secret lesson
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グッと引き寄せて、宗一郎は間近で結花の双眸を覗き込んだ。
怯えたように結花の目が行き場を失くしてさまよう。
「ねえ」
低く呼びかけると、びくりと結花の肩が震えた。
おそるおそる宗一郎の瞳を見返してくる。
「は、はい」
「結花ちゃんは、ノブのことが好きなの?」
「――えっ!」
明らかに結花が動揺した。
ずきんとひび割れる音がする。
赤くなっていく結花の頬。
なんで。
「いつから……ノブが好きだったの?」
「あ、あの、神、せんぱ……?」
結花の顔が泣き出しそうに歪んだ。
その表情に、宗一郎はハッと我に返る。
怒涛のように後悔が押し寄せてきた。
(俺……なにやってんだろ……)
こんな風に結花を困らせるつもりはなかったのに。
ゆるゆると結花の腕を掴んでいた力を緩めると、そっとそれを解放した。
「ごめん、変なこと言って。手首痛かったよね。ごめんね」
「じ、じんせんぱ……」
宗一郎の様子がおかしいことに気づいたのか、結花が焦ったように口を開く。
何か言おうとしたのを宗一郎は笑顔で制した。
いまは結花のどんな言葉も聞きたくなかった。
発言を許して、さっきの返事を聞かされたらどうすればいいのだ。
答えなんてイエスに決まっている。
わざわざ結花自身にとどめを刺されたくなかった。
「さっきのは忘れて。困らせようと思ったわけじゃないんだ。ごめん」
「あ、あの……っ」
間髪入れずに言葉を繋ぐ。
結花に何か言わせてしまったら全て終わるような気がした。
せめて、幕ぐらいは自分で引きたい。
「結花ちゃんが、どうして俺と練習してることを秘密にしたいのか、やっとわかったよ」
「え?」
「ノブに……知られたくなかったからなんだね」
「な、それは……」
「俺さ、結花ちゃんが好きだよ」
「――!」
結花が瞠目した。
宗一郎はそれに微かな笑みを浮かべて、呆然としている結花の頬を撫でる。
「だからさ。今日で練習は終わりにしよう? じゃないと俺、結花ちゃんをノブに渡したくなくて、いつか結花ちゃんのこと襲っちゃいそうだから……」
「!」
結花の顔が赤く染まる。
何か言おうと開かれた結花の唇に、宗一郎は持っていたポカリの缶を押し当てた。
遅れたお詫びにと思って学校で買っておいたものだ。
戸惑って缶を手にした結花に、にこりと笑う。
「それ、あげる。結花ちゃんセンスあるし努力家だから、きっとすぐにバスケうまくなるよ。来年にはもしかしたらレギュラーになれるかもしれない。……がんばってね。俺はいつでも君を応援してるから」
それだけ言うと、宗一郎は踵を返した。
足早に自転車まで戻って、振り返らずに漕ぎ出す。
背中に結花の声を聞いたような気がしたけれど、何を言っていたかまではわからなかった。
怯えたように結花の目が行き場を失くしてさまよう。
「ねえ」
低く呼びかけると、びくりと結花の肩が震えた。
おそるおそる宗一郎の瞳を見返してくる。
「は、はい」
「結花ちゃんは、ノブのことが好きなの?」
「――えっ!」
明らかに結花が動揺した。
ずきんとひび割れる音がする。
赤くなっていく結花の頬。
なんで。
「いつから……ノブが好きだったの?」
「あ、あの、神、せんぱ……?」
結花の顔が泣き出しそうに歪んだ。
その表情に、宗一郎はハッと我に返る。
怒涛のように後悔が押し寄せてきた。
(俺……なにやってんだろ……)
こんな風に結花を困らせるつもりはなかったのに。
ゆるゆると結花の腕を掴んでいた力を緩めると、そっとそれを解放した。
「ごめん、変なこと言って。手首痛かったよね。ごめんね」
「じ、じんせんぱ……」
宗一郎の様子がおかしいことに気づいたのか、結花が焦ったように口を開く。
何か言おうとしたのを宗一郎は笑顔で制した。
いまは結花のどんな言葉も聞きたくなかった。
発言を許して、さっきの返事を聞かされたらどうすればいいのだ。
答えなんてイエスに決まっている。
わざわざ結花自身にとどめを刺されたくなかった。
「さっきのは忘れて。困らせようと思ったわけじゃないんだ。ごめん」
「あ、あの……っ」
間髪入れずに言葉を繋ぐ。
結花に何か言わせてしまったら全て終わるような気がした。
せめて、幕ぐらいは自分で引きたい。
「結花ちゃんが、どうして俺と練習してることを秘密にしたいのか、やっとわかったよ」
「え?」
「ノブに……知られたくなかったからなんだね」
「な、それは……」
「俺さ、結花ちゃんが好きだよ」
「――!」
結花が瞠目した。
宗一郎はそれに微かな笑みを浮かべて、呆然としている結花の頬を撫でる。
「だからさ。今日で練習は終わりにしよう? じゃないと俺、結花ちゃんをノブに渡したくなくて、いつか結花ちゃんのこと襲っちゃいそうだから……」
「!」
結花の顔が赤く染まる。
何か言おうと開かれた結花の唇に、宗一郎は持っていたポカリの缶を押し当てた。
遅れたお詫びにと思って学校で買っておいたものだ。
戸惑って缶を手にした結花に、にこりと笑う。
「それ、あげる。結花ちゃんセンスあるし努力家だから、きっとすぐにバスケうまくなるよ。来年にはもしかしたらレギュラーになれるかもしれない。……がんばってね。俺はいつでも君を応援してるから」
それだけ言うと、宗一郎は踵を返した。
足早に自転車まで戻って、振り返らずに漕ぎ出す。
背中に結花の声を聞いたような気がしたけれど、何を言っていたかまではわからなかった。