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夢小説設定
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まりあはそんな二人を仲裁すると、きらきら瞳を輝かせて伊織に向き直った。
「それにしても、伊織ちゃん! 仙道さんといったいどういう関係なの?」
「……中学の、先輩と後輩だよ」
まりあのその質問に、伊織の胸がおもりを載せられたように一気に沈んだ。
伊織は信長の手によってぼさぼさになった頭をぶすくれた表情で直しながら、歯切れ悪くそれに答えるが、信長がすぐさま反論する。
「ウソつけっ! ただの先輩と後輩があんなふうにイチャつくか!」
「なっ! イチャついてないもん!」
「じゅーぶんイチャついてただろ!」
「ほんとほんと。おでこにちゅーまでされちゃって、ちょーラブラブ。付き合っちゃえばいいのに」
「「そーいう問題じゃないっ!」」
あっさりそういうまりあに、伊織と信長がユニゾンで答えた。
おお、息ぴったし、とまりあがぱちぱちと手を打ち鳴らす。
そんなまりあを、伊織はジト目で睨んだ。
「もう、まりあちゃんひどい! わたしが彰さんのこと本気で嫌がってるの知ってるくせに!」
「えー、だって伊織ちゃん邪魔なんだもん! ちっともまりあに協力してくれないし! それならいっそ仙道さんとくっついたほうが余計な心配しなくてすむでしょ!」
その切り返しに伊織がぐっと言葉を詰まらせた。
そ、それは……とごにょごにょと勢いをなくす伊織に代わって、今度は信長が驚いたような表情で口を開く。
「え!? なんかまりあちゃん性格変わってね!?」
「変わってないよ。まりあもともとこういう性格だもん」
目を丸くする信長に、しれっと答えるまりあ。
その返事にさらに驚いて、信長は腰を地面から三センチ浮かせた。
「でぇえええ!?」
屋上に、信長の絶叫が響き渡る。
同じく屋上でお弁当を広げていた何人かのグループが、その声にぎょっとしてこちらを振り返った。
頭を抱えて叫び声をあげる信長を見て、みな何かまずいものを見てしまったというような表情を浮かべて、すぐに視線をそらした。
そんな周囲の目にもかまわず信長はなにやら抱えた頭を前後に振っていたかと思うと、急にまりあに向き直った。
「ウッソだろ!? だってあんなにかわいらしくて儚くて、守ってあげた~いって感じだったじゃんか!」
「そぉんなのブリっ子してたに決まってんでしょお!? ほんとにあんな性格の子が存在するわけないじゃん! ノブくん女の子に夢見すぎなんじゃないの!?」
「なっ!」
フンッと鼻息も荒く言い放つまりあに、信長がピカソになった。
信長の脳裏に、いつかの宗一郎の言葉がよみがえる。
『えっ、ノブまりあが好きなの!?』
『大変だね。そのうちわかるよ』
こ、こういうことだったのか……。思って信長は地面にがっくりと膝から落ちた。
「ちなみに、このこと神さんは……?」
恐る恐る問いかけてみると、まりあのギンとした視線が飛んできた。
「知ってるわけないでしょ!? いっくらノブくんでも、宗ちゃんにこのこと言ったら許さないわよ!」
「ヒィー! わかった言わない! 絶対言わないからっ!」
据わった目で睨まれて、信長はぶんぶんと勢い良く首を縦に振った。
ならば、宗一郎は自力でまりあのこの性格に気付いたのだ。
思い至って、信長は改めて神宗一郎という人の凄さを思い知った気がした。
……宗一郎がまりあの性格に気付いていることは、絶対にナイショにしておこう。そう信長は固く心に誓った。
「そうだ、宗ちゃんといえば!」
ハッと何かに気付いたように、まりあは再び伊織に詰め寄った。
「それにしても、伊織ちゃん! 仙道さんといったいどういう関係なの?」
「……中学の、先輩と後輩だよ」
まりあのその質問に、伊織の胸がおもりを載せられたように一気に沈んだ。
伊織は信長の手によってぼさぼさになった頭をぶすくれた表情で直しながら、歯切れ悪くそれに答えるが、信長がすぐさま反論する。
「ウソつけっ! ただの先輩と後輩があんなふうにイチャつくか!」
「なっ! イチャついてないもん!」
「じゅーぶんイチャついてただろ!」
「ほんとほんと。おでこにちゅーまでされちゃって、ちょーラブラブ。付き合っちゃえばいいのに」
「「そーいう問題じゃないっ!」」
あっさりそういうまりあに、伊織と信長がユニゾンで答えた。
おお、息ぴったし、とまりあがぱちぱちと手を打ち鳴らす。
そんなまりあを、伊織はジト目で睨んだ。
「もう、まりあちゃんひどい! わたしが彰さんのこと本気で嫌がってるの知ってるくせに!」
「えー、だって伊織ちゃん邪魔なんだもん! ちっともまりあに協力してくれないし! それならいっそ仙道さんとくっついたほうが余計な心配しなくてすむでしょ!」
その切り返しに伊織がぐっと言葉を詰まらせた。
そ、それは……とごにょごにょと勢いをなくす伊織に代わって、今度は信長が驚いたような表情で口を開く。
「え!? なんかまりあちゃん性格変わってね!?」
「変わってないよ。まりあもともとこういう性格だもん」
目を丸くする信長に、しれっと答えるまりあ。
その返事にさらに驚いて、信長は腰を地面から三センチ浮かせた。
「でぇえええ!?」
屋上に、信長の絶叫が響き渡る。
同じく屋上でお弁当を広げていた何人かのグループが、その声にぎょっとしてこちらを振り返った。
頭を抱えて叫び声をあげる信長を見て、みな何かまずいものを見てしまったというような表情を浮かべて、すぐに視線をそらした。
そんな周囲の目にもかまわず信長はなにやら抱えた頭を前後に振っていたかと思うと、急にまりあに向き直った。
「ウッソだろ!? だってあんなにかわいらしくて儚くて、守ってあげた~いって感じだったじゃんか!」
「そぉんなのブリっ子してたに決まってんでしょお!? ほんとにあんな性格の子が存在するわけないじゃん! ノブくん女の子に夢見すぎなんじゃないの!?」
「なっ!」
フンッと鼻息も荒く言い放つまりあに、信長がピカソになった。
信長の脳裏に、いつかの宗一郎の言葉がよみがえる。
『えっ、ノブまりあが好きなの!?』
『大変だね。そのうちわかるよ』
こ、こういうことだったのか……。思って信長は地面にがっくりと膝から落ちた。
「ちなみに、このこと神さんは……?」
恐る恐る問いかけてみると、まりあのギンとした視線が飛んできた。
「知ってるわけないでしょ!? いっくらノブくんでも、宗ちゃんにこのこと言ったら許さないわよ!」
「ヒィー! わかった言わない! 絶対言わないからっ!」
据わった目で睨まれて、信長はぶんぶんと勢い良く首を縦に振った。
ならば、宗一郎は自力でまりあのこの性格に気付いたのだ。
思い至って、信長は改めて神宗一郎という人の凄さを思い知った気がした。
……宗一郎がまりあの性格に気付いていることは、絶対にナイショにしておこう。そう信長は固く心に誓った。
「そうだ、宗ちゃんといえば!」
ハッと何かに気付いたように、まりあは再び伊織に詰め寄った。