snow magic
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「仙道?」
訝しげに名前を呼ぶと、仙道が少しだけ不安そうに眉尻を下げて微笑んだ。
その憂いを帯びた表情に、結花の心臓がばくんと跳ね上がる。
「ね、結花。返事を聞かせてよ」
「え!? へ、返事って」
「やだな。俺の告白にたいしての返事だよ」
「こ、告白ぅ!? そんなのいつされたっけ!?」
大げさに声を荒げて言えば、傷ついたとでも言うように仙道が顔をしかめた。
「いまさっき。ほっぺにキスしたでしょ?」
「ええ!? あれが告白なの!? 仙道にとってはただのあいさつかと……!」
仙道の瞳が、すっと呆れたように細められた。
拗ねたように突き出された唇から、不機嫌な声を出す。
「あのね。俺はどこの帰国子女なの。いくら俺でも、好きじゃない子の頬にキスなんてしないよ」
「で、でも好きって言われてないもん! 言われなくちゃわかんない!」
「そう? 俺は気づいてたよ。結花が俺のこと好きなこと」
「!? ……は!?」
仙道の言葉に、結花の思考が停止した。
当の本人は、結花の混乱などどこ吹く風で涼しい顔でにこにこと笑っている。
「だってさー、俺を見ると結花はいっつも弾けような笑顔で嬉しそうに笑うし、頬は桃色に染まるし、これで気づくなってほうが無理でしょ?」
「え、じゃあ……筒抜け……だったの?」
「もちろん。必死で気づかれないように隠してる結花、かわいかったよ」
「~~~~!」
にっこりと綺麗な顔で笑う仙道があんまりにも憎らしくて、思わず目の前の仙道の顔を両手でばちんと挟み込むようにして叩いた。
「いたぁ!?」
仙道が悲鳴をあげて反射的に両頬を押さえ込む。
支える手を失って、結花のからだは地面に落ちた。
雪が多少のクッションにはなってくれたものの、それでも痛いものは痛い。
「いったぁ……!」
倒れた姿勢のままで打ち付けた腰をさすっていると、仙道があははと笑いながら結花の隣りに倒れこんだ。
「ごめんね?」
ひとしきり笑った後に囁かれたその言葉に、結花は瞳を細めて反論する。
「思ってないでしょ」
「思ってるよ。でも、いたぁ~いって嘆く結花がかわいくて」
「このドSめ!」
「Sッ気があるのは否定しないけど、そんなにひどくもないよ。だってほら、今はもう結花のことが心配で心配でしょうがないし」
「……あっそ」
胡散臭いほどの満面の笑みで言う仙道にため息をつくと、結花は上半身を起こした。
制服は上から下まで雪まみれでびしゃびしゃだ。
寒い冬では乾くのだって時間かかるだろう。
「どーしよ」
空を仰いで途方に暮れると、同じく上半身を起こした仙道が、にっこりと言った。
「ね、結花。今日さぼっちゃおうか」
「……なんで」
「そんでデートしようよ。せっかく気持ちが通じあったんだしさ」
「わたし、まだオッケーしてないよ?」
「あれ? じゃあ断るの?」
捨てられた子犬のような瞳で仙道が見つめてくる。
結花はその視線に、思わずグッとたじろいだ。
「こ、断るわけないけど……」
小さくもらした呟きに、仙道がぱぁっと明るい笑みを浮かべる。
「結花」
「ん? ……っ!」
呼ばれて振り向くと、今度は唇にやわらかな感触。
仙道は少しだけ顔を離すと、間近で結花を見つめた。
その優しい眼差しに、結花の心臓が激しく脈打ちはじめる。
「好きだよ、結花」
「わ、わたしも……」
今日は寝坊してよかったな。
地面のやわらかな雪の感触を感じながら、再び近づいてくる仙道の顔に、結花はゆっくりと瞳を閉じた。
訝しげに名前を呼ぶと、仙道が少しだけ不安そうに眉尻を下げて微笑んだ。
その憂いを帯びた表情に、結花の心臓がばくんと跳ね上がる。
「ね、結花。返事を聞かせてよ」
「え!? へ、返事って」
「やだな。俺の告白にたいしての返事だよ」
「こ、告白ぅ!? そんなのいつされたっけ!?」
大げさに声を荒げて言えば、傷ついたとでも言うように仙道が顔をしかめた。
「いまさっき。ほっぺにキスしたでしょ?」
「ええ!? あれが告白なの!? 仙道にとってはただのあいさつかと……!」
仙道の瞳が、すっと呆れたように細められた。
拗ねたように突き出された唇から、不機嫌な声を出す。
「あのね。俺はどこの帰国子女なの。いくら俺でも、好きじゃない子の頬にキスなんてしないよ」
「で、でも好きって言われてないもん! 言われなくちゃわかんない!」
「そう? 俺は気づいてたよ。結花が俺のこと好きなこと」
「!? ……は!?」
仙道の言葉に、結花の思考が停止した。
当の本人は、結花の混乱などどこ吹く風で涼しい顔でにこにこと笑っている。
「だってさー、俺を見ると結花はいっつも弾けような笑顔で嬉しそうに笑うし、頬は桃色に染まるし、これで気づくなってほうが無理でしょ?」
「え、じゃあ……筒抜け……だったの?」
「もちろん。必死で気づかれないように隠してる結花、かわいかったよ」
「~~~~!」
にっこりと綺麗な顔で笑う仙道があんまりにも憎らしくて、思わず目の前の仙道の顔を両手でばちんと挟み込むようにして叩いた。
「いたぁ!?」
仙道が悲鳴をあげて反射的に両頬を押さえ込む。
支える手を失って、結花のからだは地面に落ちた。
雪が多少のクッションにはなってくれたものの、それでも痛いものは痛い。
「いったぁ……!」
倒れた姿勢のままで打ち付けた腰をさすっていると、仙道があははと笑いながら結花の隣りに倒れこんだ。
「ごめんね?」
ひとしきり笑った後に囁かれたその言葉に、結花は瞳を細めて反論する。
「思ってないでしょ」
「思ってるよ。でも、いたぁ~いって嘆く結花がかわいくて」
「このドSめ!」
「Sッ気があるのは否定しないけど、そんなにひどくもないよ。だってほら、今はもう結花のことが心配で心配でしょうがないし」
「……あっそ」
胡散臭いほどの満面の笑みで言う仙道にため息をつくと、結花は上半身を起こした。
制服は上から下まで雪まみれでびしゃびしゃだ。
寒い冬では乾くのだって時間かかるだろう。
「どーしよ」
空を仰いで途方に暮れると、同じく上半身を起こした仙道が、にっこりと言った。
「ね、結花。今日さぼっちゃおうか」
「……なんで」
「そんでデートしようよ。せっかく気持ちが通じあったんだしさ」
「わたし、まだオッケーしてないよ?」
「あれ? じゃあ断るの?」
捨てられた子犬のような瞳で仙道が見つめてくる。
結花はその視線に、思わずグッとたじろいだ。
「こ、断るわけないけど……」
小さくもらした呟きに、仙道がぱぁっと明るい笑みを浮かべる。
「結花」
「ん? ……っ!」
呼ばれて振り向くと、今度は唇にやわらかな感触。
仙道は少しだけ顔を離すと、間近で結花を見つめた。
その優しい眼差しに、結花の心臓が激しく脈打ちはじめる。
「好きだよ、結花」
「わ、わたしも……」
今日は寝坊してよかったな。
地面のやわらかな雪の感触を感じながら、再び近づいてくる仙道の顔に、結花はゆっくりと瞳を閉じた。
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