secret lesson
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胸がずきずきと軋む。
呼吸をするのが辛かった。
いつのまにか、こんなに好きになっていたなんて。
(いっそ……強引に奪っちゃえばよかったかな)
思って宗一郎は鼻で笑った。
そんなことできるわけがないのに。
(失恋て、思ってたより辛いな)
空を見上げた宗一郎の頬を、吹き抜けていく風がなぐさめるようにそっと撫ぜた。
次の日。
今日も宗一郎は部活の練習後に体育館で日課の五百本シュートをしていた。
あれから結花から何回も電話やメールが来ていたけれど、宗一郎はそのどれにも手をつける気になれなかった。
心が乱れているせいか、今日は成功率が悪い。
リングに弾かれ足元に戻ってきたボールを拾い上げると、宗一郎はふうと息をついた。
「神さん。今日は調子悪いッスね」
そこに、信長がやってきた。
宗一郎は少しだけ意地悪な気持ちになって信長を見る。
「お前が話しかけてきたからじゃない?」
「! ひ、ひどいッスよ神さん! なんでそんなこと言うんスか!」
信長がほんとうに傷ついたように顔を曇らせたので、宗一郎は苦笑した。
ほんとうに、羨ましいくらい自分の感情に素直なやつだ。
結花も信長のこういうところに惚れたんだろうか。
なんとなく理解できるような気がして、それがまたすごく淋しかった。
「冗談だよ。ごめん、ノブ。少し八つ当たりした」
「冗談? ほんとっスか?」
ぐすんと鼻を鳴らしながら信長が訊く。
その頭を優しく撫でてやった。
「ほんとうほんとう。ね、ノブ。手が空いてるなら少し練習手伝ってくれない?」
「! 喜んで! なにすればいいっスか」
一転して信長が笑顔になった。
ほんとうに現金なやつだ。
宗一郎もつられて表情をほころばせる。
「じゃあパスだしお願いできるかな」
言ってパスを受け取ろうと手を出した時。
宗一郎の出した手の位置に、寸文の狂いもなくどこからともなくボールが飛んできた。
「!」
宗一郎は驚きながらも、しっかりとそのボールをキャッチする。
誰からだとボールの飛んできたほうを見れば、なんとそこには結花がいた。
「! ナ、ナイスパス……」
思わず漏れた呟きに、自分でも脱力する。
だけど、頭がうまく働かなくてこれが精一杯だった。
まさか学校で、しかもあんなことのあった次の日に、結花のほうから話しかけてくるなんて思いもしなかった。
呆然としている宗一郎の横で、信長が肩を怒らせて結花を叱り付ける。
「おい、柏木! あぶねぇな、そっからこっちにボールが飛んでくるなんていったいどういうコントロールしてんだよ!」
呼吸をするのが辛かった。
いつのまにか、こんなに好きになっていたなんて。
(いっそ……強引に奪っちゃえばよかったかな)
思って宗一郎は鼻で笑った。
そんなことできるわけがないのに。
(失恋て、思ってたより辛いな)
空を見上げた宗一郎の頬を、吹き抜けていく風がなぐさめるようにそっと撫ぜた。
次の日。
今日も宗一郎は部活の練習後に体育館で日課の五百本シュートをしていた。
あれから結花から何回も電話やメールが来ていたけれど、宗一郎はそのどれにも手をつける気になれなかった。
心が乱れているせいか、今日は成功率が悪い。
リングに弾かれ足元に戻ってきたボールを拾い上げると、宗一郎はふうと息をついた。
「神さん。今日は調子悪いッスね」
そこに、信長がやってきた。
宗一郎は少しだけ意地悪な気持ちになって信長を見る。
「お前が話しかけてきたからじゃない?」
「! ひ、ひどいッスよ神さん! なんでそんなこと言うんスか!」
信長がほんとうに傷ついたように顔を曇らせたので、宗一郎は苦笑した。
ほんとうに、羨ましいくらい自分の感情に素直なやつだ。
結花も信長のこういうところに惚れたんだろうか。
なんとなく理解できるような気がして、それがまたすごく淋しかった。
「冗談だよ。ごめん、ノブ。少し八つ当たりした」
「冗談? ほんとっスか?」
ぐすんと鼻を鳴らしながら信長が訊く。
その頭を優しく撫でてやった。
「ほんとうほんとう。ね、ノブ。手が空いてるなら少し練習手伝ってくれない?」
「! 喜んで! なにすればいいっスか」
一転して信長が笑顔になった。
ほんとうに現金なやつだ。
宗一郎もつられて表情をほころばせる。
「じゃあパスだしお願いできるかな」
言ってパスを受け取ろうと手を出した時。
宗一郎の出した手の位置に、寸文の狂いもなくどこからともなくボールが飛んできた。
「!」
宗一郎は驚きながらも、しっかりとそのボールをキャッチする。
誰からだとボールの飛んできたほうを見れば、なんとそこには結花がいた。
「! ナ、ナイスパス……」
思わず漏れた呟きに、自分でも脱力する。
だけど、頭がうまく働かなくてこれが精一杯だった。
まさか学校で、しかもあんなことのあった次の日に、結花のほうから話しかけてくるなんて思いもしなかった。
呆然としている宗一郎の横で、信長が肩を怒らせて結花を叱り付ける。
「おい、柏木! あぶねぇな、そっからこっちにボールが飛んでくるなんていったいどういうコントロールしてんだよ!」