第4章 報われない恋と幽霊騒ぎ
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翌日、夕方には城に戻ると言うペローナに紹介してもらいながら、ロトンヌ区の街をゆっくりと散策した。
必要なものを買い込み、コートと動きやすい服、それに下着も買い足した。
そうして、先ほど買ったホットココアを片手に、公園のベンチでひと息ついていた。
「付き合ってくれてありがとう」
「フン、どこぞで倒れられたら寝覚めが悪いからな」
憎まれ口を叩きながらも、その頬は少しだけ赤い。
思わず口元が緩んで、へへっと間抜けな笑い声が漏れた。それに気づいたペローナが、私の肩を小突く。
「まだあんまりよく知らないけど、私ペローナのこと好きだな」
「な"っ、に、言ってんだバカ」
今度は真っ赤になってしまった。仕返しのように、彼女がそれよりもと切り返してくる。
「今晩からまたアイツと2人だろ?大丈夫なのかよ」
「あー、まあ、サーは私にそういう興味なさそうだし」
そもそもそういう事をしているイメージが湧かないので、直接聞いてみないとわからないことではあるけれど。
「なんでそう言い切れる?」
「え、一緒に寝たことあるんだけど、手出されたことはないから……」
寝たことある、どころか、ほぼ毎日同じベッドで眠っていることは伏せておいた。
なんか、なんだろう、それは誰にも、知られたくないというか。
私の言葉に驚愕の表情で固まっていたペローナが、なんとかココアを一口飲んでから口を開く。
「一緒にって、一緒のベッドで、か?」
こくりと頷くと、彼女は頭を抱えてしまった。
またココアを一口含んで、眉間にしわを寄せた真面目な顔を私に向ける。
「……アイツはともかく、お前はどうなんだよ?嫌じゃないのか?」
「え?う、んー、嫌では、ない……かな」
「好きなのか?」
好きだ、とは、答えられなかった。いや、好きか嫌いかと聞かれれば勿論好きなのだけれど。
つい先日自覚したばかりの、けれどなんとかして封をしたその感情は、言葉になんてできない。
「いや、悪かった。言わなくていい」
よほど深刻な顔に見えたのか、ペローナは珍しく謝罪の言葉を口にした。
「うーん、一番しっくりくるのは、敬愛してる、かな」
「……そうか」
小さくそう言って、ペローナはココアを飲み干した。