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「その切りかえしってずるくないですか……」
「伊織ちゃんと帰れるなら、オレ、いくらでもずるくなれるよ」
伊織の視界に体を移し、にっこり笑う仙道。
伊織はしばらくその視線にじっと耐えていたが、やがて堪えかねてがっくりと首を折り曲げた。
「…………あーもう! わかりました! わかりましたよ! 今日は一緒に帰ります! でも部活が終わってからですからね! ……うー、あー、もう、彰さんなんか寒空の下わたしが終わるの一人淋しく待ってればいいんだ、神様のイジワル~!」
納得のいかない様子で伊織は意味不明な捨て台詞をはくと、一目散に部室へと駆け出した。
仙道はそれを見送りながら、嬉しさに思わず微笑んだ。
同時刻。
海南大附属のバスケ部専用体育館で、仙道と一緒に帰る事を承諾する伊織を見て信長は大口を開けた。
信じられない。今のは夢か……?
(なっに考えてるんだ、伊織のやつっ!)
ぎりぎりと信長は歯噛みした。
同じく、隣りで驚いたように佇む宗一郎に気付いて、信長は声をかける。
「神さん、いいんスか?」
宗一郎はそれにハッとしたように身じろぐと、信長に困ったような笑顔を向けた。
「いいも何も……。伊織ちゃんが決めたことだろ? 俺の口出すことじゃないよ」
「なっ……!」
信長は宗一郎のそのあっさりとした態度に驚いて、悔しそうに表情をゆがめた。
だって伊織は宗一郎が好きなのに。宗一郎だって伊織が好きなのに。
なんで……!
「なんでですか神さん! 嫌じゃないんですか伊織が仙道と帰るなんて!」
「俺の感情は関係ないよ」
「何言ってんスか大ありですよ! 嫌なら嫌って伊織に言えばいいんです! そうすればきっと伊織は仙道と帰るのなんてやめますから!」
「……ノブ。だからそれは伊織ちゃんが決めたことで、俺が口を出すことじゃないだろ? 何度も言わせるな」
少し怒ったように、それでもきっぱりと言う宗一郎。
信長はそれを信じられない気持ちで聞いていた。
どうして宗一郎はそんな風に言えるんだ? 嫌じゃないのか……?
この話はもう終わり、というように宗一郎が信長に背を向けて歩き出した。
信長は歯がゆい思いを抱えて、その背中に向かって声を投げる。
「――神さん! オレ、神さんのことすげー尊敬してますし、すげー好きです! けど、そういうとこちょっと理解できません!」
その言葉に驚いたように振り返る宗一郎を、信長は唇を噛んで一瞥してずんずんと足音も荒く宗一郎とは逆方向に歩き出した。
イライラする。すごくイライラする。
宗一郎も伊織も、何を考えているのか全然わからなかった。
伊織を好きだって言ったのに。好きなら、仙道が伊織と一緒に帰るなんて、絶対許せないはずなのに。
(どうしてあんなこと言えるんだよっ、くそ!)
もどかしかった。
自分は、仙道に伊織をやるために、諦めようとしてるんじゃない。
「伊織ちゃんと帰れるなら、オレ、いくらでもずるくなれるよ」
伊織の視界に体を移し、にっこり笑う仙道。
伊織はしばらくその視線にじっと耐えていたが、やがて堪えかねてがっくりと首を折り曲げた。
「…………あーもう! わかりました! わかりましたよ! 今日は一緒に帰ります! でも部活が終わってからですからね! ……うー、あー、もう、彰さんなんか寒空の下わたしが終わるの一人淋しく待ってればいいんだ、神様のイジワル~!」
納得のいかない様子で伊織は意味不明な捨て台詞をはくと、一目散に部室へと駆け出した。
仙道はそれを見送りながら、嬉しさに思わず微笑んだ。
同時刻。
海南大附属のバスケ部専用体育館で、仙道と一緒に帰る事を承諾する伊織を見て信長は大口を開けた。
信じられない。今のは夢か……?
(なっに考えてるんだ、伊織のやつっ!)
ぎりぎりと信長は歯噛みした。
同じく、隣りで驚いたように佇む宗一郎に気付いて、信長は声をかける。
「神さん、いいんスか?」
宗一郎はそれにハッとしたように身じろぐと、信長に困ったような笑顔を向けた。
「いいも何も……。伊織ちゃんが決めたことだろ? 俺の口出すことじゃないよ」
「なっ……!」
信長は宗一郎のそのあっさりとした態度に驚いて、悔しそうに表情をゆがめた。
だって伊織は宗一郎が好きなのに。宗一郎だって伊織が好きなのに。
なんで……!
「なんでですか神さん! 嫌じゃないんですか伊織が仙道と帰るなんて!」
「俺の感情は関係ないよ」
「何言ってんスか大ありですよ! 嫌なら嫌って伊織に言えばいいんです! そうすればきっと伊織は仙道と帰るのなんてやめますから!」
「……ノブ。だからそれは伊織ちゃんが決めたことで、俺が口を出すことじゃないだろ? 何度も言わせるな」
少し怒ったように、それでもきっぱりと言う宗一郎。
信長はそれを信じられない気持ちで聞いていた。
どうして宗一郎はそんな風に言えるんだ? 嫌じゃないのか……?
この話はもう終わり、というように宗一郎が信長に背を向けて歩き出した。
信長は歯がゆい思いを抱えて、その背中に向かって声を投げる。
「――神さん! オレ、神さんのことすげー尊敬してますし、すげー好きです! けど、そういうとこちょっと理解できません!」
その言葉に驚いたように振り返る宗一郎を、信長は唇を噛んで一瞥してずんずんと足音も荒く宗一郎とは逆方向に歩き出した。
イライラする。すごくイライラする。
宗一郎も伊織も、何を考えているのか全然わからなかった。
伊織を好きだって言ったのに。好きなら、仙道が伊織と一緒に帰るなんて、絶対許せないはずなのに。
(どうしてあんなこと言えるんだよっ、くそ!)
もどかしかった。
自分は、仙道に伊織をやるために、諦めようとしてるんじゃない。