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「ごめん、まりあちゃん」
「ごめんじゃないわよ」
伊織の上に乗ってる足に、まりあがさらに体重をかけてきた。
ずきずきと、しびれるような痛みが増す。
「謝るのは誰にでもできるのよ。わたしは謝罪じゃなくて理由を聞いてるのよ、おかしいでしょ!?」
「……あのね、まりあちゃん。わたし、まりあちゃんに話が……」
「あ、おはようみんな!」
そこまで言ったところで、小百合のせっぱつまったような大声がかぶさってきた。
四人は一斉にそちらに顔を向ける。
「この話はまた後でね」
そのとき、まりあが小さい声でささやいてきた。
伊織の足を踏みつけていたそれも、周りに気付かれないようにさりげなくどける。
伊織はじんじん痛む足が開放されたのにほっとしながら、小百合に改めて顔を向けた。
「神くん、ノブくん。大急ぎでユニフォームに着替えてきてちょうだい。それから伊織ちゃんとまりあちゃんは大至急みんなと一緒に試合の用意をして」
「どういうことですか?」
代表して、宗一郎が疑問の声をあげた。
それに小百合が、早口で答える。
「今日、陵南と練習試合だったらしいの。わたしと紳一が朝、体育館の鍵を取りに職員室に立ち寄ったら高頭監督がそうおっしゃってね」
「ええ!? 練習試合ぃ!? そんな話あったっすか?」
「ないわよ。もう、監督ったらすっかり忘れてたらしいのよ。というわけで、約束の時間は九時十五分らしいから、それにはもう間に合わないけど、少しでも早く準備できるように大急ぎでとりかかってちょうだい。いいわね?」
四人は一斉にうなずくと、一様に持ち場に向かった。
「あ、そうだ!」
伊織とまりあのもとに、小百合が身を翻して戻ってくる。
「相手のエースプレイヤーなんだけど、ちょっと女にだらしない人なの。基本的には来るもの拒ます、去るもの追わずだから大丈夫だと思うんだけど……。万が一声かけられたり電話番号聞かれたりしても、相手にしちゃだめよ」
それだけいうと、再び大慌てで小百合が駆け出していった。
高頭監督が扇子をあおぎながら、すまんすまんと体育館に姿を現した。
それをみて、小百合が声を上げる。
「いやー、すまんすまん。うっかりしとった」
「うっかりですみますか! 監督、しっかりしてください!!」
さすが小百合だ。監督相手にも物怖じせず怒鳴り倒している。
一瞬その光景に圧倒されていた伊織とまりあだが、すぐにそんな場合じゃないことを思い出して二人とも準備に向かった。
まずは着替えて、それから得点板を出そう。
伊織は更衣室の自分のロッカーにカバンを乱暴に放り込みながら考えた。
「チューッス!」
仙道彰は海南の体育館に着くと、部員たちと一緒にそこへ足を踏み入れた。
驚いたことに、体育館の中はまだ準備が終わっておらず、スタメン以外の選手、マネージャーが総出で走り回っていた。
「な、なんだこれは」
先頭に立つ陵南の監督、田岡茂一がその様子に驚いたように声を漏らした。
そこへ、陵南が来たことに気付いた海南の監督・高頭力と、チーフマネージャーの横藤小百合が慌てて駆け寄ってきた。
「ごめんじゃないわよ」
伊織の上に乗ってる足に、まりあがさらに体重をかけてきた。
ずきずきと、しびれるような痛みが増す。
「謝るのは誰にでもできるのよ。わたしは謝罪じゃなくて理由を聞いてるのよ、おかしいでしょ!?」
「……あのね、まりあちゃん。わたし、まりあちゃんに話が……」
「あ、おはようみんな!」
そこまで言ったところで、小百合のせっぱつまったような大声がかぶさってきた。
四人は一斉にそちらに顔を向ける。
「この話はまた後でね」
そのとき、まりあが小さい声でささやいてきた。
伊織の足を踏みつけていたそれも、周りに気付かれないようにさりげなくどける。
伊織はじんじん痛む足が開放されたのにほっとしながら、小百合に改めて顔を向けた。
「神くん、ノブくん。大急ぎでユニフォームに着替えてきてちょうだい。それから伊織ちゃんとまりあちゃんは大至急みんなと一緒に試合の用意をして」
「どういうことですか?」
代表して、宗一郎が疑問の声をあげた。
それに小百合が、早口で答える。
「今日、陵南と練習試合だったらしいの。わたしと紳一が朝、体育館の鍵を取りに職員室に立ち寄ったら高頭監督がそうおっしゃってね」
「ええ!? 練習試合ぃ!? そんな話あったっすか?」
「ないわよ。もう、監督ったらすっかり忘れてたらしいのよ。というわけで、約束の時間は九時十五分らしいから、それにはもう間に合わないけど、少しでも早く準備できるように大急ぎでとりかかってちょうだい。いいわね?」
四人は一斉にうなずくと、一様に持ち場に向かった。
「あ、そうだ!」
伊織とまりあのもとに、小百合が身を翻して戻ってくる。
「相手のエースプレイヤーなんだけど、ちょっと女にだらしない人なの。基本的には来るもの拒ます、去るもの追わずだから大丈夫だと思うんだけど……。万が一声かけられたり電話番号聞かれたりしても、相手にしちゃだめよ」
それだけいうと、再び大慌てで小百合が駆け出していった。
高頭監督が扇子をあおぎながら、すまんすまんと体育館に姿を現した。
それをみて、小百合が声を上げる。
「いやー、すまんすまん。うっかりしとった」
「うっかりですみますか! 監督、しっかりしてください!!」
さすが小百合だ。監督相手にも物怖じせず怒鳴り倒している。
一瞬その光景に圧倒されていた伊織とまりあだが、すぐにそんな場合じゃないことを思い出して二人とも準備に向かった。
まずは着替えて、それから得点板を出そう。
伊織は更衣室の自分のロッカーにカバンを乱暴に放り込みながら考えた。
「チューッス!」
仙道彰は海南の体育館に着くと、部員たちと一緒にそこへ足を踏み入れた。
驚いたことに、体育館の中はまだ準備が終わっておらず、スタメン以外の選手、マネージャーが総出で走り回っていた。
「な、なんだこれは」
先頭に立つ陵南の監督、田岡茂一がその様子に驚いたように声を漏らした。
そこへ、陵南が来たことに気付いた海南の監督・高頭力と、チーフマネージャーの横藤小百合が慌てて駆け寄ってきた。