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夢小説設定
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「あーそーですね」
伊織のどうでもいいというような返事にも、仙道はめげずに続ける。
「デート、いつにする?」
「しません!」
「そうだぞ、センドー! 伊織イヤがってるだろ!」
「ノブナガくんは黙ってて」
「なに!?」
噛み付くように言う信長に、仙道が刺すような視線を向ける。
その冷たさに、信長が凍りついたように動けなくなった。
いつもの仙道からは想像が出来ない、コート上のそれよりもはるかに真剣な仙道の表情。
「オレに、勝てなかっただろ」
「――ぐっ」
「神もだよ」
信長が御されたのを見て動こうとした宗一郎を視界に入れて、仙道が言う。
「二人ともオレに負けたんだから、邪魔をするな」
「「!」」
宗一郎がその言葉に悔しそうに瞳を細め、間接が白くなるまでだらんと体の横に下げた拳を握り締めたとき。
「うわあ、どうしたの? こわい雰囲気!」
睨み合う三人の間に、まりあが割って入った。
まりあは宗一郎の腕にするりと絡みつくと、俯く伊織を口の端をあげて見やる。
「伊織ちゃん、仙道さんとデートの約束? いいなぁ、羨ましい!」
「…………」
「ふふ、いいでしょ」
俯いたまま答えない伊織の代わりに、仙道がへらっと笑顔を返した。
伊織の目尻に涙が浮かぶ。
(ひどい、まりあちゃん。わたしが本気で嫌がってたのを知ってるくせに)
思って唇を噛んだ。
仙道も仙道だ。
いったいどういうつもりで、こんなことをするんだろう。
デートなんて、できるわけないのに。そんな資格もう自分にはないのに。それを仙道はわかってるはずなのに。
なのになんで!
伊織はきっと顔を上げると、苦しみに歪む表情で仙道を見た。
体の中に溢れるどうしようもない感情を、ぶつけるように吐き出す。
「なんで……っ! どうしてですか!」
伊織のそのどこか追い詰められたような様子に、宗一郎たちもハッとなって息をのむ。
「いい加減もうやめてください! 彰さん知ってるんでしょう!? わたしはもう、あの頃の……っ、彰さんの知ってる鈴村伊織じゃありませんっ!!」
叫んだ拍子に、伊織の瞳から涙が零れ落ちた。
仙道はそれを双眸を細めて見つめる。
息をつめるような沈黙のあと、仙道がふいに口を開いた。
「あ、伊織ちゃん。電話鳴ってるよ」
「え!?」
突然脈絡のない事を言われ、反射的に慌ててケータイを取り出し確認する伊織。
それを、ひょいと仙道に取り上げられてしまう。
「あ!?」
驚く伊織にもお構いなしに、仙道は頭上高くで自分のケータイと伊織のそれを操作すると、伊織に向けて悪戯そうな笑顔を浮かべてにこっと笑った。
「いえい、伊織ちゃんの番号ゲット!」
伊織のどうでもいいというような返事にも、仙道はめげずに続ける。
「デート、いつにする?」
「しません!」
「そうだぞ、センドー! 伊織イヤがってるだろ!」
「ノブナガくんは黙ってて」
「なに!?」
噛み付くように言う信長に、仙道が刺すような視線を向ける。
その冷たさに、信長が凍りついたように動けなくなった。
いつもの仙道からは想像が出来ない、コート上のそれよりもはるかに真剣な仙道の表情。
「オレに、勝てなかっただろ」
「――ぐっ」
「神もだよ」
信長が御されたのを見て動こうとした宗一郎を視界に入れて、仙道が言う。
「二人ともオレに負けたんだから、邪魔をするな」
「「!」」
宗一郎がその言葉に悔しそうに瞳を細め、間接が白くなるまでだらんと体の横に下げた拳を握り締めたとき。
「うわあ、どうしたの? こわい雰囲気!」
睨み合う三人の間に、まりあが割って入った。
まりあは宗一郎の腕にするりと絡みつくと、俯く伊織を口の端をあげて見やる。
「伊織ちゃん、仙道さんとデートの約束? いいなぁ、羨ましい!」
「…………」
「ふふ、いいでしょ」
俯いたまま答えない伊織の代わりに、仙道がへらっと笑顔を返した。
伊織の目尻に涙が浮かぶ。
(ひどい、まりあちゃん。わたしが本気で嫌がってたのを知ってるくせに)
思って唇を噛んだ。
仙道も仙道だ。
いったいどういうつもりで、こんなことをするんだろう。
デートなんて、できるわけないのに。そんな資格もう自分にはないのに。それを仙道はわかってるはずなのに。
なのになんで!
伊織はきっと顔を上げると、苦しみに歪む表情で仙道を見た。
体の中に溢れるどうしようもない感情を、ぶつけるように吐き出す。
「なんで……っ! どうしてですか!」
伊織のそのどこか追い詰められたような様子に、宗一郎たちもハッとなって息をのむ。
「いい加減もうやめてください! 彰さん知ってるんでしょう!? わたしはもう、あの頃の……っ、彰さんの知ってる鈴村伊織じゃありませんっ!!」
叫んだ拍子に、伊織の瞳から涙が零れ落ちた。
仙道はそれを双眸を細めて見つめる。
息をつめるような沈黙のあと、仙道がふいに口を開いた。
「あ、伊織ちゃん。電話鳴ってるよ」
「え!?」
突然脈絡のない事を言われ、反射的に慌ててケータイを取り出し確認する伊織。
それを、ひょいと仙道に取り上げられてしまう。
「あ!?」
驚く伊織にもお構いなしに、仙道は頭上高くで自分のケータイと伊織のそれを操作すると、伊織に向けて悪戯そうな笑顔を浮かべてにこっと笑った。
「いえい、伊織ちゃんの番号ゲット!」