●花を贈る

なんでおれなんかに、という声が聞こえてきそうな顔をしていた。差し出した花束を受け取ろうか迷っているのが分かる。ややあって、口を開く。
「おれには似合わねェよ」
私があなたを想って贈る花が、似合わないわけないじゃない。
「心配しなくても枯れやしないわ」
だからあなたが触れても、大丈夫。


●肉体的精神的おねだりどちらが多いか

船に戻るや否や、何やら不機嫌そうなクロコダイルが私の腕をひっ掴み、膝の間に座らせる。腹部に回った左腕が、私がここから抜け出すのを不可能にしている。終始無言ではあるけれど、たぶんこれは、甘えているだけ、だと思う。
振り返ってその顔を見上げると、冗談のように軽いキスが降ってきた。


●危機時に何をもって逃げるか

状況がよく飲み込めないけれど、とにかくこれだけは分かる。私は今、クロコダイルの肩に後ろ向きに担がれ、銃弾の嵐から飛ぶように逃げている。
「チッ……海軍の野郎ども、面倒くせェ」
「ひぇええ！！！」
「ルセェな、ここで落としてやろうか」
さっき落とした上着とは違い、腕が緩む気配はない。


●おねだりした時の反応

「ねー、クロコダイル」
「ァア？」
「ハグして」
言ってしまってから、なんだか無性に恥ずかしくなって俯く。少しの沈黙の後、視界に影が落ちる。珍しいな、と言いながら、私を外界から隠すクロコダイル。葉巻の香りに包まれて、ほんの小さく首をかしげる。
ええと、なんでハグして欲しかったんだっけ。


●リクエスト（エース）

起き上がることができなくて、自分の上に何があるのかと首だけ動かして見てみると。ささやかなお胸の上にエースの顔が、スネのあたりにサッチの足が載っていた。昨夜の宴、途中から記憶がない。
タイミングがいいのか悪いのか、エースが目を覚ます。目があって数秒、その頬が、赤く染まる。
「ッワリィ」


20180516


ツイッターの診断で出たお題まとめとリクエスト。
全体的に鰐さんが優しめですね。