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夢小説設定
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「ふふ、そのとおりです。だから、なにかあったら何でも言ってくださいね! まりあ、協力は惜しみませんから!」
「ハハ、それは心強いね。ありがとう」
仙道は無邪気に笑うとまりあと握手を交わした。
それを見て、宗一郎が駆け寄ってくる。
「まりあ!」
宗一郎は仙道からまりあを引き剥がすと、仙道に鋭い視線を向けた。
「幼馴染みに手を出すなっていったよね」
「じゃあ伊織ちゃんにはいいんだ?」
「仙道。それとこれとは……。とにかく、まりあ。向こうに行ってな。仙道には迂闊に近寄っちゃダメだよ。わかった?」
「はあい」
よいこの返事を残して去っていくまりあを視界に入れながら、仙道は意地悪く口の端をあげる。
「幼馴染みも伊織ちゃんも大事って? いい加減なのはどっちなんだろうな」
皮肉たっぷりに言ってやると、宗一郎が顔をしかめた。
「俺はまりあに恋愛感情はないよ」
「へえ。でも、伊織ちゃんのことは諦めるんだろ?」
仙道は双眸をきつく絞って宗一郎を見やる。
宗一郎もまっすぐその視線を見かえした。
「諦めないよ」
決然と言う宗一郎に、仙道は小さく目を瞠る。
飄々とした態度を崩し、渋面を作って宗一郎を睨みつける。
「この前オレが言った意味、わかんなかったか?」
「俺、いろいろ考えたけど……やっぱり伊織ちゃんが大切だし、好きなんだ。確かに俺はお前よりも彼女のこと知らない……。けど、そんなの関係ない。俺は俺のやり方で伊織ちゃんを守る。だから絶対に諦めない」
宗一郎はそこで一度言葉を切ると、仙道の目をしっかりと見据えた。
「仙道に、伊織ちゃんは渡さない」
「……!」
いつもの穏やかな雰囲気からは想像できないほどの屹然とした態度でそう言われ、仙道は思わず息を呑んだ。
宗一郎はくるりと踵を返すと、そのまま一度も仙道を顧みることなく練習を再開する。
「……まいったな」
その宗一郎の姿をみて、仙道は大きく息を吐いた。
次の日。陵南高校。
仙道は帰りのホームルームが終わると急いでカバンに荷物をつめはじめた。
本当ならホームルームなんてサボってしまいたかったが、昨日まで四日連続でサボった仙道は、朝のホームルームで今日もいなかったら部活一週間停止にするぞと担任に脅されてしまった。
部活だって四日連続で朝練しか出ていないのに、もしもそんなことになったら……。
監督・田岡の顔が脳裏によぎり、仙道はぶるっと震えた。
「おい仙道! お前まさか今日も海南に行くつもりなのか?」
振り返ると、クラスメートであり部活仲間でもある越野が、眉根を寄せて不機嫌そうにこちらを見ていた。
それに仙道はごまかすように、へラッと笑って見せる。
「ハハ、それは心強いね。ありがとう」
仙道は無邪気に笑うとまりあと握手を交わした。
それを見て、宗一郎が駆け寄ってくる。
「まりあ!」
宗一郎は仙道からまりあを引き剥がすと、仙道に鋭い視線を向けた。
「幼馴染みに手を出すなっていったよね」
「じゃあ伊織ちゃんにはいいんだ?」
「仙道。それとこれとは……。とにかく、まりあ。向こうに行ってな。仙道には迂闊に近寄っちゃダメだよ。わかった?」
「はあい」
よいこの返事を残して去っていくまりあを視界に入れながら、仙道は意地悪く口の端をあげる。
「幼馴染みも伊織ちゃんも大事って? いい加減なのはどっちなんだろうな」
皮肉たっぷりに言ってやると、宗一郎が顔をしかめた。
「俺はまりあに恋愛感情はないよ」
「へえ。でも、伊織ちゃんのことは諦めるんだろ?」
仙道は双眸をきつく絞って宗一郎を見やる。
宗一郎もまっすぐその視線を見かえした。
「諦めないよ」
決然と言う宗一郎に、仙道は小さく目を瞠る。
飄々とした態度を崩し、渋面を作って宗一郎を睨みつける。
「この前オレが言った意味、わかんなかったか?」
「俺、いろいろ考えたけど……やっぱり伊織ちゃんが大切だし、好きなんだ。確かに俺はお前よりも彼女のこと知らない……。けど、そんなの関係ない。俺は俺のやり方で伊織ちゃんを守る。だから絶対に諦めない」
宗一郎はそこで一度言葉を切ると、仙道の目をしっかりと見据えた。
「仙道に、伊織ちゃんは渡さない」
「……!」
いつもの穏やかな雰囲気からは想像できないほどの屹然とした態度でそう言われ、仙道は思わず息を呑んだ。
宗一郎はくるりと踵を返すと、そのまま一度も仙道を顧みることなく練習を再開する。
「……まいったな」
その宗一郎の姿をみて、仙道は大きく息を吐いた。
次の日。陵南高校。
仙道は帰りのホームルームが終わると急いでカバンに荷物をつめはじめた。
本当ならホームルームなんてサボってしまいたかったが、昨日まで四日連続でサボった仙道は、朝のホームルームで今日もいなかったら部活一週間停止にするぞと担任に脅されてしまった。
部活だって四日連続で朝練しか出ていないのに、もしもそんなことになったら……。
監督・田岡の顔が脳裏によぎり、仙道はぶるっと震えた。
「おい仙道! お前まさか今日も海南に行くつもりなのか?」
振り返ると、クラスメートであり部活仲間でもある越野が、眉根を寄せて不機嫌そうにこちらを見ていた。
それに仙道はごまかすように、へラッと笑って見せる。