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夢小説設定
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「いった! なにしやがる、伊織!」
「自業自得だよーっだ!」
伊織は、いーっと舌を出すと、にっこり笑った。
その笑顔に、信長の胸がまたどきんと大きく跳ねる。
「ノブ! ありがとう! ノブに話してよかった! ……でも! まりあちゃんに本当のことを言うわけにはいかないのだった! 次号に続く! ではさらば! あと、自転車よろしく!」
伊織はそれだけ叫ぶと、もうすぐそこに迫った校門に逃げるように飛び込んでいった。
信長は、伊織の残した言葉を聞いて、苦笑する。
「あいつ、まりあちゃんに言わなきゃはじまらねえってのに……。バカだな」
伊織の悲しい顔は、元気のない姿は見たくない。
伊織が笑ってくれるのなら、オレはきっとなんだってする。
信長はため息をつくと、もう一度空を仰いだ。
雲ひとつない晴天。
そこに語りかけるように、ポツリと呟く。
「あーあ。もう手遅れだったみたいっすよ、小百合さん」
自嘲気味に笑いながらそう言うと、信長は再び前を向いて伊織に託された自転車を押した。
陽も傾き始めた放課後の午後練習。
信長に相談できてかなり心は軽くなったものの、当然といえば当然というか、いまだに伊織は宗一郎と普通に話すことが出来ないでいた。
信長はまりあに本当のことを話せば解決だ、なんていうけれど、そんなことできるはずがなかった。
そんなことをしたら最後、まりあに嫌われるに決まっている。
(それだけはぜったいにいや!)
伊織は、ぶんぶんと首を思いっきり振った。
突然のその行動に、うわっと後ろから驚いた声が上がる。
まさか後ろに誰かいたとは思わず、伊織は慌てて振り返った。
その人物をみて、心臓が一気に飛び跳ねる。
「あわわ、ごめんなさ……っ! じん、せんぱい……」
「はは。いいよ。俺もよそ見してたから」
そう言って、爽やかに笑う宗一郎。
鼓動を早める心臓に伊織は慌てて下を向く。
「いえ、わたしが悪いですから」
「そんなことないよ。頭でも痛いの? 大丈夫?」
優しく笑って、手を伊織の頭に伸ばす宗一郎。
伊織は触れられる寸前で、さっと後ろに身を引いた。
宗一郎が、驚いたような傷ついたような表情をして伊織を見、それから手持ち無沙汰になった手をすっと降ろした。
「あ、えっと……。ごめんね、伊織ちゃん。ちょっと馴れ馴れしかったかな」
目の前の宗一郎が、まるで泣いているような顔で笑う。
伊織の胸が、ずきんと痛んだ。
こんな態度をとって、宗一郎が傷つかないわけない。どうしよう、自分は、宗一郎に笑いかけてもらう資格なんかないのに。
思わずぼやけた視界に、伊織は咄嗟に俯く。
苦しくて、胸が張り裂けそうだ。
「自業自得だよーっだ!」
伊織は、いーっと舌を出すと、にっこり笑った。
その笑顔に、信長の胸がまたどきんと大きく跳ねる。
「ノブ! ありがとう! ノブに話してよかった! ……でも! まりあちゃんに本当のことを言うわけにはいかないのだった! 次号に続く! ではさらば! あと、自転車よろしく!」
伊織はそれだけ叫ぶと、もうすぐそこに迫った校門に逃げるように飛び込んでいった。
信長は、伊織の残した言葉を聞いて、苦笑する。
「あいつ、まりあちゃんに言わなきゃはじまらねえってのに……。バカだな」
伊織の悲しい顔は、元気のない姿は見たくない。
伊織が笑ってくれるのなら、オレはきっとなんだってする。
信長はため息をつくと、もう一度空を仰いだ。
雲ひとつない晴天。
そこに語りかけるように、ポツリと呟く。
「あーあ。もう手遅れだったみたいっすよ、小百合さん」
自嘲気味に笑いながらそう言うと、信長は再び前を向いて伊織に託された自転車を押した。
陽も傾き始めた放課後の午後練習。
信長に相談できてかなり心は軽くなったものの、当然といえば当然というか、いまだに伊織は宗一郎と普通に話すことが出来ないでいた。
信長はまりあに本当のことを話せば解決だ、なんていうけれど、そんなことできるはずがなかった。
そんなことをしたら最後、まりあに嫌われるに決まっている。
(それだけはぜったいにいや!)
伊織は、ぶんぶんと首を思いっきり振った。
突然のその行動に、うわっと後ろから驚いた声が上がる。
まさか後ろに誰かいたとは思わず、伊織は慌てて振り返った。
その人物をみて、心臓が一気に飛び跳ねる。
「あわわ、ごめんなさ……っ! じん、せんぱい……」
「はは。いいよ。俺もよそ見してたから」
そう言って、爽やかに笑う宗一郎。
鼓動を早める心臓に伊織は慌てて下を向く。
「いえ、わたしが悪いですから」
「そんなことないよ。頭でも痛いの? 大丈夫?」
優しく笑って、手を伊織の頭に伸ばす宗一郎。
伊織は触れられる寸前で、さっと後ろに身を引いた。
宗一郎が、驚いたような傷ついたような表情をして伊織を見、それから手持ち無沙汰になった手をすっと降ろした。
「あ、えっと……。ごめんね、伊織ちゃん。ちょっと馴れ馴れしかったかな」
目の前の宗一郎が、まるで泣いているような顔で笑う。
伊織の胸が、ずきんと痛んだ。
こんな態度をとって、宗一郎が傷つかないわけない。どうしよう、自分は、宗一郎に笑いかけてもらう資格なんかないのに。
思わずぼやけた視界に、伊織は咄嗟に俯く。
苦しくて、胸が張り裂けそうだ。