恋に落ちて
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結花はいま恋をしている。お相手は同じクラスの水戸洋平。
ちょっぴり不良のナイスガイだ。
「水戸くん、おはよう」
「おはよ」
眠そうに教室に入ってきた洋平に挨拶をすると、洋平も挨拶を返してくれた。
爽やかな笑顔が目に眩しい。
「本鈴に間に合ったんだね」
「今日遅刻すっと廊下に立たすって昨日担任が言ってたからな」
「あはは、大人しく立つつもりだったの?」
「立つつもりがないからちゃんと来たの」
しれっとそんな事を言って、洋平が結花の隣りの席に腰を降ろす。
その論理自体が不良なのにとても真面目で、ひどく愛らしい。
結花がくすくす笑っていると、洋平がなにかを思いついたようにぽんと手を打った。
「そうだ、柏木さん。今度からオレにモーニングコールしてよ」
「え?」
「そしたらオレ、毎日遅刻しないで来れると思うぜ。どう?」
「ど、どうって……」
本気なんだろうか。
洋平の真意がまるで見えなくて、どぎまぎと結花の心臓が速度をあげる。
どう答えていいかわからずに洋平を窺い見ると、洋平が悪戯に微笑んだ。
思考がどんどんまとまらなくなっていく。
「あ、あの、水戸くん……」
「洋平っ!」
とりあえず何か言わなきゃと唇を動かしかけたそのとき、雷が落ちるような大声を上げて花道が教室に飛び込んできた。
呼ばれた洋平が耳に手を当てて、うるさそうに顔をしかめて花道を振り返る。
「なんだよ、花道。うるせぇな」
「うるせぇなじゃねえ! ひでぇじゃんか洋平! 今日起こしてくれる約束だったろ?」
「……あ? そうだったっか?」
「そうだろ! 今日ももしかしたらハルコさんと朝会えるかもしれないからって!」
「あ。あーあーあー、そうだった。そうだったな花道。ワリィ、すっかり忘れてた」
「よ、洋平ぃいいいい!」
そのままにぎやかに騒ぎ出す洋平と花道を横目に見て、結花はホッと息を吐き出す。
どうやらさっきの話題は無事流れてくれたみたいだ。
まだどきどきうるさい胸が、ゆっくり落ち着きを取り戻していく。
「…………」
(水戸くんがもし本気で言ってたんだったら、いくらでもモーニングコールしてあげるのにな)
動悸が静まって頭が冷静になってくると、さっきすぐにいいよと言わなかったことが少しだけもったいなかったような気がした。
三時間目終了のチャイムが響く。何人かの生徒たちが椅子を鳴らして立ち上がり、急いで教室を出て行った。
きっと買い弁組みだろう。ここの購買は競争率が高く、早めに出て行かなければ良いパンがなくなってしまう。
いつもお弁当を持参している結花は、慌てふためく買い弁組みとは対照的に、のんびりとお弁当を手にしていつものメンバーのもとへ移動した。
すでに集まっている二人の友達に、にこりと声をかける。
「おなかすいたね」
「ほんと、もう腹ペコ」
黒髪ショートカットの由美が同意する。
「由美ってば授業中おなかの音すごかったのよ。結花にも聞かせてやりたかったわ」
ちょっぴり不良のナイスガイだ。
「水戸くん、おはよう」
「おはよ」
眠そうに教室に入ってきた洋平に挨拶をすると、洋平も挨拶を返してくれた。
爽やかな笑顔が目に眩しい。
「本鈴に間に合ったんだね」
「今日遅刻すっと廊下に立たすって昨日担任が言ってたからな」
「あはは、大人しく立つつもりだったの?」
「立つつもりがないからちゃんと来たの」
しれっとそんな事を言って、洋平が結花の隣りの席に腰を降ろす。
その論理自体が不良なのにとても真面目で、ひどく愛らしい。
結花がくすくす笑っていると、洋平がなにかを思いついたようにぽんと手を打った。
「そうだ、柏木さん。今度からオレにモーニングコールしてよ」
「え?」
「そしたらオレ、毎日遅刻しないで来れると思うぜ。どう?」
「ど、どうって……」
本気なんだろうか。
洋平の真意がまるで見えなくて、どぎまぎと結花の心臓が速度をあげる。
どう答えていいかわからずに洋平を窺い見ると、洋平が悪戯に微笑んだ。
思考がどんどんまとまらなくなっていく。
「あ、あの、水戸くん……」
「洋平っ!」
とりあえず何か言わなきゃと唇を動かしかけたそのとき、雷が落ちるような大声を上げて花道が教室に飛び込んできた。
呼ばれた洋平が耳に手を当てて、うるさそうに顔をしかめて花道を振り返る。
「なんだよ、花道。うるせぇな」
「うるせぇなじゃねえ! ひでぇじゃんか洋平! 今日起こしてくれる約束だったろ?」
「……あ? そうだったっか?」
「そうだろ! 今日ももしかしたらハルコさんと朝会えるかもしれないからって!」
「あ。あーあーあー、そうだった。そうだったな花道。ワリィ、すっかり忘れてた」
「よ、洋平ぃいいいい!」
そのままにぎやかに騒ぎ出す洋平と花道を横目に見て、結花はホッと息を吐き出す。
どうやらさっきの話題は無事流れてくれたみたいだ。
まだどきどきうるさい胸が、ゆっくり落ち着きを取り戻していく。
「…………」
(水戸くんがもし本気で言ってたんだったら、いくらでもモーニングコールしてあげるのにな)
動悸が静まって頭が冷静になってくると、さっきすぐにいいよと言わなかったことが少しだけもったいなかったような気がした。
三時間目終了のチャイムが響く。何人かの生徒たちが椅子を鳴らして立ち上がり、急いで教室を出て行った。
きっと買い弁組みだろう。ここの購買は競争率が高く、早めに出て行かなければ良いパンがなくなってしまう。
いつもお弁当を持参している結花は、慌てふためく買い弁組みとは対照的に、のんびりとお弁当を手にしていつものメンバーのもとへ移動した。
すでに集まっている二人の友達に、にこりと声をかける。
「おなかすいたね」
「ほんと、もう腹ペコ」
黒髪ショートカットの由美が同意する。
「由美ってば授業中おなかの音すごかったのよ。結花にも聞かせてやりたかったわ」
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