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夢小説設定
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「伊織ちゃん、いつから宗ちゃんのこと宗先輩だなんて名前で呼んでるのよずうずうしい! 名字に戻しなさいよねえ!?」
「そ、それはムリ!」
鬼のような迫力のまりあに負けないように、伊織は毅然と言い返した。
その態度に、まりあがムッと表情を不機嫌にゆがめる。
「どおしてよ! 協力するって言ったじゃない! 親友でしょ!?」
「まりあちゃんは親友だと思うよ! 大好きだし大事だよ! でもそれはどうしてもできないの!」
「理由は!?」
「理由は……あるイミ賭けに負けたっていうかなんていうか……。とにかく! 呼び方は変えません!」
伊織がぴしゃりと言い放つ。
「それに! わたしこのことについてはまりあちゃんに話があって……」
「話って何よ」
伊織の剣幕に少々圧倒されながら、まりあが言う。
伊織は一度息を整えるように大きく空気を吸い込んで気持ちを落ち着けると、決意を固めて唇を持ち上げた。
(今日こそまりあちゃんに打ち明ける!)
「あのね、わたし、わたし……! 宗先輩のこと……」
♪テロリラー テロリロリラー
緊迫した空気をぶち壊すように、突然、ケータイの着うたが鳴り響いた。
このメロディは伊織のケータイの、メール受信時のものだ。
伊織は勢いをそがれてがっくりと両手を下につきながら、地面においていたケータイ電話に視線をやった。
「誰よ、こんなときに……っ」
ケータイに手を伸ばそうとして、その直前で伊織の動きがぴたりと止まった。
「?」
訝しげに顔を見合わせて、信長とまりあも伊織のケータイを身を乗り出して覗き見る。
背面ディスプレイに踊る、『仙道彰』の文字。
「せんどー!」
「仙道さん!」
伊織は二人の声にハッと我に返ると、さっとケータイに手を伸ばして、折りたたみ式のそれを開いた。
画面に表示される新着メール1件の文字。
伊織はそのままケータイのクリアボタンを押してそのインフォメーションを消すと、メールを読むことなくケータイを閉じた。
それに、信長が眉をひそめる。
「おい、読まなくていいのかよ」
「いーの!」
どこか張り詰めたような表情で、頑なに言う伊織。
そんな伊織にもお構いなしに、まりあは伊織が抱えているケータイに手を伸ばす。
「じゃあまりあが読んで返信してあげる!」
「ぎゃあ、やめて!」
「いーじゃん。伊織ちゃんどうせ読まないんだしー」
「だ、だめだってば、こらー!」
信長は、まりあとじゃれあう伊織を見つめた。
元気そうに騒いでいるけれど、その瞳はどこか曇っている。
全然、大丈夫じゃねーじゃんかよ。思って信長は深くため息をついた。
「そ、それはムリ!」
鬼のような迫力のまりあに負けないように、伊織は毅然と言い返した。
その態度に、まりあがムッと表情を不機嫌にゆがめる。
「どおしてよ! 協力するって言ったじゃない! 親友でしょ!?」
「まりあちゃんは親友だと思うよ! 大好きだし大事だよ! でもそれはどうしてもできないの!」
「理由は!?」
「理由は……あるイミ賭けに負けたっていうかなんていうか……。とにかく! 呼び方は変えません!」
伊織がぴしゃりと言い放つ。
「それに! わたしこのことについてはまりあちゃんに話があって……」
「話って何よ」
伊織の剣幕に少々圧倒されながら、まりあが言う。
伊織は一度息を整えるように大きく空気を吸い込んで気持ちを落ち着けると、決意を固めて唇を持ち上げた。
(今日こそまりあちゃんに打ち明ける!)
「あのね、わたし、わたし……! 宗先輩のこと……」
♪テロリラー テロリロリラー
緊迫した空気をぶち壊すように、突然、ケータイの着うたが鳴り響いた。
このメロディは伊織のケータイの、メール受信時のものだ。
伊織は勢いをそがれてがっくりと両手を下につきながら、地面においていたケータイ電話に視線をやった。
「誰よ、こんなときに……っ」
ケータイに手を伸ばそうとして、その直前で伊織の動きがぴたりと止まった。
「?」
訝しげに顔を見合わせて、信長とまりあも伊織のケータイを身を乗り出して覗き見る。
背面ディスプレイに踊る、『仙道彰』の文字。
「せんどー!」
「仙道さん!」
伊織は二人の声にハッと我に返ると、さっとケータイに手を伸ばして、折りたたみ式のそれを開いた。
画面に表示される新着メール1件の文字。
伊織はそのままケータイのクリアボタンを押してそのインフォメーションを消すと、メールを読むことなくケータイを閉じた。
それに、信長が眉をひそめる。
「おい、読まなくていいのかよ」
「いーの!」
どこか張り詰めたような表情で、頑なに言う伊織。
そんな伊織にもお構いなしに、まりあは伊織が抱えているケータイに手を伸ばす。
「じゃあまりあが読んで返信してあげる!」
「ぎゃあ、やめて!」
「いーじゃん。伊織ちゃんどうせ読まないんだしー」
「だ、だめだってば、こらー!」
信長は、まりあとじゃれあう伊織を見つめた。
元気そうに騒いでいるけれど、その瞳はどこか曇っている。
全然、大丈夫じゃねーじゃんかよ。思って信長は深くため息をついた。