君の速度で
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そこからじんわりとした熱が体中にいきわたった時、仙道が少し震える声で囁いた。
「オレのことが、恋しくなった?」
「――仙道先輩っ!」
泣きそうな顔で微笑む仙道を見て、結花は思わず仙道の胸に飛びこんでいた。
一瞬だけびくりと緊張した仙道の体にしがみついて、結花はついさっき自覚した大切な想いを口にする。
「好きです、仙道先輩……っ。わたし、先輩のことが……っ!」
「――うん」
低い返答と共に、仙道が力強く結花の体を抱きしめ返してくれる。
「もう一回言って? 結花」
少し掠れた震える声が耳元でそう囁いて、結花の胸の奥もまるで共鳴するかのように小さく震える。
「好きです、仙道先輩。大好きです……っ!」
「うん……。うん……」
言葉にならない溢れる想いを堪えるように、仙道が何度も頷く。
ぎゅっと結花を抱く腕に力が入った。
「やっと届いた……!」
これまでの仙道の想いの強さが滲む声音に、結花の目から涙が溢れ出す。
「先輩……っ」
仙道はゆっくり体を離すと、親指の腹でそっと結花の涙を拭った。
見上げる結花の瞳を優しく見つめて、仙道が言う。
「ほとんど賭けだったんだ」
「え?」
「押してもだめなら引いてみろってやつ? はじめて実践してみたんだけど……はは、思ってたより、きつかった……」
ほんとうに辛そうにそうこぼして、仙道が結花のおでこにこつんと自身のそれを寄せてくる。
情けない顔で、にこりと笑った。
「すっごく不安だったよ。正直言って、こんなに眠れない夜を過ごしたのははじめて」
「ふふ。眠れなかったんですか?」
「うん。……結花は眠れた?」
「……わたしも、先輩のことばかり頭をよぎって、眠れませんでした」
「はは、おそろいだ」
「はい」
額を寄せ合ったまま、二人は小さく笑い合う。
「こんなに好きになれる人、きっと世界で結花だけだよ」
「嬉しいです。わたしも、同じですから」
「――ありがとう。好きだよ、結花。大切にする」
「はい」
おでこを離すと、結花はこのうえない幸せに包まれてにこりと微笑んだ。
「オレのことが、恋しくなった?」
「――仙道先輩っ!」
泣きそうな顔で微笑む仙道を見て、結花は思わず仙道の胸に飛びこんでいた。
一瞬だけびくりと緊張した仙道の体にしがみついて、結花はついさっき自覚した大切な想いを口にする。
「好きです、仙道先輩……っ。わたし、先輩のことが……っ!」
「――うん」
低い返答と共に、仙道が力強く結花の体を抱きしめ返してくれる。
「もう一回言って? 結花」
少し掠れた震える声が耳元でそう囁いて、結花の胸の奥もまるで共鳴するかのように小さく震える。
「好きです、仙道先輩。大好きです……っ!」
「うん……。うん……」
言葉にならない溢れる想いを堪えるように、仙道が何度も頷く。
ぎゅっと結花を抱く腕に力が入った。
「やっと届いた……!」
これまでの仙道の想いの強さが滲む声音に、結花の目から涙が溢れ出す。
「先輩……っ」
仙道はゆっくり体を離すと、親指の腹でそっと結花の涙を拭った。
見上げる結花の瞳を優しく見つめて、仙道が言う。
「ほとんど賭けだったんだ」
「え?」
「押してもだめなら引いてみろってやつ? はじめて実践してみたんだけど……はは、思ってたより、きつかった……」
ほんとうに辛そうにそうこぼして、仙道が結花のおでこにこつんと自身のそれを寄せてくる。
情けない顔で、にこりと笑った。
「すっごく不安だったよ。正直言って、こんなに眠れない夜を過ごしたのははじめて」
「ふふ。眠れなかったんですか?」
「うん。……結花は眠れた?」
「……わたしも、先輩のことばかり頭をよぎって、眠れませんでした」
「はは、おそろいだ」
「はい」
額を寄せ合ったまま、二人は小さく笑い合う。
「こんなに好きになれる人、きっと世界で結花だけだよ」
「嬉しいです。わたしも、同じですから」
「――ありがとう。好きだよ、結花。大切にする」
「はい」
おでこを離すと、結花はこのうえない幸せに包まれてにこりと微笑んだ。
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