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夢小説設定
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伊織はそれをみて、困ったように眉を下げる。
「……これ、わたしが全部ひとりでやるの……?」
去っていくまりあの背中をみつめて、伊織の胸がおもりを乗せられたように重くなった。
親友って、こんなに一方的なものだったろうか……。
伊織はふうと息を吐くと、ボール磨きを再開した。
ペースを上げないと、時間までに終わりそうになかった。
伊織がまりあに呼び出されたちょうどその頃。
信長は宗一郎に声を掛けられていた。
「ノブ、ちょっといい?」
「神さん? どうしたんすか?」
「うん……ちょっと。外で話そう」
言って宗一郎は二人分のドリンクボトルを持って、体育館の外へ出る。
信長もその背中を追うように後に続いた。
さあっと吹き抜けた風が、ほてった肌にちょうどよく気持ちいい。
「いい風っすね~」
「そうだね」
呑気に言う信長に対して、宗一郎はどこか沈んだように返事をかえす。
信長は、そんな宗一郎の様子に首をかしげた。
「神さん。どうしたんすか? オレになんか話……ハッ、まさか説教?」
「なんでだよ」
慌てたように言う信長に、宗一郎が苦笑した。
宗一郎は、ドリンクボトルに口をつけ中身を飲むと、言いにくそうに唇を持ち上げた。
「……実はさ、俺、最近伊織ちゃんに避けられてるみたいなんだけど……。ノブ、なんか知ってる?」
「え!?」
予想外の話に信長は一瞬動揺する。が、その後なんとかすぐ落ち着きを取り戻し、首を横に振る。
「いや……オレは知らないっス。神さんは心当たりないんすか?」
「あるわけないよ」
「ハハ、そうっすよねぇ……」
本当は理由を知っている信長の胸が、ずきずきと痛んだ。
(うう、神さん。許してください。オレの口からはなんも言えないんス……)
心の中で、宗一郎に懺悔する。
宗一郎は、頼みの綱の信長にも首を振られて、はあと息を吐き出した。
「俺、気付かないうちに何かしちゃったのかな」
めずらしく落胆の色を隠せないでいる宗一郎に、信長は目を丸くした。
普段、落ち込んだところなんかめったに見せないのに、こんな宗一郎ははじめて見た。
「珍しいっすね。神さんがこんなことで落ち込むなんて、なんか意外っす」
「意外って……」
宗一郎が心外だというように眉を寄せた。
「誰だって好きな子に避けられたら落ち込むぐらいするだろ?」
「え!?」
信長はその言葉に動きを止めた。
好きって、好きって、誰が。誰を!?
「え……、神さん……! 伊織のこと好きだったんすか!?」
「え!? 俺、前に言っただろ、ノブに。ライバルだって」
「……これ、わたしが全部ひとりでやるの……?」
去っていくまりあの背中をみつめて、伊織の胸がおもりを乗せられたように重くなった。
親友って、こんなに一方的なものだったろうか……。
伊織はふうと息を吐くと、ボール磨きを再開した。
ペースを上げないと、時間までに終わりそうになかった。
伊織がまりあに呼び出されたちょうどその頃。
信長は宗一郎に声を掛けられていた。
「ノブ、ちょっといい?」
「神さん? どうしたんすか?」
「うん……ちょっと。外で話そう」
言って宗一郎は二人分のドリンクボトルを持って、体育館の外へ出る。
信長もその背中を追うように後に続いた。
さあっと吹き抜けた風が、ほてった肌にちょうどよく気持ちいい。
「いい風っすね~」
「そうだね」
呑気に言う信長に対して、宗一郎はどこか沈んだように返事をかえす。
信長は、そんな宗一郎の様子に首をかしげた。
「神さん。どうしたんすか? オレになんか話……ハッ、まさか説教?」
「なんでだよ」
慌てたように言う信長に、宗一郎が苦笑した。
宗一郎は、ドリンクボトルに口をつけ中身を飲むと、言いにくそうに唇を持ち上げた。
「……実はさ、俺、最近伊織ちゃんに避けられてるみたいなんだけど……。ノブ、なんか知ってる?」
「え!?」
予想外の話に信長は一瞬動揺する。が、その後なんとかすぐ落ち着きを取り戻し、首を横に振る。
「いや……オレは知らないっス。神さんは心当たりないんすか?」
「あるわけないよ」
「ハハ、そうっすよねぇ……」
本当は理由を知っている信長の胸が、ずきずきと痛んだ。
(うう、神さん。許してください。オレの口からはなんも言えないんス……)
心の中で、宗一郎に懺悔する。
宗一郎は、頼みの綱の信長にも首を振られて、はあと息を吐き出した。
「俺、気付かないうちに何かしちゃったのかな」
めずらしく落胆の色を隠せないでいる宗一郎に、信長は目を丸くした。
普段、落ち込んだところなんかめったに見せないのに、こんな宗一郎ははじめて見た。
「珍しいっすね。神さんがこんなことで落ち込むなんて、なんか意外っす」
「意外って……」
宗一郎が心外だというように眉を寄せた。
「誰だって好きな子に避けられたら落ち込むぐらいするだろ?」
「え!?」
信長はその言葉に動きを止めた。
好きって、好きって、誰が。誰を!?
「え……、神さん……! 伊織のこと好きだったんすか!?」
「え!? 俺、前に言っただろ、ノブに。ライバルだって」