middle/あまいなみだ
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佐久間愛佳は、少し飽きていた。
自分の恋愛事情というものに。
この駐屯地のこの部署に配属になって、一年と少しが過ぎた。
配属当初からずっと、なんとなく感じていたことが約三ヶ月前に確信に変わり、今はそれを観察するのが楽しくて仕方ない。
我ながら趣味が悪いと思えど、観察したい気持ちと、先輩に幸せになってほしい気持ちで、もう止めようがないのだった。
先輩は、感情がほとんど表情に出ない。でも、目に、とても出る。
とても、とは言っても私以外気づいていないのだから、非常にわかりにくいのだけれど。
つい今しがたも、陣内さんと目があって、彼が去った後の動揺っぷりと言ったら。表情や体は動いていないのに、自分のご飯とおかずを食べるでもなくキョロキョロと見比べて、時折小さくうなり声。
「ほらね、絶対脈ありますって」
その言葉には返事をもらえなかったけれど、何か言いたげに口元が緩んだので良しとする。
三ヶ月前の話は、今のところ私から先輩にするつもりはない。陣内さんが明かさない限りは、先輩は知らないままだろう。
もし、陣内さんが先輩に言わなかったら、2人の結婚式で暴露してやろうかなぁと企んでいる。陣内さんが焦ったりする姿は是非とも見てみたい。
もちろん2人がうまくいけば、の話だけど。どこか確信めいたものがあるのだ。この2人はゼッタイうまくいく、と。
それなりに協力はしていくつもりだし。
どこから根回ししようかしら、と、考えを巡らせた。