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夢小説設定
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「どうして? ノブのことはノブって言うじゃない」
「だって! ノブは同い年だし……!」
神先輩は先輩ですから、とごにょごにょ言う伊織。
掴んでいる伊織の腕を、宗一郎はちょっとだけ強く握る。
「関係ないよ。俺も下の名前で呼んで欲しいな」
「だ、ダメったらダメです!」
「ふうん? 俺、いままで伊織ちゃんに避けられててすっごい傷ついたんだけどな」
「うっ」
「そういえば、声かけたのに無視されたこともあったよね。今日なんて頭撫でようとしたら露骨に避けるし……」
「ううっ」
「俺、あの後スリーポイントことごとく外して、監督にすっごい怒られたんだよなぁ……」
「うううっ」
重ねて言うと、明らかに伊織がしぼんでいくのがわかった。
もう一押しだ。
宗一郎は、再び唇を持ち上げる。
「ね。宗一郎って呼んでくれたら、許してあげるよ」
「で、でもっ」
「ふうん。伊織ちゃんは傷ついた俺の心なんかどうでもいいわけか。そっか、よくわかったよ」
そう言って、宗一郎は掴んでいた伊織の手を離した。
伊織に背を向けて、駐輪場から歩き出す。
伊織の慌てる気配を背後に感じながら、けれども前へ踏み出す足を止めることはしない。
そして。
「宗先輩っ!」
数歩先へ進んだところで、伊織の必死の声が背中に飛んできた。
宗一郎は、ゆっくりと振り返る。
「宗先輩?」
意地悪く繰り返すと、伊織が目を涙で潤ませて、真っ赤な顔で見上げてきた。
宗一郎の心臓が、どきんと跳ねる。
「い、今はそれで勘弁してください……!」
涙ながらに訴える伊織に、宗一郎は声をだして笑った。
ほんとうに、なんて愛しいんだろう。
胸いっぱいに広がるその感情を、宗一郎はけれど違う言葉に代える。
「いいよ。今はそれで許してあげる」
そう言って微笑むと、目の前の伊織が嬉しそうににっこり笑った。
ああ、かなわないなぁ。なんて思いながら、宗一郎は伊織の元へ引き返す。
「帰ろう、伊織ちゃん。もう夜も遅いし、送るよ」
「はい!」
宗一郎はそう言うと、伊織から自転車の鍵を受け取った。
To be continued…
「だって! ノブは同い年だし……!」
神先輩は先輩ですから、とごにょごにょ言う伊織。
掴んでいる伊織の腕を、宗一郎はちょっとだけ強く握る。
「関係ないよ。俺も下の名前で呼んで欲しいな」
「だ、ダメったらダメです!」
「ふうん? 俺、いままで伊織ちゃんに避けられててすっごい傷ついたんだけどな」
「うっ」
「そういえば、声かけたのに無視されたこともあったよね。今日なんて頭撫でようとしたら露骨に避けるし……」
「ううっ」
「俺、あの後スリーポイントことごとく外して、監督にすっごい怒られたんだよなぁ……」
「うううっ」
重ねて言うと、明らかに伊織がしぼんでいくのがわかった。
もう一押しだ。
宗一郎は、再び唇を持ち上げる。
「ね。宗一郎って呼んでくれたら、許してあげるよ」
「で、でもっ」
「ふうん。伊織ちゃんは傷ついた俺の心なんかどうでもいいわけか。そっか、よくわかったよ」
そう言って、宗一郎は掴んでいた伊織の手を離した。
伊織に背を向けて、駐輪場から歩き出す。
伊織の慌てる気配を背後に感じながら、けれども前へ踏み出す足を止めることはしない。
そして。
「宗先輩っ!」
数歩先へ進んだところで、伊織の必死の声が背中に飛んできた。
宗一郎は、ゆっくりと振り返る。
「宗先輩?」
意地悪く繰り返すと、伊織が目を涙で潤ませて、真っ赤な顔で見上げてきた。
宗一郎の心臓が、どきんと跳ねる。
「い、今はそれで勘弁してください……!」
涙ながらに訴える伊織に、宗一郎は声をだして笑った。
ほんとうに、なんて愛しいんだろう。
胸いっぱいに広がるその感情を、宗一郎はけれど違う言葉に代える。
「いいよ。今はそれで許してあげる」
そう言って微笑むと、目の前の伊織が嬉しそうににっこり笑った。
ああ、かなわないなぁ。なんて思いながら、宗一郎は伊織の元へ引き返す。
「帰ろう、伊織ちゃん。もう夜も遅いし、送るよ」
「はい!」
宗一郎はそう言うと、伊織から自転車の鍵を受け取った。
To be continued…