その島が見えたのは、クライガナ島を出てから4日目の朝だった。
目的の島ではない。
小さな、おそらく無人島だと思われた。

水や食料など、もし補充できるようならと上陸する事になる。
相談とクジで、上陸するのはクロコダイル、アスター、モリス、それに一味の中で一番年下のウィリアムに決まった。

約3メートルほどしかない真っ白な砂浜に上陸すると、人獣型に変化したモリスが、その優秀な鼻で周囲を探る。

「人はいないですね。水は分からないけど、果物はありそうです。甘いにおいがする」

そのまま先導するモリスにウィリアムが続き、邪魔な蔓草を薙ぐ。その後ろをアスターが歩き、最後尾にクロコダイル。

夏島のようで、木々は鬱蒼と生い茂り、鳥たちがあちこちで鳴いている。