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夢小説設定
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「え?」
牧の言葉に伊織が顔を上げた。
牧はにやりと意地悪く笑ってみせる。
「そのうち神に聞いてみたらどうだ?」
「はあ……?」
聞くって一体何をだ。
要領を得ない牧の言葉に伊織が首を傾げると、控え室から制服に着替えた宗一郎と信長が出てきた。
まだユニフォーム姿の牧を見て、信長が声をかける。
「あれ? 牧さんまだユニフォームなんすか? 早く着替えてきた方が良いっスよ……って、ああー! 伊織!!」
今まで牧の影に隠れるようになっていて見えなかった伊織を発見すると、信長は大声を出した。
伊織の元まですごい勢いで駆け寄ると、その両手をがしっと掴む。
伊織はその迫力に圧倒されて、上体を気持ち後ろに反らした。
牧はその様子にくつくつと笑いながら、自分は更衣室へと去っていった。
「な、なに!?」
「伊織ごめん! センドーに30得点許しちまって……!」
「あ、ああ。それか……。いいよ、別にデートなんてしないし」
「え? いいのか?」
「さあ、いいんじゃない? わたしは約束してないし」
「そっか、そーだよな! あんなの約束じゃないもんな!」
「そうそう。……ふふ、ノブ、わたしのために頑張ってくれたんだって? ありがとね」
「お、おう。友達だからな!」
にっこり笑った伊織に、信長が照れたように鼻の頭をかく。
伊織は近くにいた宗一郎にも視線を向けた。
「宗先輩も、ありがとうございます。牧さんから聞きました。すごい気迫だったって」
「え? ああ、うん。結局30点とられちゃったけどね」
宗一郎が感情の読めない顔でそう言う。
いつもの穏やかな表情はそこにはなく、なんだか近寄り難いような雰囲気だった。
(怒って……る?)
いつもと違う宗一郎の様子に、伊織が不安げに眉根を寄せた。
「宗先輩?」
「ああ、ごめん。とにかくそのことなら伊織ちゃんは気にしなくていいよ。伊織ちゃんのためにやったわけじゃないから」
その言葉が伊織の胸に刃のように突き刺さる。
「あ……、そう、ですよね……」
たしかに、さっき仙道にやきもちをやいてくれたのかも、なんてちらっと脳裏をよぎったりしたけど、本気でそう思ったわけじゃなかった。
ただ自分の中で思うだけなら自由かな、なんて考えてたのに、それすらもばっさり切り捨てるような宗一郎の言葉に、伊織の胸が血を流す。
ズキズキと心臓の拍動にあわせて流れる痛みが、血管を通って全身に伝わっていく。
だめだ。涙が出そう。
「なんだかずうずうしいこと言っちゃって、ごめんなさい」
「あ、いや……」
宗一郎が震えるような伊織の声音にハッとなって振り返ったとき、そこに仙道がのんびりやってきた。
「いーおりちゃん!」
「え!? わ、彰さん!」
気付いた伊織が、ずざっと後ずさった。
仙道はそれにもお構いなしに、にっこりと伊織に顔を近づけて言う。
「伊織ちゃん、オレ、30得点したよ」
牧の言葉に伊織が顔を上げた。
牧はにやりと意地悪く笑ってみせる。
「そのうち神に聞いてみたらどうだ?」
「はあ……?」
聞くって一体何をだ。
要領を得ない牧の言葉に伊織が首を傾げると、控え室から制服に着替えた宗一郎と信長が出てきた。
まだユニフォーム姿の牧を見て、信長が声をかける。
「あれ? 牧さんまだユニフォームなんすか? 早く着替えてきた方が良いっスよ……って、ああー! 伊織!!」
今まで牧の影に隠れるようになっていて見えなかった伊織を発見すると、信長は大声を出した。
伊織の元まですごい勢いで駆け寄ると、その両手をがしっと掴む。
伊織はその迫力に圧倒されて、上体を気持ち後ろに反らした。
牧はその様子にくつくつと笑いながら、自分は更衣室へと去っていった。
「な、なに!?」
「伊織ごめん! センドーに30得点許しちまって……!」
「あ、ああ。それか……。いいよ、別にデートなんてしないし」
「え? いいのか?」
「さあ、いいんじゃない? わたしは約束してないし」
「そっか、そーだよな! あんなの約束じゃないもんな!」
「そうそう。……ふふ、ノブ、わたしのために頑張ってくれたんだって? ありがとね」
「お、おう。友達だからな!」
にっこり笑った伊織に、信長が照れたように鼻の頭をかく。
伊織は近くにいた宗一郎にも視線を向けた。
「宗先輩も、ありがとうございます。牧さんから聞きました。すごい気迫だったって」
「え? ああ、うん。結局30点とられちゃったけどね」
宗一郎が感情の読めない顔でそう言う。
いつもの穏やかな表情はそこにはなく、なんだか近寄り難いような雰囲気だった。
(怒って……る?)
いつもと違う宗一郎の様子に、伊織が不安げに眉根を寄せた。
「宗先輩?」
「ああ、ごめん。とにかくそのことなら伊織ちゃんは気にしなくていいよ。伊織ちゃんのためにやったわけじゃないから」
その言葉が伊織の胸に刃のように突き刺さる。
「あ……、そう、ですよね……」
たしかに、さっき仙道にやきもちをやいてくれたのかも、なんてちらっと脳裏をよぎったりしたけど、本気でそう思ったわけじゃなかった。
ただ自分の中で思うだけなら自由かな、なんて考えてたのに、それすらもばっさり切り捨てるような宗一郎の言葉に、伊織の胸が血を流す。
ズキズキと心臓の拍動にあわせて流れる痛みが、血管を通って全身に伝わっていく。
だめだ。涙が出そう。
「なんだかずうずうしいこと言っちゃって、ごめんなさい」
「あ、いや……」
宗一郎が震えるような伊織の声音にハッとなって振り返ったとき、そこに仙道がのんびりやってきた。
「いーおりちゃん!」
「え!? わ、彰さん!」
気付いた伊織が、ずざっと後ずさった。
仙道はそれにもお構いなしに、にっこりと伊織に顔を近づけて言う。
「伊織ちゃん、オレ、30得点したよ」