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夢小説設定
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宗一郎は無言でディフェンスにプレッシャーをかける。
仙道が大きく右へ足を踏み出した。
宗一郎もそちらへ踏み出す一瞬の隙を突いて仙道は左から宗一郎の前へ回ると、手を出して植草からボールを受け取った。
「!」
「止めれるもんなら止めてみな!」
宗一郎が体勢を立て直す前に、仙道は低い位置でドリブルをし、あっという間に宗一郎を抜き去った。
「しまった!」
しかし。
「いかすかーっ!」
「ノブ! 頼んだ!」
すぐさま信長がヘルプに入る。
宗一郎は仙道を信長に任せると、自分は信長のマークしていた越野へとついた。
信長は仙道を睨みつける。
「おい、センドー! 30得点なんてゼッテーさせねえからな!」
「ふうん。ノブナガくん、だっけ? キミもか……。相変わらずモテるなぁ、伊織ちゃん」
「なんだよ」
「なんでもないよ」
これはうかうかしてられないな。仙道はそう呟くと、ふうと息を吐き出して気持ちを切り替えた。
仙道の纏う空気が、本気のソレに変わった。
結局、試合は海南が勝利を収めた。
しかし、ブザー直前、宗一郎と信長の気迫のディフェンスを執念でかわし、仙道はぎりぎりで個人30得点をあげた。
整列し、選手たちが着替えるために控え室に入っていく。
牧は海南のベンチでスコアブックとにらめっこしている伊織を見つけると、そちらへ歩み寄った。
「鈴村すまない。仙道に、30得点やられちまった」
「ああ、大丈夫ですよ。あれは向こうが勝手に言ってるだけですし。それにしても彰さん、なんかまた上手くなったみたい……」
中学の頃から仙道は群を抜いてうまかったけど、高校に入ってそれにさらに磨きがかかったような気がする。
伊織は小さく嘆息すると、ついでしらけた目つきで牧を見やった。
「それに、牧先輩はあんまり彰さんの30点にはこだわってなかったですよね」
「はは、バレてたか。でも、神と清田はがんばってたぞ。特に神が、な」
「え、宗先輩が!?」
伊織は嬉しくなって少し顔を輝かせた。
もしかしたら、ちょっとだけ仙道にやきもちでもやいてくれたんだろうか。
(って、そんなはずないない)
思い直して伊織はふるふると首を振る。
牧は伊織の一人百面相を見て、小さく笑みをもらした。
本当にこの後輩は、何を考えているかわかりやすい。そんなところが神はいいのかもな、なんて思いながら、牧は再び口を開く。
「はは。神には珍しく闘志がみなぎってたぞ。あいつはそういうのは表に出さないんだが、今日は俺たちでもわかったくらいだったな」
「うわあ、わたしのためだけじゃないってわかってても、なんだか嬉しいなぁ」
「はは。どうだろうな」
仙道が大きく右へ足を踏み出した。
宗一郎もそちらへ踏み出す一瞬の隙を突いて仙道は左から宗一郎の前へ回ると、手を出して植草からボールを受け取った。
「!」
「止めれるもんなら止めてみな!」
宗一郎が体勢を立て直す前に、仙道は低い位置でドリブルをし、あっという間に宗一郎を抜き去った。
「しまった!」
しかし。
「いかすかーっ!」
「ノブ! 頼んだ!」
すぐさま信長がヘルプに入る。
宗一郎は仙道を信長に任せると、自分は信長のマークしていた越野へとついた。
信長は仙道を睨みつける。
「おい、センドー! 30得点なんてゼッテーさせねえからな!」
「ふうん。ノブナガくん、だっけ? キミもか……。相変わらずモテるなぁ、伊織ちゃん」
「なんだよ」
「なんでもないよ」
これはうかうかしてられないな。仙道はそう呟くと、ふうと息を吐き出して気持ちを切り替えた。
仙道の纏う空気が、本気のソレに変わった。
結局、試合は海南が勝利を収めた。
しかし、ブザー直前、宗一郎と信長の気迫のディフェンスを執念でかわし、仙道はぎりぎりで個人30得点をあげた。
整列し、選手たちが着替えるために控え室に入っていく。
牧は海南のベンチでスコアブックとにらめっこしている伊織を見つけると、そちらへ歩み寄った。
「鈴村すまない。仙道に、30得点やられちまった」
「ああ、大丈夫ですよ。あれは向こうが勝手に言ってるだけですし。それにしても彰さん、なんかまた上手くなったみたい……」
中学の頃から仙道は群を抜いてうまかったけど、高校に入ってそれにさらに磨きがかかったような気がする。
伊織は小さく嘆息すると、ついでしらけた目つきで牧を見やった。
「それに、牧先輩はあんまり彰さんの30点にはこだわってなかったですよね」
「はは、バレてたか。でも、神と清田はがんばってたぞ。特に神が、な」
「え、宗先輩が!?」
伊織は嬉しくなって少し顔を輝かせた。
もしかしたら、ちょっとだけ仙道にやきもちでもやいてくれたんだろうか。
(って、そんなはずないない)
思い直して伊織はふるふると首を振る。
牧は伊織の一人百面相を見て、小さく笑みをもらした。
本当にこの後輩は、何を考えているかわかりやすい。そんなところが神はいいのかもな、なんて思いながら、牧は再び口を開く。
「はは。神には珍しく闘志がみなぎってたぞ。あいつはそういうのは表に出さないんだが、今日は俺たちでもわかったくらいだったな」
「うわあ、わたしのためだけじゃないってわかってても、なんだか嬉しいなぁ」
「はは。どうだろうな」