刀×審神者短編集
【寒い日はきみと(薬研×来葉)】
すっかり冷え込むようになってきた師走の半ば。薬研藤四郎は厨房にいた
小さい鍋で牛乳を暖めている。だまにならないように時折混ぜながら。
傍らには来葉が愛用しているカップがある。その中には鶯丸から分けてもらった抹茶の粉
『よし、こんなもんか』
猫舌の来葉のために、牛乳は熱くならないように注意を払って。
暖めた牛乳をカップの中に入れるとふわりと抹茶と牛乳の甘い香りが漂った
鍋を簡単に洗って、冷めないうちにトレイに乗せて厨房を後にする。
『大将、入るぞ』
軽く襖を叩くと中からどうぞ、と来葉の声が聞こえた
『あ。薬研!どうしたの?』
文机で仕事の虫状態になっていた来葉が振り返る。
『…少し休憩にしようぜ。鶯丸から分けてもらった抹茶の粉に牛乳を混ぜてみたの持ってきた。えーと。抹茶オレ?だったか。大将苦すぎるのあんまし得意じゃないだろ?』
『あ、ありがとう薬研。ちょうど休憩したいと思ってたところなの……』
筆を置いて、適当に座ってと薬研を促す。散らかってて悪いけど、と苦笑しているがそうでもないと思う
『ちゃんと仕事の配分、考えてるみたいだな。感心感心。』
机に飲み物を置き、来葉の頭を撫でてやると少しだけ頬を染める可愛い恋人の姿が見えた
『あれだけ言われたら、ね。あはは』
以前、仕事を始めたらなかなか気の済むまで切り上げない来葉を薬研が叱ったことがあり、それ以来はちゃんと休憩を挟んでくれるようになったのは成長したと思う
『ほら、冷めないうちに』
まだ暖かい飲み物を来葉に薬研が渡す
『いいにおいだね。いただきます』
そう言って一口抹茶オレを口にした
『おいしい!暖まるよぉ~』
『寒くなってきたからな。暖かいのがいいだろうと思って。鶯丸が分けてくれた抹茶の粉を受け取ったのはいいんだが、大将苦いの得意じゃないよなと思ってたら、燭台切が暖めた牛乳で溶かしてみたらどうかな?って言ってきたから』
どうやらいい具合にマッチしたようだ。
『すごくおいしいよ!ありがとう。仕事がんばれそう。』
花の綻ぶような笑顔に、今度は薬研の頬が紅く染まった。
『い、今やってるの終わったら今日はもう切り上げろ。急ぎの仕事はないし………そろそろ俺も大将が恋しいからな』
そんなことを紅潮した顔で言われても説得力がないのだが、見た目相応な表情をするようになった薬研に、来葉は何か刺さったのを感じた
『あー!薬研可愛い!すき!うん!そうする!』
寒い日も一緒ならきっと暖かいだろう
すっかり冷え込むようになってきた師走の半ば。薬研藤四郎は厨房にいた
小さい鍋で牛乳を暖めている。だまにならないように時折混ぜながら。
傍らには来葉が愛用しているカップがある。その中には鶯丸から分けてもらった抹茶の粉
『よし、こんなもんか』
猫舌の来葉のために、牛乳は熱くならないように注意を払って。
暖めた牛乳をカップの中に入れるとふわりと抹茶と牛乳の甘い香りが漂った
鍋を簡単に洗って、冷めないうちにトレイに乗せて厨房を後にする。
『大将、入るぞ』
軽く襖を叩くと中からどうぞ、と来葉の声が聞こえた
『あ。薬研!どうしたの?』
文机で仕事の虫状態になっていた来葉が振り返る。
『…少し休憩にしようぜ。鶯丸から分けてもらった抹茶の粉に牛乳を混ぜてみたの持ってきた。えーと。抹茶オレ?だったか。大将苦すぎるのあんまし得意じゃないだろ?』
『あ、ありがとう薬研。ちょうど休憩したいと思ってたところなの……』
筆を置いて、適当に座ってと薬研を促す。散らかってて悪いけど、と苦笑しているがそうでもないと思う
『ちゃんと仕事の配分、考えてるみたいだな。感心感心。』
机に飲み物を置き、来葉の頭を撫でてやると少しだけ頬を染める可愛い恋人の姿が見えた
『あれだけ言われたら、ね。あはは』
以前、仕事を始めたらなかなか気の済むまで切り上げない来葉を薬研が叱ったことがあり、それ以来はちゃんと休憩を挟んでくれるようになったのは成長したと思う
『ほら、冷めないうちに』
まだ暖かい飲み物を来葉に薬研が渡す
『いいにおいだね。いただきます』
そう言って一口抹茶オレを口にした
『おいしい!暖まるよぉ~』
『寒くなってきたからな。暖かいのがいいだろうと思って。鶯丸が分けてくれた抹茶の粉を受け取ったのはいいんだが、大将苦いの得意じゃないよなと思ってたら、燭台切が暖めた牛乳で溶かしてみたらどうかな?って言ってきたから』
どうやらいい具合にマッチしたようだ。
『すごくおいしいよ!ありがとう。仕事がんばれそう。』
花の綻ぶような笑顔に、今度は薬研の頬が紅く染まった。
『い、今やってるの終わったら今日はもう切り上げろ。急ぎの仕事はないし………そろそろ俺も大将が恋しいからな』
そんなことを紅潮した顔で言われても説得力がないのだが、見た目相応な表情をするようになった薬研に、来葉は何か刺さったのを感じた
『あー!薬研可愛い!すき!うん!そうする!』
寒い日も一緒ならきっと暖かいだろう