第8章 "ボス"
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その日の夜更け。
結局アスターはそのまま眠ったらしく、仕方なく医務室に出向いてまた彼女の額にほんの一瞬触れてから、船長室へ戻りベッドに潜り込んだ。
目を閉じると、食事の前にアスターに触れた時のことを、フラッシュバックのように思い出す。
自分が額に触れた次の瞬間、彼女は眉根を寄せて目を閉じ、触られた部分に手をやった。
本当はそんなに、嫌だったのかと、その時初めて気づいた。
これまで隣で寝たことも、衝動のままに耳を甘噛みしたことすらあるというのに、隠していたのか、と。
人間的に惚れてるからといって、接触したいわけではなかろう。それもこんな歳上の──自分では認めたくないが──オヤジになど。
確かに改めて考えてみると、例えばもし自身が七武海の会合でセンゴクあたりに触られでもしたら、間違いなく鳥肌モノだっただろう。誤って触れてしまっただけだとしても、だ。
だというのに、アスターは触らざるを得ない状況にある。船を降りればこの問題は解決するのだろうが、あの時、己に命を懸けていると言って見上げてきた彼女に嘘があったとは思えない。だから、船を降りるとは言い出さないだろう。
そう、こちらから、降りろと言わない限りは……。
──明日中にはウォーターセブンに到着する。
船が手に入れば、必要最低限の食料調達などを除いて一気に新世界へ行くことになるだろう。シャボンディ諸島のエターナルポースは、すでに手に入っているのだから。
ぐ、と眉間にシワが寄るのを感じる。新世界の事を思うと、どうしてもそうなってしまう。
遥か昔の記憶を、呼び起こす。
まだ、自身がルーキーと呼ばれていた頃のことだ。最初に、新世界へ入ったのは。
摩訶不思議な天候、"偉大なる海"前半よりも格段に荒れる海、雷が降り注ぎ、いないはずの海王類に出くわす。そんな、常識で測れない海。
かつて白ひげに負けた、その瞬間のことは今でも昨日のように思い出せる。
だが、今なら勝てるはずだ。もしも単純な力でかなわない相手だとしても、知略をめぐらし、あらゆるものを利用して。
そしてたどり着けるはずだ。最後の島──ラフテルへ。
結局アスターはそのまま眠ったらしく、仕方なく医務室に出向いてまた彼女の額にほんの一瞬触れてから、船長室へ戻りベッドに潜り込んだ。
目を閉じると、食事の前にアスターに触れた時のことを、フラッシュバックのように思い出す。
自分が額に触れた次の瞬間、彼女は眉根を寄せて目を閉じ、触られた部分に手をやった。
本当はそんなに、嫌だったのかと、その時初めて気づいた。
これまで隣で寝たことも、衝動のままに耳を甘噛みしたことすらあるというのに、隠していたのか、と。
人間的に惚れてるからといって、接触したいわけではなかろう。それもこんな歳上の──自分では認めたくないが──オヤジになど。
確かに改めて考えてみると、例えばもし自身が七武海の会合でセンゴクあたりに触られでもしたら、間違いなく鳥肌モノだっただろう。誤って触れてしまっただけだとしても、だ。
だというのに、アスターは触らざるを得ない状況にある。船を降りればこの問題は解決するのだろうが、あの時、己に命を懸けていると言って見上げてきた彼女に嘘があったとは思えない。だから、船を降りるとは言い出さないだろう。
そう、こちらから、降りろと言わない限りは……。
──明日中にはウォーターセブンに到着する。
船が手に入れば、必要最低限の食料調達などを除いて一気に新世界へ行くことになるだろう。シャボンディ諸島のエターナルポースは、すでに手に入っているのだから。
ぐ、と眉間にシワが寄るのを感じる。新世界の事を思うと、どうしてもそうなってしまう。
遥か昔の記憶を、呼び起こす。
まだ、自身がルーキーと呼ばれていた頃のことだ。最初に、新世界へ入ったのは。
摩訶不思議な天候、"偉大なる海"前半よりも格段に荒れる海、雷が降り注ぎ、いないはずの海王類に出くわす。そんな、常識で測れない海。
かつて白ひげに負けた、その瞬間のことは今でも昨日のように思い出せる。
だが、今なら勝てるはずだ。もしも単純な力でかなわない相手だとしても、知略をめぐらし、あらゆるものを利用して。
そしてたどり着けるはずだ。最後の島──ラフテルへ。