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「あらぁ理一、ずいぶん早かったのね」
「ただいま。高速が空いててね。トイレ以外ほぼ休憩なしで来ちゃったよ」
東京から長野県上田市──実家へと帰って来た。夏休みに入っているとは言え深夜から早朝にかけての高速はガラガラで、予定より1時間ほど早く到着してしまった。
合鍵は持っていたので起こさないよう入ったつもりだったが、玄関に荷物を運び入れていると、寝間着の母──真理子が出迎えてくれた。
「ふう、少し寝て来てもいいかな?」
「今日は特に予定もないし、ゆっくりしてなさいな。ご飯の時は起こしに行くわ」
「うん」
玄関で真理子と別れ、いつも通り自室へ向かう。しかし襖を開けると、そこにはいつも通りでない光景が広がっていた。
「キミ、だぁれ?」
「ふぇ…?」
二十代の中程だろうか、1人の女性がそこにいた。まだ寝ぼけているようで、ぽやーっとこちらを見ている。
「せんじつからこちらでかせーふをしています…」
はじめまして、ふにゃりと笑った。
「そうか君が。母さんから聞いていたけどこんな若いお嬢さんだったとは」
くるくるとよく働く、住み込みの家政婦を雇ったと聞いていたから、もっとおばさんかと思っていた。
「ところでここ、俺の部屋なんだけど…」
「あっそうなのですか…おかえりなさいー」
ううん、まだ目が覚めないようだ。そこでふと、いたずら心が疼く。
「ただいま。まだ起きるには早いから、寝てていいよ」
「はあい。ありがとうごさいます…」
素直に言葉に従ってまた横になり、すぐに寝息をたて始める様子に口元が緩む。寝ぼけているせいだろうが、警戒心が完全にゼロだ。
持っていた荷物をそっと端に置き、タンクトップとスウェットに着替えてそっと家政婦の隣に潜り込む。久しぶりの人肌の感覚に、すぐに眠りに落ちてしまった。
陣内家の広い屋敷中に、嫁入り前の女の悲鳴が響き渡るまで、あと1時間。
*家政婦は添い寝された!
(おはよう、家政婦さん)
(ッーー!?う、えええええええ!!??!?)
20170901
拍手より格納。
王道って楽しいですね。
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