の後、小十郎様が私の耳元で囁く。
「お前がそんなに思い詰めていたとは。悪かった」
●リクエスト(小十郎)
「小十郎」
呼ぶと、その目をいつもより少しだけ細めて、
「どうした」
隣で茶をすすっていた小十郎が、盆に湯呑みを置いて私の頭を撫でる。
「なんでもない」
その肩にもたれかかると、くつくつと笑う振動が伝わってきた。
「なんだ、甘えたか?」
それきり何も言わずに、庭先に遊ぶ雀達を眺める昼下がり。
●リクエスト(半兵衛)
「半兵衛」
「なんだい」
戦準備を整える半兵衛の顔色は、普段より幾分か白い。
「必ず帰ってきてね」
「フ、当たり前だろう。僕と秀吉が負ける訳がない」
仮面を手渡すと、半兵衛は私の額に軽く口付けをして、
「行ってくるよ」
散歩にでも行くかのように、軽やかな足取りで城を後にした。
20180516
ツイッターのお題とかリクエストとか小十郎週間とか。