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「まさか。あの子にはまだまだ紳一や神くんみたいな頼れる先輩が必要だわ」
「あはは、そう言ってもらえると俺も嬉しいです。でも、ほんと……この調子だと、俺があいつに抜かれるのももうすぐ、かな」
ぽつりと思わず宗一郎の口から本音がこぼれた。
それを聞いた結花がきょとんと宗一郎を見上げてくる。
「何言ってるの、神くん。そんなわけないじゃない。それに、神くんとあの子じゃスタイルが全然違うわよ。神くんには神くんの、あの子にはあの子の良さがある。比べられるものじゃないわ。だから大丈夫」
「あ、ありがとうございます」
思ってもみない言葉をかけてもらって、宗一郎は驚いて結花を見た。
結花はなんの気なしに口にした言葉かもしれない。深い意味なんてないのかもしれない。
でも、結花のくれたその言葉に、宗一郎は泣きたいくらい嬉しくなった。
体の中心から全身に、あたたかい気持ちがひろがる。この気持ちをなんて表現したらいいのかわからなくて、とりあえず宗一郎は感謝の気持ちを込めて結花に微笑んだ。自分の頬が少し赤らんでいるような気もしたけれど、そんなの今は気にならなかった。結花がくれたあたたかさに、確かな感謝を返したかった。
宗一郎の笑顔を見て、結花も嬉しそうに微笑み返してくれる。
それだけで、宗一郎の心が満たされた。
「よお、おふたりさん」
と、その時、信長と練習していたはずの牧に、ふいに声をかけられた。
宗一郎は牧を振り返る。
牧は楽しそうな笑みを口もとに浮かべてこちらを見ていた。
「仲良いところ申し訳ないんだが、あんまりいちゃいちゃしないでもらえないか? 気が散る」
「な、いちゃいちゃなんてしてないでしょ!」
からかうように言う牧に、結花が顔を真っ赤にして抗議する。
こんな結花を見るのは初めてで、宗一郎はぱちくりと目を瞬かせた。
「はいはい。そうかそうか」
「ちょ、なによ紳一。その投げやりな言い方」
「別に」
牧が意地悪く唇の片方を持ち上げる。
そんな牧を見るのもはじめてで、まるで宗一郎の知らない表情で話す二人の仲の良さを見せつけられたような気がして、宗一郎の胸にあったあたたかさが一気にしぼんだ。
二人の間には入っていけない。そう教えられたような気がした。
(…………)
「あ、じゃあ俺、お先に失礼します」
なんだかいたたまれない気持ちになって帰ろうと体を反転させた時。
「あ、おい神」
再び牧に名前を呼ばれた。
「はい?」
「帰るんだったら結花を家まで送っていってやってくれないか? オレたちはまだ当分かかりそうだからな」
「え?」
「ええ!?」
願ってもない進言に宗一郎が声をあげたのと同時に、結花が聞いたこともないようなうろたえた声を出す。
その響きに嫌なものが含まれていないのがわかって宗一郎はホッとした反面、その結花の反応がおかしくて喉の奥でくつくつと小さな笑いをもらした。
さっきの沈んだ気持ちが、ウソのように消えていく。
「はい、わかりました」
牧に短く答えて、結花に視線を移す。
「それとも、結花さんは俺と一緒じゃいやですか?」
「え、いやとかそんなことは……! でもだけど……!」
「あはは、そう言ってもらえると俺も嬉しいです。でも、ほんと……この調子だと、俺があいつに抜かれるのももうすぐ、かな」
ぽつりと思わず宗一郎の口から本音がこぼれた。
それを聞いた結花がきょとんと宗一郎を見上げてくる。
「何言ってるの、神くん。そんなわけないじゃない。それに、神くんとあの子じゃスタイルが全然違うわよ。神くんには神くんの、あの子にはあの子の良さがある。比べられるものじゃないわ。だから大丈夫」
「あ、ありがとうございます」
思ってもみない言葉をかけてもらって、宗一郎は驚いて結花を見た。
結花はなんの気なしに口にした言葉かもしれない。深い意味なんてないのかもしれない。
でも、結花のくれたその言葉に、宗一郎は泣きたいくらい嬉しくなった。
体の中心から全身に、あたたかい気持ちがひろがる。この気持ちをなんて表現したらいいのかわからなくて、とりあえず宗一郎は感謝の気持ちを込めて結花に微笑んだ。自分の頬が少し赤らんでいるような気もしたけれど、そんなの今は気にならなかった。結花がくれたあたたかさに、確かな感謝を返したかった。
宗一郎の笑顔を見て、結花も嬉しそうに微笑み返してくれる。
それだけで、宗一郎の心が満たされた。
「よお、おふたりさん」
と、その時、信長と練習していたはずの牧に、ふいに声をかけられた。
宗一郎は牧を振り返る。
牧は楽しそうな笑みを口もとに浮かべてこちらを見ていた。
「仲良いところ申し訳ないんだが、あんまりいちゃいちゃしないでもらえないか? 気が散る」
「な、いちゃいちゃなんてしてないでしょ!」
からかうように言う牧に、結花が顔を真っ赤にして抗議する。
こんな結花を見るのは初めてで、宗一郎はぱちくりと目を瞬かせた。
「はいはい。そうかそうか」
「ちょ、なによ紳一。その投げやりな言い方」
「別に」
牧が意地悪く唇の片方を持ち上げる。
そんな牧を見るのもはじめてで、まるで宗一郎の知らない表情で話す二人の仲の良さを見せつけられたような気がして、宗一郎の胸にあったあたたかさが一気にしぼんだ。
二人の間には入っていけない。そう教えられたような気がした。
(…………)
「あ、じゃあ俺、お先に失礼します」
なんだかいたたまれない気持ちになって帰ろうと体を反転させた時。
「あ、おい神」
再び牧に名前を呼ばれた。
「はい?」
「帰るんだったら結花を家まで送っていってやってくれないか? オレたちはまだ当分かかりそうだからな」
「え?」
「ええ!?」
願ってもない進言に宗一郎が声をあげたのと同時に、結花が聞いたこともないようなうろたえた声を出す。
その響きに嫌なものが含まれていないのがわかって宗一郎はホッとした反面、その結花の反応がおかしくて喉の奥でくつくつと小さな笑いをもらした。
さっきの沈んだ気持ちが、ウソのように消えていく。
「はい、わかりました」
牧に短く答えて、結花に視線を移す。
「それとも、結花さんは俺と一緒じゃいやですか?」
「え、いやとかそんなことは……! でもだけど……!」