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昼食を終えて、さて何をしようかとぼんやり廊下を歩いていると、ちょうど台所の前を通りかかって。
「さ、みんな集合する前に買い出しに行って来てちょうだい」
と、母さんに頼まれている家政婦さんに遭遇した。
「ああ、なら俺が一緒に行こうか」
「理一、助かるわぁ。なら、お酒とジュースと…あとお風呂用品もお願いできる?」
「オッケー。じゃ、行こうか。家政婦さん?」
「は、はい。よろしくお願いします」
そういうことになった。
愛用のバイクにまたがり、家政婦さんはサイドカーへ。
いつものスーパーに着くと、買い物リストの商品をひたすらカゴに放り込んでいく。
「こんなもんかな?忘れてるものない?」
リストを持つ家政婦さんに振り向きざまに話しかけると、リストを真剣に見ていた。
「たぶん、大丈夫じゃないかとお、あ!?」
何もないところでつまづいて、ぐらり、体が傾く。
「っと、あぶない」
ぽすん、と大した衝撃もなく抱きとめる。
と、みるみるうちに顔が真っ赤に。
「す、すすすすすみませんありがとうございます」
「大丈夫?足ひねったりしてない?」
あまりにも見事な赤面っぷりが面白くて、抱きとめた体制そのままで聞いてやる。
「はわ、はい、平気ですからもうご勘弁を…!」
大奥様に顔向けできません~!と、今にも泣きそうだ。仕方なく手を離す。
胸に手を当てて深呼吸を数回。まだ顔は赤いが、もう一度リストと睨めっこを開始する。
「リストのものはコンプリートですね。購入して帰りましょう」
「了解」
レジで会計を済ませ、バイクへと運ぶ。
「……私の席が」
サイドカーは、購入したものでいっぱいになってしまった。
「仕方ない、家政婦さんの席はコッチだね」
ポンポン、とバイクの後部座席を叩く。
またもや顔が赤くなり、言葉にならない悲鳴が聞こえた気がする。
「ホラ、帰ろう?」
促すと覚悟を決めたのか、差し出したメットをかぶり、緩慢な動きで後部座席へ乗ろうとして。
「おっと」
また体勢を崩した彼女を同じように抱きとめてやる。が、先ほどのような慌てふためく様子はなく、大人しく胸の中に収まっている。
「……家政婦さん、大丈夫?」
「あ……は、い」
本気で泣くのをこらえているように見えて、これ以上いじめるのはやめておこうとバイクにまたがる。
「しっかりつかまっててね。ほら、ここ掴んで」
腰に手を回す方が安心感はあるのだけれど、この感じだと泣きかねないと思いシャツの裾を持たせる。
「ゆっくり運転するから。怖かったら腰に手、回してね」
その方が安定するから、そう言うと、素直に頷く家政婦さん。
バイクは初めてだと行き道で聞いていたので、いつもよりかなりゆっくりと帰った。
*家政婦さんは抱きとめられた!
(今朝のことを思い出したりしてないしてないしてないーーっ)
(面白いからいじめたいけど泣かれるのは母さんと姉ちゃんに怒られそうだなあ)
20170913
拍手より格納。
からかう理一さんの余裕たるや。
「さ、みんな集合する前に買い出しに行って来てちょうだい」
と、母さんに頼まれている家政婦さんに遭遇した。
「ああ、なら俺が一緒に行こうか」
「理一、助かるわぁ。なら、お酒とジュースと…あとお風呂用品もお願いできる?」
「オッケー。じゃ、行こうか。家政婦さん?」
「は、はい。よろしくお願いします」
そういうことになった。
愛用のバイクにまたがり、家政婦さんはサイドカーへ。
いつものスーパーに着くと、買い物リストの商品をひたすらカゴに放り込んでいく。
「こんなもんかな?忘れてるものない?」
リストを持つ家政婦さんに振り向きざまに話しかけると、リストを真剣に見ていた。
「たぶん、大丈夫じゃないかとお、あ!?」
何もないところでつまづいて、ぐらり、体が傾く。
「っと、あぶない」
ぽすん、と大した衝撃もなく抱きとめる。
と、みるみるうちに顔が真っ赤に。
「す、すすすすすみませんありがとうございます」
「大丈夫?足ひねったりしてない?」
あまりにも見事な赤面っぷりが面白くて、抱きとめた体制そのままで聞いてやる。
「はわ、はい、平気ですからもうご勘弁を…!」
大奥様に顔向けできません~!と、今にも泣きそうだ。仕方なく手を離す。
胸に手を当てて深呼吸を数回。まだ顔は赤いが、もう一度リストと睨めっこを開始する。
「リストのものはコンプリートですね。購入して帰りましょう」
「了解」
レジで会計を済ませ、バイクへと運ぶ。
「……私の席が」
サイドカーは、購入したものでいっぱいになってしまった。
「仕方ない、家政婦さんの席はコッチだね」
ポンポン、とバイクの後部座席を叩く。
またもや顔が赤くなり、言葉にならない悲鳴が聞こえた気がする。
「ホラ、帰ろう?」
促すと覚悟を決めたのか、差し出したメットをかぶり、緩慢な動きで後部座席へ乗ろうとして。
「おっと」
また体勢を崩した彼女を同じように抱きとめてやる。が、先ほどのような慌てふためく様子はなく、大人しく胸の中に収まっている。
「……家政婦さん、大丈夫?」
「あ……は、い」
本気で泣くのをこらえているように見えて、これ以上いじめるのはやめておこうとバイクにまたがる。
「しっかりつかまっててね。ほら、ここ掴んで」
腰に手を回す方が安心感はあるのだけれど、この感じだと泣きかねないと思いシャツの裾を持たせる。
「ゆっくり運転するから。怖かったら腰に手、回してね」
その方が安定するから、そう言うと、素直に頷く家政婦さん。
バイクは初めてだと行き道で聞いていたので、いつもよりかなりゆっくりと帰った。
*家政婦さんは抱きとめられた!
(今朝のことを思い出したりしてないしてないしてないーーっ)
(面白いからいじめたいけど泣かれるのは母さんと姉ちゃんに怒られそうだなあ)
20170913
拍手より格納。
からかう理一さんの余裕たるや。