恋に落ちて
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「ううう。ほんとうにほんとうにほんとうだよね?」
「「誓います」」
由美と春菜が片手をあげて誓いのポーズをした。
それを見て、結花もようやく疑いを引っ込める。
「信じる」
「うんうん、安心して信じてくださいな」
「そうそう。ねね、肝心の水戸には好きな人いないのかな」
「え?」
春菜の呟きに、結花はハッとした。
そういえば、そんなことこれまで考えたことなかった。いつも自分の気持ちに精一杯で、相手に誰か好きな人がいるなんて、まるきり想像したこともない。
結花の心が、一気に不安でいっぱいになる。
(そ、そうだよね。水戸くんにだって、誰か好きな人がいるかもしれないんだ)
自分が洋平に恋をしているように、洋平もまた誰かに恋をしているかもしれない。
自分のことばかりに浮き足立って、そんな当たり前のことにも気づけないなんて。
「し、知らない……」
力なく首を振る結花に、春菜がふうんと相槌をうつ。
「まあ、水戸くん自体あんまり他の女の子と話してるのなんて見たことないものね。よく話す女子って、だって結花くらいじゃない?」
「あ、でもそういえば、わたし他にも知ってるよ」
由美の言葉に、ぎくりと結花の心臓が音を立てた。
「え、誰!?」
ほとんど反射的に聞き返す。
「んー、名前は知らないんだけど、大人しそうな雰囲気のかわいい子だよ。ほら、わたし流川くんのファンだからよく体育館にバスケ部の練習見に行くじゃない? その時によくいる。桜木くんとも仲良いみたいで、何度かクラスに来てたこともあるよ」
「へ、へえ」
思わず結花の口もとが引き攣った。
目の前が一気に暗くなる。
(やっぱりいたんだ。水戸くんにもそういう相手……)
むっつり黙り込んだ結花に気づいて、由美が元気づけるように声を張り上げる。
「ちょっと、そんな暗い顔しないでよ。だぁいじょうぶだって!」
「うん……」
由美の励ましに口先だけで返事を返す。
胸に広がったもやもやが晴れない。
それをきっかけにして、結花は自分が洋平のことをなんにも知らないことに気付いてしまった。
好きなものや嫌いなもの。放課後何をしているか、どんなことに興味があるのか。
知らない。なにも。
「――そんなに気になるなら、今日由美について見に行ってみればいいじゃない」
「え?」
春菜がさらりと言った。
顔をあげる結花に、春菜が優しく頭を撫でてくれながら微笑む。
「水戸くんと仲良い子。気になるんでしょ?」
「うん」
春菜の言葉に、今度は力強く頷く。
どんな結果が待っていたとしても、洋平がどんな子に惹かれているのか、すごく知りたかった。
「じゃあ決定。由美、今日の放課後結花のこと頼むわよ」
「合点承知!」
「「誓います」」
由美と春菜が片手をあげて誓いのポーズをした。
それを見て、結花もようやく疑いを引っ込める。
「信じる」
「うんうん、安心して信じてくださいな」
「そうそう。ねね、肝心の水戸には好きな人いないのかな」
「え?」
春菜の呟きに、結花はハッとした。
そういえば、そんなことこれまで考えたことなかった。いつも自分の気持ちに精一杯で、相手に誰か好きな人がいるなんて、まるきり想像したこともない。
結花の心が、一気に不安でいっぱいになる。
(そ、そうだよね。水戸くんにだって、誰か好きな人がいるかもしれないんだ)
自分が洋平に恋をしているように、洋平もまた誰かに恋をしているかもしれない。
自分のことばかりに浮き足立って、そんな当たり前のことにも気づけないなんて。
「し、知らない……」
力なく首を振る結花に、春菜がふうんと相槌をうつ。
「まあ、水戸くん自体あんまり他の女の子と話してるのなんて見たことないものね。よく話す女子って、だって結花くらいじゃない?」
「あ、でもそういえば、わたし他にも知ってるよ」
由美の言葉に、ぎくりと結花の心臓が音を立てた。
「え、誰!?」
ほとんど反射的に聞き返す。
「んー、名前は知らないんだけど、大人しそうな雰囲気のかわいい子だよ。ほら、わたし流川くんのファンだからよく体育館にバスケ部の練習見に行くじゃない? その時によくいる。桜木くんとも仲良いみたいで、何度かクラスに来てたこともあるよ」
「へ、へえ」
思わず結花の口もとが引き攣った。
目の前が一気に暗くなる。
(やっぱりいたんだ。水戸くんにもそういう相手……)
むっつり黙り込んだ結花に気づいて、由美が元気づけるように声を張り上げる。
「ちょっと、そんな暗い顔しないでよ。だぁいじょうぶだって!」
「うん……」
由美の励ましに口先だけで返事を返す。
胸に広がったもやもやが晴れない。
それをきっかけにして、結花は自分が洋平のことをなんにも知らないことに気付いてしまった。
好きなものや嫌いなもの。放課後何をしているか、どんなことに興味があるのか。
知らない。なにも。
「――そんなに気になるなら、今日由美について見に行ってみればいいじゃない」
「え?」
春菜がさらりと言った。
顔をあげる結花に、春菜が優しく頭を撫でてくれながら微笑む。
「水戸くんと仲良い子。気になるんでしょ?」
「うん」
春菜の言葉に、今度は力強く頷く。
どんな結果が待っていたとしても、洋平がどんな子に惹かれているのか、すごく知りたかった。
「じゃあ決定。由美、今日の放課後結花のこと頼むわよ」
「合点承知!」