刀×審神者短編集

【クリスマスはどうお過ごしで?(薬研×来葉)】

『……くりすます?』
案の定首をかしげた薬研に来葉は説明をする

『クリスマスの由来は諸説あるんだけど、古代ローマで冬至の日に行われていた「太陽神の誕生祭」や「農耕神への収穫祭」が、イエス・キリストの生誕祭と結びついたといわれるんだって』
『つまりは、祭りってことだよな?それで?大将の世界では何をするんだ?俺も一応、燭台切や兄弟たちからそこそこの話は聞いてはいるが』

それを聞いた来葉は

『こっちの世界では、クリスマスイヴ、師走の二十四日に家族や友達、恋人や大切な人たちと過ごすのが一般的なの。』

なるほど。それで、大将のいつも愛用している手提げ鞄に大量のお品書き、ならぬクリスマスや年末のカタログがあるのかと薬研は納得した

『それで、じゃーーん!あっちの世界ではいつもこの時期には年末のお品書きがいろんなお店で配布されるんだけどせっかく今年の年末は薬研と過ごせそうだから何かしたいなーって。』

こちらからしてみれば、来葉が側にいるだけで薬研としては充分なのだが、楽しそうな彼女をみると、つい何でも許してしまいそうになる。

『たいしょ、俺としては大将が側にいるだけでひと冬越せそうではあるんだがな』
そんな来葉を引き寄せて薬研は頭を撫でた

『……うっ……そうなの?』

そのまま薬研を見上げる。そんなに身長差はないのだが、今のところは薬研の方が若干目ではあるが勝ってはいる。

『そりゃそうだろ?……報われないと思っていた初恋がこうして実ったんだ。雅なことはよくわからないが、………そういった記念日の日ぐらい大将と二人きりで過ごしたいとは思える』

そんなことを言われてしまっては、断るに断れなくなってしまった。

『…本丸のみんなともお祝いはしたいんだけど、私も本当は薬研と一緒が………』

本当に可愛いくて仕方ないから、クリスマスは本丸の連中たちより、来葉と過ごしたいと、つい思ってしまったことは兄弟たちには内緒にしておこう
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