snow magic
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「まさか! 文化部のわたしが運動部、おまけに県内屈指のバスケット選手の仙道を一発でしとめるためには、やっぱりそれなりの破壊力がある雪玉じゃないと!」
「ほら、やっぱり殺す気なんじゃん」
「えええ!? 違うって!」
「とにかく、雪合戦はなし。俺も命は惜しいし……他にやりたいことない?」
仙道は肩を竦めてそう言うと、にっこりと微笑んで結花に聞いた。
その優しい表情に、結花の心臓がばくんと脈打つ。
「あ、じゃ、じゃあかまくら!」
心中の動揺を悟られないように、わざと声を張り上げる。
「却下。何時間掛かると思ってるの」
呆れたような仙道の声に、がっくりとうなだれる。
「うう、ですよね……。じゃあ雪だるま作ろう! うんとおっきいやつ!」
「はは、いいよ。うんとおっきいやつ?」
「そう! おっきいやつ! 仙道がいるならできるでしょ?」
「いいよ、任せて。――そうと決まれば、急ぎますか!」
「うん!」
元気良く返事を返すと、すっと仙道が大きくな手を差し出してきた。
意味がわからなくてきょとんと仙道を見上げると、照れくさそうに鼻の頭をかきながら、仙道が視線を上向けて言った。
「結花、おっちょこちょいだから。転ぶとあぶないでしょ?」
「あ、ありがと……!」
心臓が、勝手に期待をして鼓動を速める。
仙道の手の平にそっと自分の手を重ねると、仙道がははっと小さく笑った。
「冷たいね」
そう言ってきゅっと力強く握りこまれる。そこからあたたかくて優しい仙道の体温が結花の中に浸透してきて、体中の血が沸騰したように熱くなる。
「さ、さっき……雪玉作ったから」
「ああ、俺にぶつける用の」
「……そう」
空を仰いで仙道がそっかと笑う。
むき出しになった仙道の真っ白な喉が、真っ青な空ととても綺麗なコントラストになっていて心に眩しい。
仙道にとったら、手を繋ぐことなんてなんでもないんだろう。
考えるとちくりと胸が痛んだ
楽しそうに喋りながら歩く仙道の横顔をそっと覗き込む。
(仙道はわたしのことが好き? それとも、ただの仲の良いクラスメート?)
答えを知りたいようで知りたくない。
その瞬間から、どう転ぶにしろ今の関係には絶対に戻れなくなる。
友達ですらいられなくなるか、友達よりも甘い関係になるか。
後者ならばいいけれど、もしも前者だったなら……。
思うと、一歩前へ行こうとする足が竦んだ。
ふいに足を止めた結花に気づいて、仙道が、ん? と優しい顔でこちらを振り返る。
結花はハッと我に返って、なんでもないと慌てたように首を振ると、少しだけ開いた仙道との距離を埋めた。
「いよっし、これでどうだ!」
「おおー、完成―!!」
目の前にそびえたつ巨大な雪だるまを前に、結花はぱちぱちと拍手した。
結花の胸元くらいまであるそれを作る間、結局雪玉をぶつけあったりなんかして、お互いに雪まみれになってしまった。
だけど、雪だるまを作るのにほてったからだには、その冷たさがちょうどいい。
「ほら、やっぱり殺す気なんじゃん」
「えええ!? 違うって!」
「とにかく、雪合戦はなし。俺も命は惜しいし……他にやりたいことない?」
仙道は肩を竦めてそう言うと、にっこりと微笑んで結花に聞いた。
その優しい表情に、結花の心臓がばくんと脈打つ。
「あ、じゃ、じゃあかまくら!」
心中の動揺を悟られないように、わざと声を張り上げる。
「却下。何時間掛かると思ってるの」
呆れたような仙道の声に、がっくりとうなだれる。
「うう、ですよね……。じゃあ雪だるま作ろう! うんとおっきいやつ!」
「はは、いいよ。うんとおっきいやつ?」
「そう! おっきいやつ! 仙道がいるならできるでしょ?」
「いいよ、任せて。――そうと決まれば、急ぎますか!」
「うん!」
元気良く返事を返すと、すっと仙道が大きくな手を差し出してきた。
意味がわからなくてきょとんと仙道を見上げると、照れくさそうに鼻の頭をかきながら、仙道が視線を上向けて言った。
「結花、おっちょこちょいだから。転ぶとあぶないでしょ?」
「あ、ありがと……!」
心臓が、勝手に期待をして鼓動を速める。
仙道の手の平にそっと自分の手を重ねると、仙道がははっと小さく笑った。
「冷たいね」
そう言ってきゅっと力強く握りこまれる。そこからあたたかくて優しい仙道の体温が結花の中に浸透してきて、体中の血が沸騰したように熱くなる。
「さ、さっき……雪玉作ったから」
「ああ、俺にぶつける用の」
「……そう」
空を仰いで仙道がそっかと笑う。
むき出しになった仙道の真っ白な喉が、真っ青な空ととても綺麗なコントラストになっていて心に眩しい。
仙道にとったら、手を繋ぐことなんてなんでもないんだろう。
考えるとちくりと胸が痛んだ
楽しそうに喋りながら歩く仙道の横顔をそっと覗き込む。
(仙道はわたしのことが好き? それとも、ただの仲の良いクラスメート?)
答えを知りたいようで知りたくない。
その瞬間から、どう転ぶにしろ今の関係には絶対に戻れなくなる。
友達ですらいられなくなるか、友達よりも甘い関係になるか。
後者ならばいいけれど、もしも前者だったなら……。
思うと、一歩前へ行こうとする足が竦んだ。
ふいに足を止めた結花に気づいて、仙道が、ん? と優しい顔でこちらを振り返る。
結花はハッと我に返って、なんでもないと慌てたように首を振ると、少しだけ開いた仙道との距離を埋めた。
「いよっし、これでどうだ!」
「おおー、完成―!!」
目の前にそびえたつ巨大な雪だるまを前に、結花はぱちぱちと拍手した。
結花の胸元くらいまであるそれを作る間、結局雪玉をぶつけあったりなんかして、お互いに雪まみれになってしまった。
だけど、雪だるまを作るのにほてったからだには、その冷たさがちょうどいい。