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夢小説設定
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信長の驚きように、神も目を丸くする。
「え!? あれ伊織のことだったんすか!?」
「そうだよ。……なに? 一体誰のこと言ってると思ったの?」
「……まりあちゃん」
「まりあぁ!?」
神が素っ頓狂な声を上げた。
「え、まさかノブ、まりあが好きなの?」
「えー、あー、まあ」
ついさっきまでは。
今更伊織が好きだなんて言いだせずに、信長は曖昧に頷いて見せた。
そんな信長に、複雑な表情を見せる宗一郎。
「そっか、まりあかぁ……」
ぽつりとそう呟いたかと思うと、もういちどドリンクに口をつけて、中身をすする。
宗一郎のその含みのある言い方に、信長はちょっと、ほんのちょっとだけおもしろくない気分になった。
「なんすか、神さん。どーせ似合わないとか思ってんでしょ?」
「え。ああ、違うよノブ。ごめんごめん。そんなこと思ってないよ」
「じゃあなんなんすか」
重ねていう信長に、宗一郎が苦笑する。
「いや、大変だなと思って」
「望みがないからっすか!? まりあちゃんが人気だからっすか!?」
信長もほとんど自棄だった。
伊織が宗一郎と両思いなのは喜ばしいことだけど、やっぱり心の片隅がちくりと傷んで、素直に喜べない。
なんだか泣きたい気持ちだった。
だけどそんなこと誰にもいえない。
完全に拗ねて言う信長に、宗一郎が幼い子にするように微笑む。
「はは、どれも違うよ。――まあ、そのうちわかるよ」
「?」
楽しそうに笑う宗一郎に、信長は再び首を傾げた。
そろそろ戻ろうか。そう言って歩き出した宗一郎に続いて、信長も歩を進める。
体育館へ入ろうとしたところで、前を行く宗一郎がなにか思いついたように振り返った。
「あ、そうだ。ノブ、お願いがあるんだけど」
部活終了後。伊織は久々にドジをやらかした。
十九時半になって、宗一郎のシュート練習も終わって、さあ帰ろうかと思ったそのとき。
しまおうと思って手をかけたボールカゴが、なぜか横倒しに倒れた。
どがしゃーんと耳を覆いたくなるような騒音の後に、てんてんてんと続くボールの跳ねる音。
まるで意思があるんじゃないかと思うくらい、四方八方にボールたちは転がっていく。
「あ……あ……あ……」
絶望にとらわれながらその様子を眺めていると、すっかり帰り支度を終えた牧が、小百合、宗一郎、まりあ、信長を伴って更衣室から出てきた。
まずこの惨状に驚き、そして呆然と佇む伊織を見て、状況を理解すると、伊織に哀れむような視線を送ってきた。
「……鈴村、ずいぶんとまた派手にやらかしたな」
「あはは。これ、夢ですかね」
「かわいそうだが、現実だ。自分で片付けて帰れよ」
「……はい。わかってます」
「え!? あれ伊織のことだったんすか!?」
「そうだよ。……なに? 一体誰のこと言ってると思ったの?」
「……まりあちゃん」
「まりあぁ!?」
神が素っ頓狂な声を上げた。
「え、まさかノブ、まりあが好きなの?」
「えー、あー、まあ」
ついさっきまでは。
今更伊織が好きだなんて言いだせずに、信長は曖昧に頷いて見せた。
そんな信長に、複雑な表情を見せる宗一郎。
「そっか、まりあかぁ……」
ぽつりとそう呟いたかと思うと、もういちどドリンクに口をつけて、中身をすする。
宗一郎のその含みのある言い方に、信長はちょっと、ほんのちょっとだけおもしろくない気分になった。
「なんすか、神さん。どーせ似合わないとか思ってんでしょ?」
「え。ああ、違うよノブ。ごめんごめん。そんなこと思ってないよ」
「じゃあなんなんすか」
重ねていう信長に、宗一郎が苦笑する。
「いや、大変だなと思って」
「望みがないからっすか!? まりあちゃんが人気だからっすか!?」
信長もほとんど自棄だった。
伊織が宗一郎と両思いなのは喜ばしいことだけど、やっぱり心の片隅がちくりと傷んで、素直に喜べない。
なんだか泣きたい気持ちだった。
だけどそんなこと誰にもいえない。
完全に拗ねて言う信長に、宗一郎が幼い子にするように微笑む。
「はは、どれも違うよ。――まあ、そのうちわかるよ」
「?」
楽しそうに笑う宗一郎に、信長は再び首を傾げた。
そろそろ戻ろうか。そう言って歩き出した宗一郎に続いて、信長も歩を進める。
体育館へ入ろうとしたところで、前を行く宗一郎がなにか思いついたように振り返った。
「あ、そうだ。ノブ、お願いがあるんだけど」
部活終了後。伊織は久々にドジをやらかした。
十九時半になって、宗一郎のシュート練習も終わって、さあ帰ろうかと思ったそのとき。
しまおうと思って手をかけたボールカゴが、なぜか横倒しに倒れた。
どがしゃーんと耳を覆いたくなるような騒音の後に、てんてんてんと続くボールの跳ねる音。
まるで意思があるんじゃないかと思うくらい、四方八方にボールたちは転がっていく。
「あ……あ……あ……」
絶望にとらわれながらその様子を眺めていると、すっかり帰り支度を終えた牧が、小百合、宗一郎、まりあ、信長を伴って更衣室から出てきた。
まずこの惨状に驚き、そして呆然と佇む伊織を見て、状況を理解すると、伊織に哀れむような視線を送ってきた。
「……鈴村、ずいぶんとまた派手にやらかしたな」
「あはは。これ、夢ですかね」
「かわいそうだが、現実だ。自分で片付けて帰れよ」
「……はい。わかってます」