snow magic
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仙道はまんまるく雪だるまの目をくりぬくと、仕上げとばかりにどこかから枝を二本拾ってきた。
それを目の上に逆八の字型にして乗せる。
「よし、出来た! 越野だるま」
満足げに呟いて、腰に手を当てる。
「あはは! 越野だるま! なにそれ、越野それ見たら怒るよ!」
「えー、だってそっくりでしょ? 今日学校に着いたら、絶対越野こんな顔して寄って来るよ。仙道、またお前部活サボっただろ!」
言いながら、仙道は口に見立てた葉っぱを二枚、セリフにあわせてぱくぱくと動かした。
そうすると、どうしてか雪だるまがもう越野にしか見えなくて、結花は腹を抱えて笑った。
「あっははは、やめ……やめて……仙道……! おなか……おなか苦し……っ!」
「結花。他人事のように笑ってるけど、絶対結花も怒られるよ。俺と遊んでたんだから」
「えー、そんなことないよ、大丈夫。それに、言わなきゃ仙道と遊んでたなんて気づかれないもん」
「そうかな。……俺と結花の関係が変わってるんだから、いくら鈍の越野でも気づくんじゃない?」
「え?」
ふいに引き締まった仙道の雰囲気と真剣な声に驚いてそちらを振り返ると、視界が突然黒く染まった。
頬に、やわらかくてあたたかな感触。
「!?」
(い、いま……いま……!)
咄嗟に頬を押さえて、目の前の仙道を見る。
仙道は今のことなどまるでなかったようににこにこと涼しい顔で微笑んでいる。
「せ、せんど……、いま……」
「うん? キスしたよ、ほっぺに」
「な、なんで……?」
余裕たっぷりに笑う仙道に、頭がついていかない。
なんで頬にキスなんか。
(だって、だって、わたしは確かに仙道のこと好きだけど、でも仙道はわたしのことたぶん普通のクラスメートくらいにしか思ってなくて、なのにほっぺにキスってことは……?)
ぐるぐるとめまぐるしく回る思考と、目の前で飄々と笑う仙道の表情とで、ただでさえキャパの少ない結花の頭はオーバーヒートした。
頭の中でぼんと何かが弾ける音が聞こえて、くらりと世界がまわる。
「うわっ! 結花!?」
目の前が抜けるような空の青でいっぱいになったと思ったら、力強くて逞しい腕が背中にまわされて、今度は心配そうに眉尻を下げた仙道の顔でいっぱいになった。
慌てて離れようとしても、がっしりと体を掴まれて身動きができない。
「せせせ仙道!? ちょ、離して!」
無理矢理に身をよじると、仙道が困ったような声をあげて、さらに結花を支える腕の力を強くした。
「ちょ、暴れないで結花! 今暴れると雪の地面にダイブだから!」
珍しく慌てたような仙道の声に、ぴたりと結花は動きを止める。
「え?」
言葉の意味が理解できなくて自分の状態を確認すると、オーバーヒートして今にも倒れこみそうになったところを仙道に抱きとめられているようだった。
結花はしゅんと大人しくなると、もごもごと口の中でお礼を言う。
「あ、ありがと……」
「うん」
にこりと笑って、だけどその体勢のまま動こうとしない仙道に、結花は眉根を寄せた。
それを目の上に逆八の字型にして乗せる。
「よし、出来た! 越野だるま」
満足げに呟いて、腰に手を当てる。
「あはは! 越野だるま! なにそれ、越野それ見たら怒るよ!」
「えー、だってそっくりでしょ? 今日学校に着いたら、絶対越野こんな顔して寄って来るよ。仙道、またお前部活サボっただろ!」
言いながら、仙道は口に見立てた葉っぱを二枚、セリフにあわせてぱくぱくと動かした。
そうすると、どうしてか雪だるまがもう越野にしか見えなくて、結花は腹を抱えて笑った。
「あっははは、やめ……やめて……仙道……! おなか……おなか苦し……っ!」
「結花。他人事のように笑ってるけど、絶対結花も怒られるよ。俺と遊んでたんだから」
「えー、そんなことないよ、大丈夫。それに、言わなきゃ仙道と遊んでたなんて気づかれないもん」
「そうかな。……俺と結花の関係が変わってるんだから、いくら鈍の越野でも気づくんじゃない?」
「え?」
ふいに引き締まった仙道の雰囲気と真剣な声に驚いてそちらを振り返ると、視界が突然黒く染まった。
頬に、やわらかくてあたたかな感触。
「!?」
(い、いま……いま……!)
咄嗟に頬を押さえて、目の前の仙道を見る。
仙道は今のことなどまるでなかったようににこにこと涼しい顔で微笑んでいる。
「せ、せんど……、いま……」
「うん? キスしたよ、ほっぺに」
「な、なんで……?」
余裕たっぷりに笑う仙道に、頭がついていかない。
なんで頬にキスなんか。
(だって、だって、わたしは確かに仙道のこと好きだけど、でも仙道はわたしのことたぶん普通のクラスメートくらいにしか思ってなくて、なのにほっぺにキスってことは……?)
ぐるぐるとめまぐるしく回る思考と、目の前で飄々と笑う仙道の表情とで、ただでさえキャパの少ない結花の頭はオーバーヒートした。
頭の中でぼんと何かが弾ける音が聞こえて、くらりと世界がまわる。
「うわっ! 結花!?」
目の前が抜けるような空の青でいっぱいになったと思ったら、力強くて逞しい腕が背中にまわされて、今度は心配そうに眉尻を下げた仙道の顔でいっぱいになった。
慌てて離れようとしても、がっしりと体を掴まれて身動きができない。
「せせせ仙道!? ちょ、離して!」
無理矢理に身をよじると、仙道が困ったような声をあげて、さらに結花を支える腕の力を強くした。
「ちょ、暴れないで結花! 今暴れると雪の地面にダイブだから!」
珍しく慌てたような仙道の声に、ぴたりと結花は動きを止める。
「え?」
言葉の意味が理解できなくて自分の状態を確認すると、オーバーヒートして今にも倒れこみそうになったところを仙道に抱きとめられているようだった。
結花はしゅんと大人しくなると、もごもごと口の中でお礼を言う。
「あ、ありがと……」
「うん」
にこりと笑って、だけどその体勢のまま動こうとしない仙道に、結花は眉根を寄せた。