第7章

思わぬ再会を果たしたライたちはとりあえず船内にとってある部屋に戻り、今までの経緯を話していた

『要するに俺よりあとに旅だったお前は、デイドン砦でそこの黒髪のお嬢さんに逢って、それから行動を共にしてるってわけね。』
『!?おじょっ……あたしはそんな可愛い人間じゃないですよ……』

黒髪のお嬢さん、もといロリセはなぜか過剰に反応したがとりあえず続けよう

『うん。それで、アスピオに寄る前にエステルに顔を見せようと、ハルルに寄ったんだけど』
『私がリョウとエルリィに無理をいって、同行させて貰えるように頼んだんです』

一国の副帝とあろう姫君がそう簡単に抜け出していいものかとライは苦笑したが、エステルの性格では恐らく無理だろうと頭の隅で突っ込みながらも、続きを促した

『それで、あたしの協力が必要だって、4人が尋ねてきて、あたしも今回のことが気になるから一緒に来たのよ』

リタが続けるとライはなるほどな、と一言口にした

『それで、ライさんたちは?どうしてこの船に?』

ロリセの質問に次はジュディスが答える

『私たちは、ノールで魔物退治をしていたのだけど今回の件について、情報はあらかた底をついたわ』

『あぁ。だから、人やギルドが集まるダングレストに拠点を移すことにしたんだ。』

ライの説明を次いで続けたのはリルハである

『わたしの力の星霊魔法を使えるようにするため、ライお兄ちゃんのいた世界に戻る方法がないかどうかを聞くためにギルドのあるダングレストに行ってみようってなったんです』

そう説明すると、エルリィは合点がいったらしく

『確かにダングレストなら、色々なギルドがあって、情報を仕入れやすいからね。あそこには情報通なレイヴンおじさんとカロルもいるし』

エルリィは合点がいったのか、なら、とある意見を提案した

『ここからは一緒に行動しない?ダングレストなら騎士団が入手出来ない情報だってある。』

するとロリセが続ける

『確かにこっちとライさんたちが得た情報を纏めても似たような情報ばっかだったしな。その、ダングレスト、だっけ?なら、人いるだろうしそっちのが確実かも』

ロリセの意見に、その場にいた全員が了承の意を示す

『なら、ここからは一緒だな。とにかくトリムについたらダングレストを目指すか』

ライが壁に張ってあったワールドマップを見てダングレストを指差した

『心強いですね!リタ!エルリィ!』

エステルがリタとエルリィに笑顔で話しかける。するとリタは一瞬びっくりした顔をし

『ま、まぁ。あたしの足引っ張るようならファイアーボール食らわすけどね』
『何だか久しぶりのメンバーになってきたね!』
と、テルカリュミレースの要人の強かな女子たち
と、それに苦笑するライを横に再びリタは口を開く

『それにしても気になるわね、ノールの件……… 魔導器は全て精霊に変えたのに、どうしてまた核が………』
『それについては、調査中だよ。俺の仲間が調べてる』

リタの言葉に、こう返したのはライだった。

『……うーん。まぁ、そっちを期待するしかないかな。僕たちは僕たちでダングレストに向かおう』

リョウの言葉に、その場にいた全員が頷いたのだった。すると思い出したかのように、ライがロリセに話しかける

『あ、なぁ。ロリセちゃん。これ、さっきぶつかった時に落としてたから返しとく』

ライは先程拾ったネックレスをロリセに渡す

『…!これ、なくしたと思ってたのに………確かにあたしのだ………ありがとうございます。』

意外そうな顔をしたが、手元に戻ってきたネックレスを大切そうに彼女は首に下げ直した

そうこうしているうちに、すでに日が暮れる時間である
トリムには数時間でつくはずだったのだが、予期せぬ出来事が起きたため、整備のために一度ノール港へと逆戻りになった。結局出港は明日の午前中になるらしく、ライたちはノールの宿で一泊することになったのだった。

翌日特に問題もなく、程なくして船はトリム港に到着した。
ここには、ギルド『幸福の市場(ギルド・ド・マルシェ)』の本部があり、商人たちはここを拠点にして世界各地にて貿易を行っている

また、トルビキア大陸はよく強い雨が降ったりする所謂『亜熱帯地域』だ

この新たな大陸で、ライたちはダングレストを目指すことになるわけなのだが

『少し蒸し暑いな。』

到着一番に口を開いたのはライだ

『まぁトルビキア大陸は亜熱帯地域だから、急に強い雨、スコールが降ったりすることがあるからね』

説明をしたのはリョウである

『そうだよな。だがそれ故に、こういった地域にしかない特産品もあるってもんだよな』

◆◇◆◇

少し休憩していくとなり、各自自由行動中に起きた話である

『………リョウ。』
『……なに?ライ』

二人は聞き込みついでに、町を散策していた。

いや『二人』だと語弊がある
一緒にトリムに来たのは、ライ、リョウ、ロリセ、リルハ、ジュディス、リタ、エステル、エルリィだが今は別行動中だ。 

エルリィはガウスに頼まれていた入荷待ちだった資材を数品、このトリムにある幸福の市場の本部へと持っていっている。

待ち合わせは宿屋前だ。

『………ぱぱぁ………ままぁ……』

ライとリョウの目の前にいるのは、3才ぐらいの長いツインテールの幼女である

話を説明するとこうである

みんな長い船旅で疲れているだろうとなり、ダングレストには少し休憩してから行くことになり、初めてこの街を訪れた者もいるし、少しぐらいはいいだろうとそれぞれ別行動になったのだ。

そして案の定、ライとリョウは行動を共にしていたりする

特にいく宛もなく、ぶらついていたら、市場の辺りでこの女の子と出会ったのだった

『迷子かぁ………』

先に口を開いたのはリョウである

依然として泣きじゃくる少女にリョウは目線を合わせて話しかける

『きみ、名前は?いえるかな?』

すると少女は、ぐすんと鼻を啜ったのち小さく答える

『……リリル……』

リョウは『リリルちゃんだね』とリリルの頭を撫でた

『お母さんと、お父さんは?』

依然として泣いているリリルはゆっくり話始めた

『……うっ……わかんない……おっきな音がしたあと、地面が……われて………気づいたらパパとママがいなくなってて………』

なるほど、とライは相槌を打った
すると、彼女は地割れに巻き込まれた母親と父親を探して、こんな港町まで足を運んだことになる

『……はぐれちゃったのか………』
『……ふぇ………』

また泣きそうになるリリルの頭をリョウは撫でてあやしてやる

『よし!なら、僕たちが一緒にパパとママを探してあげるよ!』

そんなことをいきなり口走るリョウに、ライは『やっぱりこうなるのか……』と、軽く頭痛を覚えたのだった

『……いっしょにさがしてくれるの?』

不安げに見つめるリリルに、リョウは『もちろんだよ!』と、笑顔でうなずいた

『いいよねライ?』

リョウはライに向き直ると、にっこりと笑んだ

『…………。ったく、仕方ねぇやつ……』

なんだかんだ言いつつも、ライも困っている者がいたら放っておけない性質であり、かつて旅した仲間に色々と言われたこともある

かくして、リリルという迷子の少女を引き連れ、ライとリョウは歩き出した

『……ありがとう、パパ、お兄ちゃん』

それにしても、彼女はどこか見覚えのある子供のような気がしたが、イマイチ記憶が定かではない。まぁ別次元を移動した時に見かけたとかそんなレベルかも知れないが。

◇◆◇◆

『わぁー!見たことないものがたっくさん!』

リルハは市場に並ぶ品物を見ながら瞳を輝かせた

『…そーだなぁ。確かにうちのとこじゃ見ないものばっかだ』

ロリセは品物を見ながら珍しそうに相槌を打つと、店主の女は口を開く

『あんたたち、トリムは初めてかい?』
『あ、はい!初めてです!』

返したのはリルハだ。

『まぁ、そんなとこですかねー』
『たくさん髪飾りあるね!どれも可愛い!』
『二人とも可愛いから、どれも似合うと思うよ?』

店主にそう言われて、ロリセは少し顔を赤くしたのだった

『ほしいなぁ……あ。でもお小遣いが……』

リルハの言葉にロリセは思い出したように口を開いた

『そーいや、ライさんからここの通貨貰ってなかったか?』
『あ!それだ!えーと、確か2500ガルド!』

なにかほしいものがあるなら、これで買うといいと各自2500ガルドずつ貰ったのだった

とくにロリセとリルハはこの世界の通貨『ガルド』を持ってはいなかった。
両替するつもりだったのだが、手間だろうとライからガルドを貰っていた

当然断るが、ライは女の子には甘いのだ。これからガルドは必要だからと、ほんの気持ちだと

向こうが頑として譲らなかったので、二人は渋々受け取ったのだった

『大切に使わなきゃね!』
『………またお礼しなきゃだな………』
『ロリセちゃんは買わないの?』
『何を言ってるんだ。あたしにこんなの似合わねーよ』
『えー?そんなことないよ!』

そんな会話を繰り広げていた二人であった

その頃、エステルとリタはというと

『トリムに来るのも久しぶりです!星喰みの一件では大変でしたからね』
『そうねー。ま、あの一件があったから険悪だったギルドと帝国の仲が良好になったわけだけど』
『本当にそうですね。でも、ユーリやフレン、みんなの努力の結果だと私は思います』

フレンたちの尽力のおかげでギルドと帝国の情勢は均衡を保っている。

『そうね。何だかんだで、フレンが騎士団長になってから、下町もだいぶ変わったんじゃない?』

『それでも、まだ貧富の差はあります。わたしもヨーデルもフレンもゆっくりではあるけど、少しでも下町を良くしていきたいと思っているんですが、なかなかうまく行かないことも多くて……』

エステルは潮騒に靡く桃色の髪を押さえながらトリムを見つめる
するとリタはゆっくりとエステルに歩み寄りこう続ける

『誰だって早々、なんでもすぐに出来るわけないわよ。』
『……リタ……』
『あたしだって、魔導器に代わるエネルギーを毎日研究してるけど、まだ完成には至らないもの。でもね絶対にやらなきゃならない。いくら時間がかかってもやり遂げてみせるわ。エステルだってそうでしょ?』

リタの言葉に、エステルは沈んでいた気持ちが少しだけ浮上したように感じた

『…はい!そうですね。前の私は迷ってばかりでしたけど、今はユーリやフレン、みんながいるから今の私がいるんですよね。もちろん、大切な親友のリタもいるから』
『…っ、べ、別にあたしは思ったことを言っただけよ』

ふいとエステルから、視線をはずしたリタだがその表情は耳まで真っ赤になっていたのをエステルは見逃さなかった。不意に笑みが溢れるエステル。思わず後ろから勢いよく飛び付いてやった

『ち、ちょっと!み、みんな見てるでしょ!離しなさいよっ』

ますます顔を赤く染めたリタに構わずエステルは更に抱き締める強さをキツくする

『ふふふ。嫌です♪ありがとうございます、リタ。大好きです』
『あーもう。仕方ない子ね』

文句を言いつつも、嫌がる素振りをみせるリタだが抵抗はない。リタが素直ではないのは周知の事実である

エステルはこんな時間がいつまでも続けばいいと心の底から思ったのだった

ただ心配なのは、かつて星喰みの一件で自分達を纏め上げていた黒衣の青年の行方である

下町に出向いた時、出掛けると言ったきり帰ってこない青年のことだ。

それから間もなくして今回の魔物たちの群れがザーフィアスを襲ったのだった

便りがないのは元気の印と言うがもう長いことあの頼もしい背中をみていない気がした

彼のことだから、大丈夫だとは思うがやはり不安に感じることがある

エルリィも『きっと大丈夫だよ』と言っていたがきっと心配しているはずなのだ

今何処で何をしているのか全く検討もつかないが、どうか無事であってほしいとエステルは心のなかで祈った

◆◇◆◇

その頃、幸福の市場の本部のドアを潜ったエルリィは元気よく『こんにちは〜!!!カウフマンさぁーん!ご注文いただいた品物をお届けに上がりました〜!!!』

と、荷物を荷台に乗せて運んできたエルリィは、この幸福の市場の社長である彼女の名前を呼んだ。しばらくして『はぁ~い今行くわ!』と、社長室の奥から出てきたのは、ユニオン五大ギルドの一つ【幸福の市場(ギルド・ド・マルシェ)】の女社長。燃える紅く背中まで伸びた長い髪と眼鏡が特徴的な【メアリー・カウフマン】。
帝国・ギルド両サイドを相手にしており、商売を行う才能はかなりのもの。世界的にチェーン店を展開している女性である

ユーリを気に入りスカウトしたり、船を提供してくれたり、新天地への物資提供を円滑に行ったり、昨今増えてきている天災でも、現在進行形で何かとお世話になっているのである。

因みに帝国騎士団小隊長の一人であるルブランとは旧知の仲らしい。

『久しぶりねエルリィちゃん。━━━少し身長伸びたかしら?』

そう嬉しそうに出迎えてくれたカウフマンに頭を撫でられ、エルリィは満更でもなそうである

『あはは!辞めてくださいカウフマンさん〜!お久しぶりです!。お変わりないようで。』そう親しげに話しているカウフマンとエルリィは、ガウスとエミリアがそれぞれギルドの重鎮であるので、幼い頃からエルリィとマルリア姉妹のことを知っている。

『むしろ昨今の天災で、物価高は続いてるからお変わりない、って訳じゃあないし、話には聴いてたけど最近異世界から来たって人も増えてきたしね。最初は半信半疑だったけどそうもいかないみたい。
今、ギルドと帝国両方の協力のもと放浪者の受け入れ施設を急ピッチで作っているとこよ。』


『今はオルニオン、元々キュモールが管理していたヘリオードもファルス隊長の指揮のもと、居住区エリアを拡張してるみたいですから』

そう返したエルリィに対してなるほど確かにと、カウフマンは相槌を打った。

各地に散らばっているギルドの関係者から得る情報は有益なものが多いので、こうしてたまにエルリィも情報交換をしている。

その後、カウフマンへの納品を無事終えたエルリィはカウフマンに少し時間があるならお茶でも飲みながら情報交換しましょう!と、誘われて社長室へと通されたのだった。元々エルリィもそのつもりだったので、断ることはしなかった。
待ち合わせ時間にはまだあるので、情報交換ならないに越したことはないと思ったのだった。



◆◇◆◇

『リョウ、ライ?珍しい子を連れているわね』

ジュディスは路地裏で鉢合わせたライとリョウにわざとらしく声をかける

するとライはため息をついて顔を逸らした。そんなライにクスクスと笑みを溢す目の前の彼女は、たった今、カフェから出てきたとこだった

『あ!ジュディス!やっぱり一人で町を回っていたんだね?』

リョウが友の名を口にすると、横にいたリリルはリョウの足を持ったままそっと顔を覗かせた。ジュディスはリリルの視線に目を合わせて微笑んだ

『大丈夫よ、可愛らしいお嬢さん。そこにいるお兄ちゃんのお友達だから。』
『……………………』

するとリリルはもじもじとしたのち、小さくうなずいた

『貴方たち、本当に小さい子に好かれやすいようね』
『……そうかな?でも、迷子を放っておく訳にもいかないでしょ?』

ライは頭をがしがしと掻いてどうしたものかと苦笑しただけだった

『貴方の情報網なら、迷子ぐらいすぐでしょうライ』
『さっきからずっと宛のあるとこにはいってみたんだがな。全くといっていいほど情報が入ってこない』
『珍しいこともあるものね』

ライは本日何度目かわからない溜め息をついた

『仕方ないよ、そういう日もあるってことだよ』
『まぁ、確かにな……』

するとリョウは『そうだ!』と何か思い付いたようにライを振り返った
ライは何か嫌な予感が拭えないが、一応聞いてみることにする

『……なんだよ』
『ねぇライ。』
『早く言えよ。一応聞くから』
『じゃあ言うね』
『……あぁ』

こんな会話をしているが、本人たちは至って真面目である。ジュディスが二人の会話を楽しそうに見ている。
そんなジュディスを半ばあきれ半分で見るが、助ける気は全くないと言う顔をしているので助けは期待できそうになかったが

『あのねライ、もしこの子の親が見つからなかったら僕たちで面倒見れないかな?』

ライはやはりという顔で、リョウを見る

『……てめぇ状況わかってんのか!?言いたいことはわかるが、危険すぎるだろ!?』
『でもこのままこの子をほっとくなんて出来ないよ!こんな御時世だからこそ、こんな小さい子どもを一人にしとくなんて僕には無理だよ?』
『…………ぐっ』

リョウの言い分は最もである。
しかし、ライとしては騎士団に預けるなりなんなりすれば、リリルの安全は保証はできるのだ。この街にはカウフマンもいるし、彼女なら快く引き受けてくれるだろう

だがしかし、リョウがこうなるのは目に見えていたので早く情報を探してやりたかったのが本音だったのだが

『リョウ、わかってんだろうな?その子を連れていくってことは少なからずその子にも危険が及ぶことになる。何かあってからじゃ遅いんだぞ』
『そのために僕たちがいるんだろ?大丈夫だよ!ライと僕やみんながいるならきっと!』

その自信は何処から来るのか聞きたいぐらいだが、こうなったリョウは誰が止めても聞かないのだから、結局彼女のペースに流されてしまうパターンがほとんどである

まだ納得が行ってないようなライに言葉をかけたのはたった今まで傍観していた人物だった

『ライ、もう諦めたら?リョウがこうなったら聞く耳を持たないのは貴方もよく知ってるでしょう?』

確かにジュディスの言う通りである。尚も諦めずライを見上げてくるリョウに結局根負けしたのはライであった

『…あぁもう!わかったよ!好きにしろ!』

もうやけくそに声を荒げて、ライはついに折れたのであった

『やったぁ!ありがとうライ!』
『……………別に。』

ライは罰が悪そうに顔をそらした

『ふふ。よかったわね。リリルちゃん』
『………………』

リリルはこくんと小さく頷いて、嬉しそうに笑顔を浮かべたのだった

『ライならそういってくれると思ってたよ。ありがとう!』
『……っ、おだててもなにも出ないからな。』

珍しく赤くなって答えるライに、ジュディスとリョウは顔を見合わせて笑いあった

『ほら!面倒見るんだろ?なら、その子の着替えとか買って集合場所に行くぞ?』
『うん!だからライって好きなんだよね!』
『うるせぇよこのバカ!!』

そう言ってさっさと先に行ってしまったライのあとをジュディスとリョウ、リリルは追いかけて駆け出した

するとジルファがライに話しかける

『………お前も丸くなったもんだな?』
『てめぇにだけは言われたくねぇんだが………』

ジルファは『くくくっ』と、笑いをこらえながら、自身の相棒にまたからかうネタが増えたと楽しそうに笑っていたのだった

当然、リョウたちにはジルファの声は聞こえていないが、ライには彼の声と思っていることは丸聞こえだった

『リョウ、てめぇは後で締める』
『えぇえぇっ!!!納得したんじゃないの!?………ふ、不幸だぁぁぁ』

リリルは、不思議そうに首をかしげて、そんな会話を展開させている二人をジュディスはまた楽しそうに笑って見ていたのだった。

次はいよいよダングレストである
また一人、新たな仲間(?)を含めて、ライたちの旅はまだ続くのであった
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