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苦々しい感情を抱えたまま信長は伊織の前まで来ると、のんびりビブスをたたんでいたその腕を荒々しく掴んだ。
伊織がぎょっとして信長を見つめる。
「ノ、ノブ!? どうしたの!?」
「どうしたのじゃねえよ! お前こそ何考えてんだよ、どういうことだよ!」
「え?」
「お前、神さんが好きなんだろ!? なのになんでセンドーと一緒に帰んだよ! あんなに嫌がってたくせに!」
「ちょ! ノブ、声大きいよ!」
信長の言葉にあわてふためいた伊織に、信長は口を塞がれた。
そのまま信長は、ずるずると近くの倉庫へ連れて行かれる。
伊織は後ろ手でドアをぴしゃんと閉めると、信長をうらめしそうに睨みつけてきた。
「ノブのバカっ! あんなところで大声出して、誰かに聞かれちゃったらどうするの!?」
「知るかよ。お前がいけないんだろ!? なんでセンドーと帰るんだよ、意味わかんねえよ!」
「……ノブ」
呆気にとられたように、伊織が黙り込む。
本当に、心の底から悔しかった。
宗一郎を好きだっていうから、応援しようと思ったのに。
(相手が伊織を泣かせてばっかりの仙道だったら、譲れるわけねぇだろ……!)
あんなやつに伊織は渡せない。
思って信長は口を開く。
「仙道が好きなのかよ」
「え?」
「仙道のことが、好きになったのかよ!」
「違うよ……。そうじゃないよ」
目を伏せて言う伊織に、信長はハンと鼻で息を吐き出す。
「どうだかな。さっきなんて好きとか言われて顔赤くしちゃって。みっともねえったらないぜまったく!」
「なっ!」
信長のあんまりな言い草に、伊織もムッとなって言い返す。
「なっ、なによ、仕方ないでしょう!? あんなこと言われたら誰だって顔くらい赤くなるわよ! それにだいたい顔が赤くなったからってその相手が好きとは限らないじゃない!」
「そうだけど! オレが嫌なんだよ神さん以外の人で頬染めるお前見んのなんか!」
「な……によ、それ……。意味わかんない!」
「うっせえ、それくらいわかれバカ!」
伊織の瞳にじわりと涙が浮かぶ。
信長はそれをみて、うっとたじろいだ。
「だって、だってしょうがないじゃない。全部全部、わたしがいけないんだもん……! 彰さんはなんにも悪くないのに、その彰さんにあんな無理させて、いつまでもわたしが逃げ回るわけにはいかないでしょう!?」
苦しそうにそれだけいうと、伊織はポロポロと泣き出した。
信長はそれをやるせない気持ちで見つめて、がーっと自分の髪をかき回した。
泣かせたいわけじゃなかったのに。信長の心を罪悪感が支配する。
下を向いて静かに涙する伊織の頭に手を伸ばし、それを自分の胸に強く引き寄せる。
「……! ノブ……っ!?」
「悪かったよ、伊織。言い過ぎた……。だから泣くなよ。……お前には、神さんとちゃんと幸せになって欲しくて……。だけど仙道と帰るなんていうから……だからちょっと腹が立っちまったんだよ。……ごめん」
「一緒に帰るのと、付き合うのは違うわよ」
「うん」
「好きなのは、宗先輩だけだもん」
「うん」
「だから、そんな怒んないでよ、ノブ……。ただでさえいろいろぐちゃぐちゃなのに、ノブとケンカなんかしたくないよ……」
「ごめん……」
複雑な心境で、信長は囁いた。
伊織がぎょっとして信長を見つめる。
「ノ、ノブ!? どうしたの!?」
「どうしたのじゃねえよ! お前こそ何考えてんだよ、どういうことだよ!」
「え?」
「お前、神さんが好きなんだろ!? なのになんでセンドーと一緒に帰んだよ! あんなに嫌がってたくせに!」
「ちょ! ノブ、声大きいよ!」
信長の言葉にあわてふためいた伊織に、信長は口を塞がれた。
そのまま信長は、ずるずると近くの倉庫へ連れて行かれる。
伊織は後ろ手でドアをぴしゃんと閉めると、信長をうらめしそうに睨みつけてきた。
「ノブのバカっ! あんなところで大声出して、誰かに聞かれちゃったらどうするの!?」
「知るかよ。お前がいけないんだろ!? なんでセンドーと帰るんだよ、意味わかんねえよ!」
「……ノブ」
呆気にとられたように、伊織が黙り込む。
本当に、心の底から悔しかった。
宗一郎を好きだっていうから、応援しようと思ったのに。
(相手が伊織を泣かせてばっかりの仙道だったら、譲れるわけねぇだろ……!)
あんなやつに伊織は渡せない。
思って信長は口を開く。
「仙道が好きなのかよ」
「え?」
「仙道のことが、好きになったのかよ!」
「違うよ……。そうじゃないよ」
目を伏せて言う伊織に、信長はハンと鼻で息を吐き出す。
「どうだかな。さっきなんて好きとか言われて顔赤くしちゃって。みっともねえったらないぜまったく!」
「なっ!」
信長のあんまりな言い草に、伊織もムッとなって言い返す。
「なっ、なによ、仕方ないでしょう!? あんなこと言われたら誰だって顔くらい赤くなるわよ! それにだいたい顔が赤くなったからってその相手が好きとは限らないじゃない!」
「そうだけど! オレが嫌なんだよ神さん以外の人で頬染めるお前見んのなんか!」
「な……によ、それ……。意味わかんない!」
「うっせえ、それくらいわかれバカ!」
伊織の瞳にじわりと涙が浮かぶ。
信長はそれをみて、うっとたじろいだ。
「だって、だってしょうがないじゃない。全部全部、わたしがいけないんだもん……! 彰さんはなんにも悪くないのに、その彰さんにあんな無理させて、いつまでもわたしが逃げ回るわけにはいかないでしょう!?」
苦しそうにそれだけいうと、伊織はポロポロと泣き出した。
信長はそれをやるせない気持ちで見つめて、がーっと自分の髪をかき回した。
泣かせたいわけじゃなかったのに。信長の心を罪悪感が支配する。
下を向いて静かに涙する伊織の頭に手を伸ばし、それを自分の胸に強く引き寄せる。
「……! ノブ……っ!?」
「悪かったよ、伊織。言い過ぎた……。だから泣くなよ。……お前には、神さんとちゃんと幸せになって欲しくて……。だけど仙道と帰るなんていうから……だからちょっと腹が立っちまったんだよ。……ごめん」
「一緒に帰るのと、付き合うのは違うわよ」
「うん」
「好きなのは、宗先輩だけだもん」
「うん」
「だから、そんな怒んないでよ、ノブ……。ただでさえいろいろぐちゃぐちゃなのに、ノブとケンカなんかしたくないよ……」
「ごめん……」
複雑な心境で、信長は囁いた。