7
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…………」
さりげなく悪口を言われてるのは、気のせいではないはずだ。
信長が半眼で睨みつけてやると、伊織はハッとそのことに気付いたのかさらに慌てだす。
その様子に信長はおかしそうにけらけら笑うと、伊織に向き直った。
「じょーうだんだよ。今更だって、そんなの。まりあちゃんが神さんのこと好きなのなんか、はじめっから知ってたんだから」
「う、うん。でもさ、やっぱり傷つくものじゃない?」
「まあな。でも聞き出したのはオレだし、お前は気にするなよ。な?」
「う、うん……」
それでも、申し訳なさそうに肩を落とす伊織を見て、信長は話題を切り替えるように言った。
「でも、やっぱり伊織は神さんが好きだったんだな」
「うん……。わたしも、まりあちゃんのこともあるし、神先輩もどうみてもまりあちゃんのこと好きみたいだったから、好きにならないようにって自分に言い聞かせてたんだけど……」
やっぱりダメでした。そう切なそうに笑って言う伊織の表情を見て、信長の胸がつきんと痛む。
(?)
信長は、自分の胸の痛みに一瞬戸惑いながらも、気を取り直して話を先に進めた。
まさか。そんなはずは。
このタイミングで胸が痛むなんてまるで……。
「とにかく。今のままじゃぜってーダメだって。なにより神さんがかわいそうだろ? あんな態度取られ続けたんじゃ、いくらお前がただの後輩でも傷つくって」
「ただの後輩。がーん」
「うるさい、そこはスルーしろ。話が先に進まなくなる」
「へーい。……そうだよね。わたしもよくないって思ってる。どうしたらいいんだろ……」
「うーん」
信長は一度空を仰いだ。
だんだん太陽が高くなってきて、空は明るさを増している。
今日は雲ひとつない快晴だ。
こんな日にうだうだ悩むなんてもったいない。
信長は視線を伊織に戻すと、言った。
「お前の胸にひっかかってるのは、まりあちゃんに嘘をついたことと、協力をするって言ったこと。この二つだろ?」
「うん」
「だから、まずはまりあちゃんに謝って、自分の気持ちを言う。んで、協力できないって言う。それで終了」
「ええ!? そんなのできるわけないじゃん!」
「なんでだよ。だって神さんのこと好きなんだろ? 諦めようと思っても、諦められなかったんだろ?」
知らず、信長の胸は痛みを増す。信長は、それがなぜなのか、確信に近い予感を抱きながら言葉を続ける。
「――好きって気持ちに、どっちが先かとか、そんなの関係ない。なにも命とったりするわけじゃないんだから、お前はお前でがんばっていいはずだ。……オレが、お前の力になるからさ」
「ノブ……」
伊織が、瞳を潤ませて信長を見た。
身長差のせいで、自然信長は見上げられる形になる。
胸が騒いだ。意思に反して、ペースを速める心臓を止めることができなかった。
ああ。
今頃になって気付くなんて……。
(まさかオレが、ほんとは伊織に惚れてただなんて……ほんとやってらんねえぜ)
信長は自分の気持ちを一旦心の奥底に押しやると、伊織を安心させるようににかっと笑った。自分の顔の下にある、伊織の小さな頭をぐりぐりと撫で回す。
泣いてんじゃねえよ。そんな風に言いながら。
手の下で、伊織は小さく抵抗する。
「わぷっ! やめてよ、ノブ! ああ、髪が! 髪が!」
絶望的に叫ぶ伊織に、信長が大笑いすると、怒った伊織にむこうずねを思いっきりけられた。
さりげなく悪口を言われてるのは、気のせいではないはずだ。
信長が半眼で睨みつけてやると、伊織はハッとそのことに気付いたのかさらに慌てだす。
その様子に信長はおかしそうにけらけら笑うと、伊織に向き直った。
「じょーうだんだよ。今更だって、そんなの。まりあちゃんが神さんのこと好きなのなんか、はじめっから知ってたんだから」
「う、うん。でもさ、やっぱり傷つくものじゃない?」
「まあな。でも聞き出したのはオレだし、お前は気にするなよ。な?」
「う、うん……」
それでも、申し訳なさそうに肩を落とす伊織を見て、信長は話題を切り替えるように言った。
「でも、やっぱり伊織は神さんが好きだったんだな」
「うん……。わたしも、まりあちゃんのこともあるし、神先輩もどうみてもまりあちゃんのこと好きみたいだったから、好きにならないようにって自分に言い聞かせてたんだけど……」
やっぱりダメでした。そう切なそうに笑って言う伊織の表情を見て、信長の胸がつきんと痛む。
(?)
信長は、自分の胸の痛みに一瞬戸惑いながらも、気を取り直して話を先に進めた。
まさか。そんなはずは。
このタイミングで胸が痛むなんてまるで……。
「とにかく。今のままじゃぜってーダメだって。なにより神さんがかわいそうだろ? あんな態度取られ続けたんじゃ、いくらお前がただの後輩でも傷つくって」
「ただの後輩。がーん」
「うるさい、そこはスルーしろ。話が先に進まなくなる」
「へーい。……そうだよね。わたしもよくないって思ってる。どうしたらいいんだろ……」
「うーん」
信長は一度空を仰いだ。
だんだん太陽が高くなってきて、空は明るさを増している。
今日は雲ひとつない快晴だ。
こんな日にうだうだ悩むなんてもったいない。
信長は視線を伊織に戻すと、言った。
「お前の胸にひっかかってるのは、まりあちゃんに嘘をついたことと、協力をするって言ったこと。この二つだろ?」
「うん」
「だから、まずはまりあちゃんに謝って、自分の気持ちを言う。んで、協力できないって言う。それで終了」
「ええ!? そんなのできるわけないじゃん!」
「なんでだよ。だって神さんのこと好きなんだろ? 諦めようと思っても、諦められなかったんだろ?」
知らず、信長の胸は痛みを増す。信長は、それがなぜなのか、確信に近い予感を抱きながら言葉を続ける。
「――好きって気持ちに、どっちが先かとか、そんなの関係ない。なにも命とったりするわけじゃないんだから、お前はお前でがんばっていいはずだ。……オレが、お前の力になるからさ」
「ノブ……」
伊織が、瞳を潤ませて信長を見た。
身長差のせいで、自然信長は見上げられる形になる。
胸が騒いだ。意思に反して、ペースを速める心臓を止めることができなかった。
ああ。
今頃になって気付くなんて……。
(まさかオレが、ほんとは伊織に惚れてただなんて……ほんとやってらんねえぜ)
信長は自分の気持ちを一旦心の奥底に押しやると、伊織を安心させるようににかっと笑った。自分の顔の下にある、伊織の小さな頭をぐりぐりと撫で回す。
泣いてんじゃねえよ。そんな風に言いながら。
手の下で、伊織は小さく抵抗する。
「わぷっ! やめてよ、ノブ! ああ、髪が! 髪が!」
絶望的に叫ぶ伊織に、信長が大笑いすると、怒った伊織にむこうずねを思いっきりけられた。