secret lesson
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その声が涙声で、宗一郎はうろたえる。
「わたし……! 神先輩が好きです!」
「! な、え……!?」
体育館中に聞こえるような大声で、結花が言った。
宗一郎が動転して情けない声をあげる。
「え、ちょ、結花ちゃん!? ままま、待って、自分の言ってることちゃんとわかって……」
「わかってます! こんなこと、こんな注目浴びてまで冗談で言うわけないじゃないですかっ。昨日だって、ちゃんと、お返事……したかったのにっ! 神先輩、勘違いしたまんまどっかいっちゃうし、全然、電話も、メールも繋がらないし、わたしが……どれだけ……っ!」
「結花ちゃん……」
「清田くんのことだって、清田くん自身を意識してたんじゃなくて、清田くんの口から出てくる神先輩の名前を意識してたんです! ほんとは、入学する前からわたし神先輩のこと知ってて、ずっと憧れてて……! だから、嬉しかったんです……っ!」
「…………」
唖然と結花の話を聞いているうちに、だんだんと宗一郎の胸のうちがくすぐったくなってきた。
おかしい気持ちが込み上げてきて、神妙に引き結んだ唇が緩んできて、ついに宗一郎は笑い声をあげる。
「……ははっ」
その声に、結花が目を真っ赤にして宗一郎を見つめた。
「ちょ、神先輩! 何笑ってるんですかぁ!」
「ああ、はは、うん、ごめん。笑うところじゃないのはわかってるんだけど、なんだか無性におかしくって……」
「~~~~っ。ひどい、神先輩! やっぱり今までのウソです全部ウソ! 冗談でした! もう知らない!」
「待って」
踵を返した結花の腕を宗一郎は掴まえる。
「わっ」
バランスを崩して後ろに倒れこんできた結花の体を、宗一郎はそのまま自分の胸で受け止めた。
「ほんとうに冗談?」
意味ありげに笑って聞いてやると、ぷいっと結花が悔しげに顔を背けた。
「……冗談じゃ、ないです……」
「うん」
全身を真っ赤にして消え入りそうに答えた結花に、宗一郎は嬉しそうに返事を返す。
「俺も本気。好きだよ、結花」
そっと耳元に顔を寄せて囁くと、結花のからだが硬直した。
ほんとうにかわいくてしょうがなかった。
宗一郎が腕に結花を抱えたままくすくす笑っていると、ふいに背後から呆れたような声がかかった。
「――神。男女交際も構わないが、部活には支障でないようにしろよ」
牧だった。
宗一郎は、余裕たっぷりの笑みでそれに答えた。
「心得てますよ、牧さん」
部活に支障? そんなの出るわけない。
だってこれからも俺たちは、二人で支えあっていくんだから。
「これからはバスケも恋愛もよろしくね、結花」
「――はい」
にっこりと微笑む結花の笑顔を、宗一郎は幸せな気持ちで胸に刻んだ。
「わたし……! 神先輩が好きです!」
「! な、え……!?」
体育館中に聞こえるような大声で、結花が言った。
宗一郎が動転して情けない声をあげる。
「え、ちょ、結花ちゃん!? ままま、待って、自分の言ってることちゃんとわかって……」
「わかってます! こんなこと、こんな注目浴びてまで冗談で言うわけないじゃないですかっ。昨日だって、ちゃんと、お返事……したかったのにっ! 神先輩、勘違いしたまんまどっかいっちゃうし、全然、電話も、メールも繋がらないし、わたしが……どれだけ……っ!」
「結花ちゃん……」
「清田くんのことだって、清田くん自身を意識してたんじゃなくて、清田くんの口から出てくる神先輩の名前を意識してたんです! ほんとは、入学する前からわたし神先輩のこと知ってて、ずっと憧れてて……! だから、嬉しかったんです……っ!」
「…………」
唖然と結花の話を聞いているうちに、だんだんと宗一郎の胸のうちがくすぐったくなってきた。
おかしい気持ちが込み上げてきて、神妙に引き結んだ唇が緩んできて、ついに宗一郎は笑い声をあげる。
「……ははっ」
その声に、結花が目を真っ赤にして宗一郎を見つめた。
「ちょ、神先輩! 何笑ってるんですかぁ!」
「ああ、はは、うん、ごめん。笑うところじゃないのはわかってるんだけど、なんだか無性におかしくって……」
「~~~~っ。ひどい、神先輩! やっぱり今までのウソです全部ウソ! 冗談でした! もう知らない!」
「待って」
踵を返した結花の腕を宗一郎は掴まえる。
「わっ」
バランスを崩して後ろに倒れこんできた結花の体を、宗一郎はそのまま自分の胸で受け止めた。
「ほんとうに冗談?」
意味ありげに笑って聞いてやると、ぷいっと結花が悔しげに顔を背けた。
「……冗談じゃ、ないです……」
「うん」
全身を真っ赤にして消え入りそうに答えた結花に、宗一郎は嬉しそうに返事を返す。
「俺も本気。好きだよ、結花」
そっと耳元に顔を寄せて囁くと、結花のからだが硬直した。
ほんとうにかわいくてしょうがなかった。
宗一郎が腕に結花を抱えたままくすくす笑っていると、ふいに背後から呆れたような声がかかった。
「――神。男女交際も構わないが、部活には支障でないようにしろよ」
牧だった。
宗一郎は、余裕たっぷりの笑みでそれに答えた。
「心得てますよ、牧さん」
部活に支障? そんなの出るわけない。
だってこれからも俺たちは、二人で支えあっていくんだから。
「これからはバスケも恋愛もよろしくね、結花」
「――はい」
にっこりと微笑む結花の笑顔を、宗一郎は幸せな気持ちで胸に刻んだ。
9/9ページ